制度や仕組みを、
知っていれば【貯められる】、知っていれば【殖やせる】、知っていれば【騙されない】
FP相談ねっと林です。
続きです。通信販売はクーリング・オフができない件について、付け加えます。
一度結んだ契約は片方から一方的には解除できませんが、不意打ちで考える時間も与えられず契約してしまった場合、クーリング・オフの制度があります。法律で決められた書面を受け取ってから8日間(連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引は20日間)内であれば、契約をやめることができます。
町の中で声を掛けられて事務所に連れて行かれたり、展示即売会でのしつこい勧誘は、クーリング・オフ出来る場合もあります。繁華街で「アンケートに答えたらエステを無料で体験できる」と声を掛けられたのでサロンに行くと、サプリメントや化粧水を次々に購入させられた(キャッチ・セールス)事例、出会い系で知り合った子に展示即売会に誘われて行ったら、高額な商品を買わせられてしまった事例等々。
クーリング・オフ通知をすることで、申し込みを撤回したり、契約を解除する事が出来ます。
訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入は、法律で決められた書面を受け取った日から8日間、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引は20日間の考え直す期間があり、期間内であれば契約を止めることが出来ます。
ただ、通信販売はクーリング・オフの適用除外です。
通信販売は、ネットやテレビやチラシを見て、「よく考えて」自分から申し込んで買う物だからです。店員に「早く買え」と言わんばかりの言葉を言われて買うのではなく、自分で決めて買う物だからです。
しかし、「定価○○円が90%オフ」、「いつでも解約出来ます」「回数縛りはありません」に一回限りのつもりで申し込んだら定期購入で、解約出来ても定価の金額を請求されたり、解約の電話が繋がらなかったりとトラブルがありました。
ネットでの通信販売は特定商取引法改正により、申込時に最終確認画面の表示が義務づけられました。分量、販売価格・対価、支払いの時期・方法、引渡・提供時期、申し込みの撤回・解除に関すること、申し込み期間が明記されていなければなりません。
よって、通信販売の場合は返品制度の確認をしましょう。業者が決めた返品特約に従います。返品が可能かどうか。可能なら何日以内で送料はどちらが負担するのか。返品について何も表示が無い場合は、受け取った日を含め8日以内なら、送料は消費者負担ですが返品が出来ます。
クーリング・オフは出来なくても、不実の告知や告知しないことによる誤認、申し込みに関して誤認するような表現により消費者が間違って申し込んだ場合、取り消しが可能です。必ず申し込み画面のスクリーンショットを撮っておきましょう。
ところで、テレビショッピングを見ていると「先着何名様までこの価格、今すぐお電話で!」と、消費者のお尻を叩きます。わざわざその番組を録画してまで見る事は無いでしょうし、誤認した場合の証拠が残せません。
ではどうすれば良いのでしょうか。菊池弁護士は、こう語られました。
「チャンネルを変える」「テレビの電源を切る」「コンセントを抜く」
ビックリな方法ですが、ビックリな分、記憶に残ります。もともと必要で無い物、いくらお値打ちでも買う必要はないのです。
講演には、多くの高齢者が参加されていました(オンラインで見る限り)。「必要で無い物を買うな」と伝えるより、「コンセントを抜く」と直接の行動を伝える方が効果的です。
どれだけ気をつけていても、消費者被害に遭うことはあります。絶対に1人で悩まず、局番無しの188へ相談しましょう。