2006/7/25発行
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国際人になる!24のエピソード 第4号
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◇◆◇ 母国語の大切さ ◇◆◇
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です。
「国際人になる!24のエピソード」第4号をお届けします。
よろしくおつきあい下さいませ。
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小学生に英語の授業は必要か?
そんな議論があちこちでとびかっています。
実際に1年間公立の小学校で英語講師をしていた
経験からお話をすると、多文化理解の一環として
小さいころから英語に触れることはとても重要だと思います。
しかし「ネイティブのように英語を話す」ために、
他の授業の時間を削ってまで英語の授業を
取り入れるのはどうかと思います。
まずは母国語ありき。
「自分の心を表現する」心の言葉として母国語を
しっかり身に着けることが一番大事!
私は自分自身のアメリカ留学の経験からあえてそう言います。
なぜなら母国語は「自分とはなにか」を問う、
アイデンティティそのものだと思うからです。
☆☆ エピソード4 ☆☆
私が初めて「自分の国・自分の言葉」を意識したのは1992年の冬、
お世話になっていた日本人教授のお宅でのホームパーティーでの
会話がきっかけでした。
その日の話題はもっぱら、アルベールヒル冬のオリンピックのこと。
「山中さんは、フィギアスケートで伊藤みどりとクリスティー山口、
どっちを応援したの?」
「そうですねぇ、私はやっぱり伊藤みどりですね。
あの3回転ジャンプに、是非金メダルをあげたかったですねぇ」
「あー、やっぱり山中さんは、まだ日本人なんだね~(しみじみ)
僕はね、演技がどうのというより、クリスティー山口のお父さんが
表彰式の時に、右手を左胸にクロスさせて、星条旗をじっと
見つめていた姿に感動したよ。」
先生はどうしてそんなことをおっしゃるんだろう?
私にはそのときは言葉の意味が、理解できませんでした。
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私はアメリカ滞在中に、日本人以外にもいろんな方と出会いました。
そこで分かったことは、みんな色々な理由でそこに存在しているんだ、ということです。
ベトナム戦争の孤児でアメリカ人夫婦の養子になった人もいました。
自国ではなかなか能力を認められず、アメリカでやっと開花した人もいました。
自分の故郷を離れ、幼い頃の自分を知っている人たちから離れ、アメリカで必死で生きているうちに自分の心の中で発する「母国語」
だけが自分の心のよりどころなのでしょう。
・・・でも気がつけば、それさえもが自分の中から消えてしまう・・・
ある方は「私は、頭の中で計算をする時に英語で考えている自分を発見したとき、なんとも言えない寂しい気持ちになりましたよ。」とおっしゃいました。
いつの間にか日本で過ごした時間よりアメリカでの暮らしが長くなった方です。
ご自身の中では、口から発せられる言葉は英語だけれども、無意識に考える時の言葉は日本語、それがイコール自分が
日本人である証。そんな風に考えていらっしゃったようです。
それさえも英語になっている。
彼は「自分とはなにか?」がゆらいでいくような、そんな不安を感じたそうです。
自分の国籍、自分はナニジンか?を図る物差しのひとつに言葉があるのではと思います。
自分がこころの中で話す言葉は、何語か。その言葉が属する国はどこか?
言霊という言葉があるけれど、心で話す言葉はまさにその人のこころのよりどころ=アイデンティティでは、と思うのです。
私ってナニジン?私ってなに? アイデンティティが崩れたとき、人はむしょうに不安になるものです。
そうなった時に、信じるものはひとつ。自分です。
ただひとつのそこに存在する、自分。
「自分」を真剣に見つめる人には、クリスティ山口のお父さんが、星条旗の向こうに見たものが見えたのかも知れません。
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幸か不幸か、私達夫婦の英語力は日本語を忘れてしまうほどはつかず、ヒジョーに中途半端な状態でアメリカ滞在期間を終えてしまいました。
それでも、夫婦の会話には英語と日本語がごちゃごちゃで、
傍で聞いたらまるでなぞの東洋人。
特に夫は大阪弁と英語のミックスなので、それはもう・・・
「ヘイ、トランクがアジャーやんけ。
ちゃんとシャットせな、あかんやんか」
(訳)オイ、トランクが空いたままじゃないか。
ちゃんと閉じなきゃだめだろう!
皆さん、美しい日本語に誇りをもちましょう(祈願)
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次号は、楽しむための英語、世界を身近に感じるための英語、
として取り組んだ私の英語講師時代のエピソードをご紹介します。
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※このコラムは2006年3月から2008年5月の間にメールマガジンで配信していたものです。
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