【経営者または人事担当者向け】知っておきたい個人型のデメリット

2017年1月1日以降は、日本に住む公的年金加入者であれば、ほぼすべての方が確定拠出年金の加入資格を有することになります

それだけ社会的に認知度が高まると、確定拠出年金の個人型加入者に向けたサービスも今より改善が期待できると思います

企業からすると、個人がそれぞれで加入してくれるのであれば会社としても手間がかからず良いのではないのかという解釈も確かにあると思うのですが、個人的には「個人型よりは企業型」と考えています

理由は3つです

 

1、確定拠出年金に加入するモチベーションがない人は会社のお荷物になる可能性が高い

ご存じのとおり、確定拠出年金は税制優遇を受けながら自分で作る退職金あるいは老後資金です

これだけの税制優遇を国が許すのは、公的年金の不足がいよいよ現実的なものだからです

しかしこの緊迫した状況を把握し、自ら行動を起こせるのは本当に少数派

大多数は公的年金に対する正しい知識ももたず、自らも行動を起こさない

やがて、老後資産が準備できない社員は、会社に居場所を求め、国も受け入れを求めるでしょう

もしそうなると、新陳代謝が衰えることになり、会社は競争力を失うことになりかねません

現状、会社主導で社員を適切な方向に導くしかないのではないかと考えます

 

2、少額拠出の場合、コスト負けをしてしまう可能性がある

確定拠出年金は毎月の管理コストがかかります

企業型は会社がコストを負担しますが、個人型は加入者本人が負担します

このコストはいろいろですが、企業型、個人型も加入者一人当たり300~600円程度が平均ではないかと思います

確定拠出年金は掛け金が全額所得控除になるので、わずかな掛け金であっても節税メリットがあるのですが、やはり所得がひくい方だと課税率も低く少額拠出の場合は、手数料分の節税メリットが出ないあるいはコストを節税で賄う程度になる場合もあるのです

一方企業型であれば、コストはもちろん損金です

また弊社でおすすめしております、「選択制」であれば社会保険料を抑制しながら制度の維持ができるので実質コスト負担なしで福利厚生を拡充することができます

 

3、個人型では教育の場が提供されない

企業型であれば、少なくとも制度導入時に確定拠出年金制度および資産運用についての教育の場が提供されます

これは企業に「努力義務」が課されているからです

でも個人型では、教育の場を誰も提供してくれません

現状企業の投資教育が十分かといえばそうではないかもしれませんが、経営者の姿勢、人事の取り組み次第で従業員の一生涯役に立つ知恵を与える場を創設することは可能です

また経済に明るく、自分自身の将来設計に前向きな社員が、企業にとっても重要な人材になることはいう間でもありません

 

以上の理由から、確定拠出年金はできれば、企業主体で導入を検討いただきたいと思っています

法人の場合事業規模を問わず「企業型」が導入できます

 

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