こんにちは。
確定拠出年金相談ねっと認定FP 寺田紀代子です。
保険販売系FPとして、青森県弘前市で保険も含めてお金にまつわるよろず相談承ってます。
先日預金口座のある銀行から1通のダイレクトメールが届きました。
ダイジェストでお伝えするとこんな感じ。
「介護でご家族に負担をかけたくない方はお読みください」
介護になったら家族に負担をかけてしまうなぁ…
でも、公的介護保険があるから大丈夫!
本当にそうでしょうか?公的介護保険だけでは、介護をする家族に大きな負担をかけてしまいます。
家族に負担をかけたくないと思っているあなたにご提案!
要介護2相当からなんと一時金300万円が補償されます!
期間限定、預金者様だけの特別な保険です。
月額はなんと1,520円!
同封の加入依頼書でお申込みを!
こんな流れです。
大手生保社からはよくダイレクトメールが舞い込んでいますが、銀行からは珍しいです。
預金者様へのサービスって感じですね。
60歳で月々1,520円 安い!
介護の保険って年々高くなるって聞くのに、このお値段お買い得じゃない?
この位なら家計に負担でもないし、介護のお守りとして入っておけば、子供達にも迷惑かけないよね。
1,000円位だから加入してしまう方って、実に多いんです。
このダイレクトメール、大事なことが見えにくくなっていることに気付きました。
よーく読み込まないとわからないこと。
いつまで保障してくれるの?
保険で大事な項目の一つ
いつまで?
この保険、1年毎の自動更新でした。
プランを選択するところに小さくですがきちんと書いてありましたが、一般の方にはわかりづらい。
保険を仕事にしている私でもちょっと探してしまいました💦
1年更新ですから、満期は毎年来ます。いつまで更新できるかというと、74歳まで。
配偶者プランというところに5年刻みの保険料が書かれていて、74歳で終わっています。
介護本番という時に終りになる保険。残念ですね。
保険料はずっと1,520円?
保険料、一番大事です。
保険料表は5年刻みで高くなっていきます。
リスクが高くなるので仕方ないですが、どの位高くなるのか?
60~64歳 1,520円
65~69歳 2,340円
70~74歳 4,570円
倍々に上がっていきます。
家族の負担の前に、自分の負担でいっぱいになりそうです。
病気があっても加入できる?
医療や介護の保険は、体況の告知が必要です。
この保険のように、人を介さず書面だけで加入する場合、質問事項にひとつでも「はい」があれば加入できません。
とても大事なところです。
申込書の告知欄はとても大きく該当なしにチェックするだけになっています。
告知事項はその下にだいぶ小さい字で細かく質問が書かれています。
*今までに介護認定を受けたことがありますか?
*現在他人の介助が必要ですか?(自分で補助用具を使用する場合も含む)
*過去2年以内に「認知症※1」または「疾病・症状一覧表※2」に記載の疾病で病院の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか?
※1、※2は同封されていた文字びっしりの「重要事項」の中に隠れていました。
すぐ下に書いてくれればいいんですが、別の用紙に飛んでます。
「重要事項」の中の「疾病・症状一覧表」は以下のとおり
*悪性新生物(いわゆるがんです)
*脳卒中(脳梗塞・くも膜下出血・脳出血)
*COPD(慢性気管支炎・肺気腫など)
*心臓関係の疾病(心筋梗塞・狭心症・不整脈ペースメーカーも含みます)
*筋肉・骨の疾病(筋ジストロフィー・骨折を伴う骨粗しょう症)
*その他(糖尿病・関節リウマチ・精神および行動の障害・アルコール依存症・難病指定の疾病など)
一般的な医療保険に加入する時の告知事項とあまり変わりません。
該当する病気で診察、治療、検査、投薬、もしくは経過観察中なら加入できません。
深く考えずに入ってしまったらどうなる?
プロの保険屋の目線でこの申込書類を見る限り、安価で手軽に入れてしまう恐れがあります。
小さい文字ですが、きちんと説明はしています。
ですが、保険の書類に慣れていない一般の方が隅々まで読込めるかというと疑問です。
慣れているプロでもあちこち探してたどり着く書類。
何が起こるかというと、加入して、介護状態になった時、告知違反になる可能性があるということです。
せっかくお守りとして加入したとしても、支払ってもらえなかったら意味がないですね。
ダイレクトメールの保険は入らない方がいいのか?
一概に悪いとは言い切れません。
このような保険は団体契約であることが多く、団体割引が適用されているので保険料が割安になっています。
ですが、ケガによる死亡だけの保険。がんになった時一時金を1回だけお支払する保険。
今回のように介護になったら1回だけお支払するというような、ピンポイントでお支払する要件の保険が多いです。
まだ、何も手当てをしていないのでしたら、検討の余地はありますが、既に加入している医療保険、死亡保険、がん保険などと重複してはいないでしょうか?
加入する前に、一度かかりつけの保険屋さんや、信頼のおけるFPに相談することをおすすめします。