制度や仕組みを、
知っていれば【貯められる】、知っていれば【殖やせる】、知っていれば【騙されない】
FP相談ねっと林です。
昨日、岐阜市消費生活センター主催の消費生活講演会(消費者向け)をオンライン受講しました。会場は近く、本来ならリアルで参加したかったのですが、なるべく感染リスクを避けるためには仕方がないですね。
『菊池流 魅力的人生のススメ 消費者問題の実態 成年年齢引き下げによるトラブルを防ごう』というお題で、菊池幸夫弁護士からお話をいただきました。65歳になられる菊池弁護士が、これまでの事件を例に、どの時点で何に気がつけば被害を防げるのか、なってしまった場合にどうしたら良いのかを話されました。以下、簡単にまとめてみました。
・オレオレ詐欺・・息子等を騙る電話があったら、相手が言う息子の電話番号ではなく、必ず「自分が知っている、息子の電話番号」に電話をして、事実確認をすること。お金を払う前に、必ず誰か2名以上に相談すること。
・すぐにお金をお要求するのは疑え・・交通事故で相手にケガをさせた、女性を妊娠させた、会社のお金を横領した等で100万円、200万円を「すぐに払わないと大変なことになる」というおきまりの台詞を言ってくるが、すぐに払わなくても、法的にどうのこうのなることはない。むしろ、交通事故の被害者は、後遺症の心配がある為、すぐに示談にすることは無いとのこと。すぐにお金を要求してくるのは要注意。
・ここをつつくと、グラッ・・オレオレ詐欺の被害者の多くは平均年齢70歳の女性。子どもを思う気持ちにつけ込む詐欺。他に、美しくありたいという気持ちに付けこみ、不安にさせ次々と買わせる。出会い系×恋人商法で、出会ったばかりの女性にカッコ良いところを見せたい気持ちを利用し、引っ込みが付かないようにして買わせる。
・「分割」「ローン」という手段で「一月○○円」と出されると、これなら何とかなると思い買ってしまう。買わないという手段を見えなくさせられる。買えるから買って良いのではなく、買えない物は無理して買わない。
・簡単に儲かる話はない・・耳で買うな、目で買え。騙すつもりなら、自分に都合の良いことしか言いません。お金を払うように平気で嘘をつつく。相手の言うことを鵜呑みにして判断してはいけない。実際に自分の目で見て(調べて)買う。本当に儲かるなら、他人に教えたりしない。
他に、ある学生が自分名義のクレジットカードを知り合いの知り合いに貸して、使った分を返してくれなくなり、結局は自分の親が負担しなければならなかった事例。クレジットカードを名義人以外に使わせてはいけません。クレジットカードで、万が一不正利用があったときに補填されるものもされなくなってしまいます。
また、分割で払えるからと購入し、支払い額が増えて払えなくなってしまう事例もありました。買わされてしまうことの他、計画的にお金を使うことを知らないことも問題です。
一度結んだ契約は片方から一方的には解除できませんが、不意打ちで考える時間も与えられず契約してしまった場合、クーリング・オフの制度があります。法律で決められた書面を受け取ってから8日間(連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引は20日間)内であれば、契約をやめることができます。
町の中で声を掛けられて事務所に連れて行かれたり、展示即売会でのしつこい勧誘は、クーリング・オフ出来る場合もありますから、お近くの消費生活センターや局番無し188に相談しましょう。
社会経験が浅いまま成年になった18歳、19歳の方々も、上記の事柄を頭の片隅に入れておくといざと言う時に慌てず、落ち着いた判断が出来るでしょう。騙そうとする輩がいる事も、常に意識しておきましょう。
今回のお話の中に、オレオレ詐欺で掴まった16歳の高校生の話がありました。中には13歳の子もいたようです。多感な時期、道を外れることもあるでしょう。でも、小学校、中学生、高校生は、保護者以外に学校の先生がいます。担任の他に、学年主任もいます。もう少し早い時期に、子どもの変化に気がついてあげられなかったのでしょうか。 ちょっと悲しい気持ちで聞いていました。