なんの準備もできないまま、離婚してしまいました。これからの生活設計、どうしたら良いのか不安でいっぱいです。

ご相談者様データ

(年齢)35歳 田畑 芽依様(仮名) 神奈川県在住

(職業)会社員

(家族構成)長男 3歳

相談しようと思ったきっかけ

夫のモラハラと浮気に耐えきれず離婚しました。結婚期間は約5年、ずっと我慢をしてきたのですが、夫の浮気が発覚し、発作的にというか、我慢の限界を感じ息子を連れ実家に戻り、3ヶ月前に離婚が成立しました。

元夫は話し合いの場を求めてきましたが、とてもそんな気持ちにはなれず、子どもの養育費や慰謝料といったものの取り決めをしないまま離婚をしてしまったので、これからどうしたら良いのかと思っています。

実家では、落ち着くまで息子と一緒に身を寄せても良いと言ってくれていますし、すでにリタイアした父が喜んで孫の保育園の送り迎えをしてくれたり、母も食事など全面的にサポートしてくれています。そのおかげもあり、フルタイムの会社員として働いているのですが、いつまでも両親に甘えるのもどうなのかと感じています。

もちろん子どもに不自由な思いはさせたくありませんし、充分な教育を受けさせてあげたいと思っています。しかし、私一人の収入で賄っていけるのかとても不安です。現在家計はぐじゃぐじゃで、正直どんな風にやりくりをして良いのか、どこから手をつけて良いものか分りません。

将来に希望と自信がもてるよう、アドバイスをいただけたらうれしいです。

ご相談の内容

田畑様、この度はFP相談にお申し込みいただきましてありがとうございました。

この度は、大きな決断をなさったのですね。大変なご苦労があったかと思いますが、これからの毎日を喜びにあふれた日々にしていきましょう。

現在家計がぐじゃぐじゃだとおっしゃっていますが、それは仕方がないことです。精神的にも大変だったと思いますし、様々な手続きもあり、急な支出も増えたのではないかと推察します。混乱期については、誰しもそういう物だと過去を悔やむことはやめましょう。

ご両親の元で暮らすことに、少し後ろ向きな気持ちもあるようですが、ご両親様にとってお孫さんと過ごす時間はなにより楽しいことだと思います。これも親孝行だと思い、甘えるところは甘えましょう。

では、これから田畑様が取り組まなければならないことを時系列で考えていきましょう。

これから3ヶ月以内に、月の収支を整える

まずしなければいけないことは「今」への集中です。「今」を整えることが先決だと思いましょう。

具体的には、月の収支を安定させることです。

収入は、給与ですよね。毎月の給与額に変動はありますか?残業などの見込みやボーナスの見込みなど分るようでしたら書き留めていきましょう。

支出はどうでしょうか?今はご両親の自宅に住んでいるため、基本的な生活費の負担はないとのことですが、親御さんも年金をそろそろもらおうかという年代とのことですから、ある程度は自宅にお金を入れる方が良いでしょう。

その上で、ご両親の支出を書き出したりあるいは家計簿アプリに入力して分析するということをお勧めしたいと思います。家計管理は多くの方が苦手に感じます。もしかしたらご両親様も全体像を把握していないかも知れません。ぜひ家計管理を引き受けていただいて、ご両親の今後の家計の手助けになるように手伝われると良いと思います。

その中から住居にかかる費用は?食費は?水道光熱費は?金額を把握した上で、納得のいく金額を負担しましょう。

実際に、田畑様が支払っている支出は、ご自身の身の回りのものを買ったり、お子さんの日用品などの購入とおっしゃっていますが、こちらもお金の流れを見える化していきましょう。そしてひとつひとつの支出について「浪費」「消費」「投資」の3種類に分類してみましょう。

消費は、必要なものを適切に購入できたかというのが判断基準です。

浪費は、不必要なものを購入した、あるいは不適切な値段で買ってしまったという後悔がのこる行動です。お子さんとのお出かけや、リフレッシュのためにスイーツを食べたりは、浪費ではありませんから罪悪感を持ってはいけません。自分の心をケアする支出は次の投資にあたるかも知れません。

投資は、将来のためになる支出です。貯蓄であったり、学びであったり、いくつか種類があります。支出の一部は計画的に投資にまわしたいものです。

自分の支出の流れを分析してくと、コントロールもしやすくなります。削減しなければならない支出も見えるでしょう。

このようにまずは3ヶ月を目処に、ご自身の収支がプラスで回るように、支出も計画できるように、日々のキャッシュフローが回っていくことに集中しましょう。収支がコントロールできるようになると、「今」が安定し、自信が生まれます。そして支出を「浪費」「消費」「投資」に分類する癖を付けておくと自分なりのお金の価値観が備わってきます。

半年以内には、様々な手続きを

暮らし方が変ると、様々な手続きが必要になります。基本的に、手続きはすべてご自身で行わなければいけませんし、どういう制度があるのかもご自身で調べていかないと、だれからも教えてもらえません。

社会保険、税金の手続きはお済みですか?会社に離婚をした旨を伝えましたか?会社を通じて手続きを行うものもありますから、総務などに聞いてみましょう。会社員の場合、多くの手続きは、会社がやってくれるので、ありがたいですよね。もしかしたら、会社からなにか手当がもらえるかも知れません。

役所へも相談にいけると良いですね。ひとり親支援で使える制度があるかも知れませんし、子育てに関する様々な情報も得られます。ご両親が田畑様を育てた頃とはまた状況が異なっています。子育てを応援する仕組みが以前より充実していると思いますから、ぜひ確認してみましょう。

