ファイナンシャルプランナー向藤原 寛

2020年 03月 10日

期待される新型コロナウイルスへの検査対応とiDeCoの運用

こんにちは、FP相談ねっと認定FPの向藤原です。

 

マーケットの乱高下に一喜一憂されている人も多いかと思います。コロナウィルスの性質に不明な部分がまだまだある上に、移動の制限など、経済への影響が現実的になり、市場心理は大きく揺れ動いてしまいます。

 

そんな中、iDeCoにおいては積立と分散投資を長期的目線で実行している人が多いと思いますので、慌てず、しっかり続けることが重要だと考えています。下がってから何か対応策を考えると、安値を売ってしまって残念な結果になることも多く、難しい判断となってしまいます。

 

 

 

今、この記事を書いてはいますが、正直、個別にご相談いただくお客様に少しでも情報をお伝えしたいので、限られた時間で、ちゃんとした記事にはならないかもしれません。今日見た記事から、二つのことをお伝えしたくなり、急遽書いています。

 

1.新型コロナウイルスの検査体制の整備が重要

2.iDeCoの運用の選択肢は非常に多い

以上2点です。

 

 

 

新型コロナウイルスの検査体制の整備が重要

 

日本はウイルス検査体制を早く整えてほしいと思います。検査体制をしっかり整え、感染している人を一時的に他の人との接触が避けられるようにできれば自然と感染する数は減っていくことになるでしょう。

 

検査体制を整えた最初は一時的に感染者数が増え、そのことが不安をあおるリスクはもちろんあります。ただ、普通に考えてとるべき対策をしっかりやることが、このような状況の中で一番大切なことではないかと考えます。

 

この記事を書いているきっかけですが、プレシジョン・システム・サイエンス株式会社が製造している、「geneLEAD システム」により、『COVID-19』の迅速診断技術を使い、自動化され2~3時間でのウイルス検査が実用化できていると知りました。

 

既に海外ではOEM供給により今回の新型コロナウイルス検査に使われているとのことです。東京農工大学と改めてリリースされているように、日本ではまだ実際には利用されていないようです。

 

検査をどんどんやる体制に切り替えて、ここからの感染の可能性を下げていただきたいと思っています。今回の感染拡大は、1月末時点、中国での広がり方を知った段階で、このような状況になることを容易に想像できました。

 

素人が常識的に考えれば、そうなりそうと考えられることに対して対応せず、後手に回って状況を悪くしているように感じます。治療法は確立していなくても、早期に感染していることが分かれば、かなりの確率で重症化が避けられるのではないでしょうか。

 

幸いにして、日本は死亡率が低いようで何とか落ち着いています。ただ、今後のことを考えると、早い段階で検査体制を強化して、感染拡大を防ぐ必要を強く感じます。

 

感染していても自身が気づけないことから、検査の件数を多くすることが必要です。そして、早期のワクチン開発や、治療技術の確立を期待しています。

 

 

 

iDeCoの運用の選択肢は非常に多い

 

期待していたウイルスの季節性に期待できないと知り、影響がどこまで広がるのか不透明な点が多く、何よりもクレジットリスク(信用リスク)への不安が増幅してしまうことが、売り手を勢いづかせる要因になっていると考えます。プログラム売買がセットされ、為替水準や原油価格と連動して、株式市場にも機械的に売りが出るなど、個人では理解できないような値動きとなる局面になっています。

 

感情のコントロール

 

私自身はというと、1月末の段階で、この辺りまでの下げ(2020年3月9日のS&P500の終値2,745ポイント)は覚悟していました。ご相談いただいているお客様で、必要を感じる方には、ポートフォリオを半分現金化するなど、1月末から2月半ばまでご提案し、最後2月13日に、私自身は自身の確定拠出年金について、保有している株式投信を全部売り、定期にしています。

 

珍しく、思った通りの展開になったのですが、長期投資を考える中で、保有している資産を売却することは、意外と勇気が必要です、そして、売ったあと値上がりしていくことは少なくありません。

 

私自身の投資であれば、売却して、考えに反して値上がりしても、自己責任ですからあきらめますし、トレンドがさらに上昇しそうであれば、売った値段より高くなっていても買い戻せます。ですが、投資を始めて日が浅い人にとっては、それだけで嫌になって投資をやめてしまう方もいるかもしれません。

 

何が重要か?それは感情のコントロールです。その意味において、最初に決めたポートフォリオを信じ、下がっても気にせずに積み立てを継続し続け、リバランス程度のケアが続けられれば良いと思います。

 

問題は、今回のような下げがもっときつくなり、バランスの取れているポートフォリオを組んでいても、3割~4割の含み損を抱えてしまうことがあることです。そんな時、あなたならどうしますか?

