林 智慮

国民年金第1号被保険者の産前産後の保険料の免除

確定拠出年金相談ねっと認定FP林です。

 

先日、テレビ番組の特集で取り上げられてました。

 

「なぜ、会社員には産前最後の手当金もあって、保険料も免除されているのに、個人事業主は産前産後の収入保障が何も無く、保険料の免除も無いのか?」

加入している制度が違うからです。

自営業などの国民年金第1号被保険者は国民健康保険に、会社員などの害2号被保険者は健康保険に加入します。

会社員は法人に雇用されている立場です。社員が利益を出しても会社の売り上げになるだけで、社員には決められた給与しかありません。しかし、働いてくれる社員のために、厚生年金保険にしても健康保険にしても会社が保険料を半分負担してくれています。労災保険の掛金は会社が全額負担です。

個人事業主の場合、自分が事業主です。売り上げは、即、自分の収入です。時間も自由に使える。でも、自分の責任で売り上げを上げなくてはなりません。国民年金、国民健康保険料を自分で納めなければなりません。

 

厚生年金加入者の産前産後休業期間中の保険料免除は、平成26年4月から始まりました。

休業に入るまでの標準報酬月報酬月額そのままの月額で、休業中は社会保険料を納めなくても納めたことにして貰えます。職場復帰して、育児(3歳未満)の為に時短で為給与が下がっても、下がる前の給与として社会保険上は扱われます。しかし、子が3歳になる前に次の子の産前産後休業に入った場合は、実際の給与の前3ヶ月分で標準報酬月額を決定します。

産休中給与が支払われて無くても、健康保険から出産手当金が産前42日(多胎の場合98日目から)産後56日支給されます。一日につき、前一年の標準報酬月額の平均の30分の1が支給されます。(出産手当金)

出産時には一児につき42万円の出産一時金の支給がされます。

 

自営業等の国民健康保険加入の場合、出産・育児で支給されるのは出産一時金のみです。

産前産後の収入保障もありません。

なのに、国民年金保険料は支払わなければならなかったのです。

 

しかし、

平成31年4月から、国民年金第一号被保険者の産前産後期間(出産予定日の前月から4ヶ月間)の国民年金保険料を免除し、その免除期間は満額の基礎年金を保障されます。

※厚生労働省 HP

通常、国民年金の免除は、全額免除の場合、免除された期間は満額の半分の基礎年金しか保障されないのです。それが、満額の基礎年金が保障されるのです。

払わなくても払ったことにして貰え、将来の年金に反映されるようになります。

収入の保障はありませんが、産前産後で働けない期間の出費が少なくなります。

財源は、加入者全体の負担金です。

 

国民健康保険では、出産手当金や傷病手当金などの収入保障はほとんど実施されていません。

いざと言うときのお金は、収入の一部を常に貯蓄しておくなどして持っていましょう。

 

 

 

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