元夫との話し合いは、できれば持ちたいです。少なくとも養育費については、しっかりと取り決めをしましょう。今は離婚後も親として子どもとしっかり向き合っていきましょうという時代です。金銭面での支援はもとより、子どもとの時間を双方が確保し、子どもの育成に責任をもっていきましょうと法律も改正されています。第三者に話し合いの場についてもらうのも良いでしょう。お子さんのこれからのためにも、向き合いましょう。

婚姻期間中は、育休をとりながらも共働きを継続していたとのこと。離婚時の年金分割は夫婦で話し合いで決める「合意分割」が選択肢となります。あくまでも年金記録の分割で65歳以降の受給額に反映されるためずいぶん先のはなしにはなりますが、元夫との年収差があったとのことでしたので、話しても良いのではと思います。

1年後には、将来のための運用もはじめる

そろそろ将来のために資産運用もはじめたいところですね。最初はご自身の「資産の棚卸し」からはじめましょう。

今持っている預金の残高、定期預金、有価証券、その他資産となるものを一覧にしていきましょう。その後目的別に4つに分類し、お金の定位置を定めていきます。

① 使うお金 これは日常の支出と突発的な支出に備えるお金です。毎月必ず必要なお金の3ヶ月分程度を目安とします。定位置は普通預金です。給与の振り込みを指定している口座がベストです。

② 貯めるお金 これは5年から10年以内に使うお金です。お子さんの教育資金や独立して生活するための引越費用などが該当します。定位置は定期預金です。今すぐに全額が貯まっていなくても大丈夫です。いつまでにいくら必要かを見積もりながら、コツコツ貯めていきます。

③ 増やすお金 10年以上先に使う目的のお金です。田畑さんご自身の老後資金は間違いなくここですね。老後資金を創るには、iDeCoの活用がベストです。60歳まで引き出せないという強制力があるので、確実にお金が貯まります。少しずつでも積立がはじめられるとよいですね。例えばお子さんの大学費用はNISAを利用してもよいですよ。児童手当をその資金にしても良いと思います。NISAはiDeCoと異なり、いつでも引出が可能なので老後より前にやってくる目的のお金を創るには適しています。iDeCoもNISAも税制優遇があるので、活用していきましょう。

④ 守るお金 これは保険です。今加入している保険の見直しあるいは新規での保険加入が必要になっているかも知れません。受取人の変更も必要ですね。離婚により、万が一のリスクも変ってきています。出来れば信頼できる方に相談しながら、適切な保障に入りましょう。可能であれば、複数の専門家に相談して、契約内容を決めても良いでしょう。私自身は金融商品を扱っていないのですが、ご希望でしたら信頼できる方をご紹介することもできます。

資産運用を継続させるためには、「収入」を確保する必要があります。できるだけしっかり、長く働ける自分でいたいものです。

会社員としての収入は、今後増やしていける要素はありますか?会社の就業規則を見て、例えば〇〇の資格を取得すると〇〇手当がもらえるのような情報があればしっかりチェックしていきましょう。あるいはもっとご自身の能力を活かせる職種に異動を申出ることもあるかも知れませんね。会社に働く意欲をアピールすることは悪いことではありません。今後のチャレンジの目安にもなります。

退職金制度はどうでしょうか?確定拠出年金制度があれば、これは自分自身で運用して金額を増やす必要があります。一度運用方法を見直しして、将来に繋がるような内容に変える必要があります。こちらは前述のiDeCoの兄弟分の様な制度です。

まだ先かと思っているかも知れませんが、老後のことも考えましょう。特に国の年金は、働き方により受け取れる年金額が異なります。ねんきん定期便で現状把握を、公的年金シミュレーターを用いて、将来の受取額を確認しましょう。

ToDo Listを使って、着実に実行

なにから手を付けたらよいのか、分らないと、結果的になにもはじめずに時間ばかりが過ぎてしまいます。

短期・中期・長期で物事を考え、ひとつひとつ着実に実行していきましょう。

少しずつ、でも確実に前に進むことが、ご自身の自信にもつながるはずです。ファイナンシャルプランナーとして田畑様のライフプランを支えていきますので、これから一緒に頑張りましょう。

ご相談を終えて

田畑様談

短期、中期、長期と時間軸でやるべきことを明確にしていただけたので、とても気持ちが楽になりました。とにかく、ちゃんとしなければという気持ちで、どこからなにをしたら良いのか見当がつかず不安に押しつぶされそうでしたが、まずはこれからの3ヶ月のやるべきことに集中したいと思います。

両親に甘えている自分を許せない気持ちもありましたが、それもまたひとつの親孝行と言われて、目からうろこが落ちた気持ちがしました。改めて、両親の援助に感謝すると共に、私は恵まれた環境にいるのだと勇気がわいてきました。子どもが小学校にあがるころを目処に、親子2人の自立した生活ができるように頑張ります。

役所にも行ってみます。なんとなく離婚した自分を様々なところで説明するのがいやだと思っていましたが、そんなことは言ってはいられませんね。何かしら援助がいただけるのであればありがたいです。

元夫とも話し合いの場を持ってみます。養育費は父親の責任として支払ってもらいたいと思うと同時に、教えていただいた共同親権のお話より、元夫も父親として子どもの成長を見守る義務もあるでしょうし、同時に子どもの成長を身近で見守りたいという気持ちもあるのではと思えるようになりました。

夫婦は終わっても、親子は終わらないというのも、気持ちにひっかかりはあるものの、なるほどと思えました。いずれにしても、ご相談して良かったです。定期的に、ご相談に伺って、将来に向けての家計管理を頑張っていきたいと思います。

この記事を書いた人
山中 伸枝

山中伸枝(やまなかのぶえ)FP相談ねっと 代表

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