 

 

投資の判断基準を身につけることも一つの方法

 

今回、お客様にポートフォリオの圧縮などをご提案した理由は、新型コロナウイルスへの対応が、明らかに間違っていると考えたことがきっかけではありますが、それだけではありません。昨年の年央からFRBが利下げし、昨夏から今年2月まで米国株が上昇し、S&P500は3,400ポイントを伺う水準まで上げ続けました。

 

長期のトレンドを追う上で上昇基調を続けることは好ましいことです。ただ、問題は、利益水準に対して株価が割高になってきたことにあります。

 

S&P500に採用されている銘柄の平均PERが20倍に近づいていました。過去、この水準近辺までPERが上昇した後、大きく下げることが何度かありました。

 

とはいえ、金利水準が低くなっていましたので、金利が低い分、PERが高くなることは理論的には間違いとは言えず、判断の難しいところになります。ただ、きっかけがあり、利益水準が落ちてしまうと、急激にPERは割高になってしまうので、注意が必要になります。

 

今回は、新型コロナウイルスの蔓延が、確率的に高いと考えられたので、PERが急激に割高になる可能性が高いと判断しました。たまたま、読み通りになったわけです。

 

たとえ運用のプロであっても、この「たまたま」を連続して成し遂げることは難しいそうです。そうはいっても、マーケットは買われすぎ、売られすぎの局面は時折出現しますので、それをとらえられる判断基準をもって対応してみることも一つの方法です。

 

かなりの確率で逆の判断をしてしまうことが多く、統計的に、積立を継続して、売買を考えない方が、結果的に良いパフォーマンスをあげているそうです。私自身は、投資の世界の統計ほどあてにならないものはないと判断しているため、安値で売りたたくことが無いように、下がっても持ちこたえられるよう、キャッシュポジションを大切にしています。

 

効率的なポートフォリオを探そう

 

今回の暴落のなか、以前からご相談を継続し、iDeCoのポートフォリオの構築についても、基本的な投資信託についての性質など一緒に確認し、銘柄選択されたお客様に先週末お会いしました。お客様はポートフォリオの中に先進国債券の為替ヘッジ付きの投資信託を選択されており、この3か月で5%程度値上がりしていました。

 

私自身は、債券の価格は昨年からバブルと考えていましたので、私だったら選択していない銘柄をお客様は保有していました。長期的にみて債券投資は危険と考えていますが、このようにしっかり成果をあげている客様もおられ、投資とは奥深いものと考えさせられました。

 

マイナス金利になり、債券投資のクーポン収入がほぼ無くなってしまい、特に国内債券は、リスクの割にリターンが少ないと判断し、私自身は敬遠しています。国内債券の代わりに定期預金であればほったらかしていても問題はなく、金利上昇に耐えられます。

 

本来であれば、お客様が保有しておられた、先進国債券の為替ヘッジ付きの投資信託の様に、今回の様にクラッシュする局面で資産価格がしっかり上昇し、平時でも金利(クーポン)収入で稼げるような選択肢があると良いのですが、投資対象は限られています。クラッシュするときに、ポートフォリオのすべての資産が値下がりするような現象は避けたいものです。

 

昨年の半ばまでは、日米金利差が大きく開いていて、ヘッジコストがかなり高く、魅力的ではありませんでしたが、結果的に投資した方が成功しています。投資対象の特性を理解し、長期的視点でどうなっていきそうか、しっかり検討していただくと良いと思います。

 

確定拠出年金、iDeCoの最大の魅力、運用益非課税

 

iDeCoの最大の魅力は、「運用益非課税」と考えています。所得控除も、退職金控除も魅力ではありますが、たとえ1,000万円利益がでても、通常200万円以上かかる税金がゼロで済みます。

 

そして、何よりも、運用ポートフォリオのリバランスをしても、ポートフォリオの全部であったり、半分を換金して利益確定しても非課税です。そして、次に投資する資産も、いつ投資しても非課税であることは、NISA、つみたてNISAでは考えられない税制優遇になっています。

 

基本は、分散投資、定期的に積みたて、長期に考える。興味があれば、プロでも難しい、マーケット状況に合わせた、ポートフォリオの変更なども選択肢にしやすい仕組みです。

 

トライ&エラーを繰り返す場としても、絶好の投資の器である確定拠出年金の制度、ご自身の投資の目を養う場としても活用できます。株が値下がりしすぎたのであれば、金利が下がり割高になった債券を売り、株式を買い戻すこともできます。

 

投資の基本は、会社に株式投資をして、そこから上がる純利益が、実質的に株主の利益として積み上がることにあります。そのイメージをしっかり持ち、一時的な値ブレに狼狽売りしないことが大切だと思います。

 

今回の下げ局面も一時的な下げだったと言えるよう、政策対応に期待しています。皆さんも、長期的にしっかり利益を享受できるよう、落ち着いて検討してください。

 

令和2年3月10日記

 

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