アメリカ経済の異変?NISAの人気商品、大丈夫なの??

2024年にNISA制度が拡充され、資産形成への関心が一気に高まりました。中でも人気を集めているのが、米国株式に投資するS&P500連動型の投資信託や、「オルカン」と呼ばれる全世界株式型のファンドです。手軽に分散投資ができる商品として注目されていますが、実はその中身をよく見ると、ある偏りがあることに気づきます。人気商品に集中することで見えにくくなっているリスクについて、改めて考えてみましょう。

1.人気のNISA商品、その実態は「アメリカ集中投資」

新NISA制度のスタート以降、多くの個人投資家が積立投資を始めています。特につみたて投資枠において人気を集めているのが、全世界株式型や米国株式型のインデックスファンドです。

実際の購入銘柄を見ると、全世界株式(日本を含む)、全世界株式(日本を除く)、米国株式の3つだけで、全体の約73.8%を占めています。

引用:日本証券業協会資料

そして、全世界株式といっても、その約6割は米国株で構成されています。

引用:SBI証券 全世界株式

つまり、私たちは「分散投資」をしているつもりでも、実質的にはアメリカ経済に大きく依存した投資になっているのです。

これまで米国は世界経済を牽引してきた存在であり、その成長の恩恵を受ける形で資産を増やしてきた人も多いでしょう。

しかし、投資が特定の国に偏っている以上、その国の経済状況に大きく左右されることになります。

今後も同じ状況が続くのか、冷静に見ていく必要があります。

2.アメリカ経済の変調?

2025年に入り、米国の代表的な株価指数であるS&P500の値動きを見ると、これまでのような力強い上昇が一時的に鈍化していることが確認できます。

引用:Yahoo!ファイナンス S&P500チャートより

日本経済新聞によると、アメリカではクレジットカードの支払い遅延が急増しており、低所得者層を中心に家計の圧迫が深刻化しています。

(出典:www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1102L0R10C24A5000000/

この水準は、リーマンショック時に次ぐレベルとも言われています。

トランプ政権における関税政策の影響がこの原因とされており、企業のコスト増や利益圧迫が懸念されています。

さらに、中東情勢の緊迫化により原油価格が上昇し、エネルギーコストの増加が世界経済全体に影響を与えています。

これまで「強いアメリカ」として安定した成長を続けてきた経済にも、少しずつ変化の兆しが見え始めています。

3.株価は上がりすぎているのか?

過去30年間で、アメリカ株式市場は大きく成長してきました。

引用:my index 資産配分ツールより

日本の株式市場が約3.8倍の成長にとどまる中、米国株は約26.5倍(円建て)という驚異的な伸びを見せています。

一方で、アメリカのGDP(経済規模)の成長は約4倍程度です。

もちろん、為替の影響なども織り込まれるため、単純な比較はできません。

しかし、それを踏まえても、経済成長に対して株価が大きく上昇していることは事実です。

この背景には、リーマンショックやコロナ禍において実施された大規模な金融緩和と財政出動があります。

市場に大量のお金が供給されたことで、その一部が株式市場へ流入し、株価を押し上げたと考えられています。

こうした状況から、一部では「バブル状態ではないか」との指摘もあります。

もしバブル的な側面があるとすれば、その調整として株価が大きく下落する可能性も否定できません。

NISAの人気商品にも、こうしたリスクが内在していることを理解しておく必要があります。

4.暴落を想定、許容範囲に抑えられる運用を

投資において重要なのは、「暴落は起きるもの」として考えておくことです。

例えばリーマンショック時には、株価が大きく下落しました。

最近投資を始めたばかりで、まだ積立額が少ない場合は、大きな影響は受けにくいでしょう。

しかし、長年積み立てて資産が大きくなっている人ほど、下落時の影響は大きくなります。

そこで重要なのが、

・いつ使うお金なのか

・どの程度の下落に耐えられるのか

を事前に考えておくことです。

また、米国株だけに偏らず、

・日本株

・新興国株

・債券

などへ分散することも重要です。

NISA口座で買える商品としては、債券を組み合わせたバランス型ファンドがあり、下落時の値動きを抑える効果が期待できます。

現在は日本の金利も上昇しており、個人向け国債の利回りも1%を超える水準となっています。

資産形成で大事なのは、「どれだけ増えるか?」一番を争うことではなく、「できるだけ高確率で実現できるプラン」です。

結果的に米国株インデックスが一番だったとしても、それは結果論です。リスクをコントロールし、再現性が高い資産形成プランを考えることが大事で、資産全体でリスクをコントロールすることが求められます。

5.アクティブファンドという選択肢

近年は株式指標に連動した値動きを目指すインデックスファンドが主流となり、

「アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない」

「手数料が高い」

といった理由で敬遠されがちです。

しかし、一部の長期投資型のアクティブファンドは、短期的な株価の動きに左右されず、長期的に必要とされ、参入障壁を持つ強いビジネスモデルに着目し、そういった企業を丁寧に選定して投資しています。

例えば、食料品や日用品、医療品などは、不況時でも需要が大きく落ちにくい分野です。

景気が悪くなったから紙おむつを買い控えるといったことや食料品を買わなくなるということも考え難いものですね。

こうした安定した需要を持つ企業も含めておくことで、景気変動の影響を受けにくい、つまりは暴落に強い運用を可能にします。

下記は私が保有しているアクティブファンドの上位銘柄です。

これらの商品は、原則は「売らなくていい株を買っている」ことです。

投資とは、安いときに買って高いときに売ることのように考えられがちなのですが、長きに渡り必要とされる商品、サービスを提供し、成長が期待できる会社に投資することで企業の成長により大きな利益がもたらされるようになりますので、本当の投資とは売る必要が無いものなのです。

こうしたコンセプトで、景気の変動に一喜一憂せず、長期的に成長が期待できる会社に投資しているアクティブファンドにも目を向けてみるのも良いのではないでしょうか。

そんな商品の中には、インデックスファンドの成長を長期で大きく上回るこんな商品も・・・

6.まとめ

現在のNISA人気商品は、分散投資のように見えて、実質的にはアメリカ経済への依存度が高い構造となっています。

これまでの米国の成長は確かに魅力的ですが、その一方で、株価の過熱感や経済の変調も指摘されています。

将来の資産を創る「守りの投資」において重要なのは、「上がるか下がるか」を当てることではなく、暴落時にも対応できるも対応できる準備をしておくことです。

人気商品に流されるのではなく、自分自身の目的やリスク許容度に合った投資戦略を考えることが、これからの時代にはより重要になっていくでしょう。

SNS等では「オルカンに脳死状態で毎月積み立て投資してればいい」といったことが言われがちですが、正しくも間違いでもあります。

まずは考えるための「判断基準」を持ち、そのためには基礎知識をしっかり学び、その上で過去の値動き、商品の特性、コスト等を見極めて、自分に合ったものを選んでいきましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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