野原 亮

いま、積立てを始めるのが恐いあなたへの手紙

こんにちは、品川の確定拠出年金相談ねっと認定FP、野原です。

 

企業業績好調
外国人の爆買い
日経平均16連騰
バブル時の最高値38,915円からリーマン・ショック後の最安値7,054円までの下げ幅31,861円の「半値戻し」22,985円を奪還
個人の売り方の踏み上げ(下がると思って空売りしていた人が損失を確定させる買い戻し)

※日経新聞スマートチャートより

 

 

これから積立てを始めようとする初心者のかたにとっては、とてもやりづらい相場となっています。

 

ドル・コスト平均法による積立てに「買うタイミング」は関係ないと頭ではわかっていても、本音ではなかなか納得できないと思います。

 

同じ日本株式のインデックスを比べてみても、日経平均とTOPIXでは大きく差が開いており、商品選択の迷いも生じるでしょう。

 

※ヤフーファイナンスより

 

僕は未来の相場水準を当てることには全く興味がないのですが、「半値戻しは全値戻し」という格言通り、何年後になるのかわかりませんが、日経平均がいずれはバブル最高値をとってくれるのではないかと、ついつい期待してしまいます。

ドル・コスト平均法はタイミングに左右されないので、いつから始めてもOKということは聞いたことがあるかもしれません。

 

実際、確かにそうなのですが、これから始めるかたにとっては、資産運用はやってみないとわからないとはいえ、なんとなく株は恐いというイメージが拭えないでしょう。

 

あなたが恐いと思うのは、具体的にはどういう理由からでしょうか?

 

いまの株価が高いんじゃないかと思い、恐い。
せっかく貯めたお金を失うかもしれないのが恐い。
よくわからない商品を買うのが恐い。

 

もしかしたらあるいは、

 

もっと下がってから始めたい。
とにかく焦らず様子を見たい。

 

そんな声も聞こえてきそうです。

 

どれも良いと思います。初心者なら当たり前です。

押し目待ちに押し目なし」となり、個人はどんどん置いていかれるのか、やっと調整局面に入るのかもちろんわかりません。

 

長期 > タイミング

 

初心者のかたには1日でも、1ヶ月でも早く始めることをオススメします。

 

僕のお客さまでは、積立開始してから初めて売却注文をだしたかたがいます。

それも利益確定やリバランス、スイッチング目的ではなく、将来いつかはやってくる売却注文の出しかたを練習するためにです。

 

積立期間が長くなればなるほど、マーケット動向に振り回されず、平常心でいられるようになります。

 

では、いま積立てを始めるのが恐い時にどうすれば良いのか、過去の実績からみてみましょう。

 

積立てを始めるにあたり、最悪なタイミングを想定してみます。

 

僕らにとって、1989年12月のバブルから始めたとしたら、きっと最悪のタイミングなんだと思いますので、当時から毎月5万円で、積立てをスタートさせたとして検証してみます。

 

わかりやすいので、日経平均とNYダウの月足を例にあげてみます。

 

1989年12月~2017年10月、約28年にわたり各月毎に、積立額と時価を比べた勝敗
各月とも、始値・高値・安値・終値でそれぞれ積立てを継続したとする
各指数とも配当分は含まれていない

 

勝敗

(月数)

日経平均の購入タイミング

NYダウの購入タイミング

始値

高値

安値

終値

始値

高値

安値

終値

勝ち

88

74

109

88

330

326

330

329

負け

247

260

226

246

5

9

5

6

 

これだけ比べてもいかに凄いバブルだったかがわかります。

 

NYダウに投資すれば、なんとなく大きく儲かってるイメージかもしれませんが、日経平均に投資していたら、ドル・コスト平均法による積立てをもってしても、なかなか大きく増やすことができない感じがしませんか?

 

ところが、実際は違うんですね。

 

1989年12月~2017年10月まで、日経平均とNYダウはこう変化しました。

 

 

1989年12月~2017年10月、日経平均の歩み

積立状況

 

2017年10月の日経平均 → 1989年12月の約56%

積立総額

日経平均の購入タイミング

始値

高値

安値

終値

増加率

1.54倍

1.49倍

1.62倍

1.55倍

 

1989年12月~2017年10月、NYダウの歩み

積立状況

 

2017年10月のNYダウ → 1989年12月の約9倍

積立総額

NYダウの購入タイミング

始値

高値

安値

終値

増加率

3.22倍

3.11倍

3.32倍

3.19倍

 

いかがでしょうか。

 

いつから上がるか、いつまで上がるか、どこまで上がるか、わからないのが相場。

わかっていればいいタイミングで借金してでも買ったほうが良かったのかもしれません。

 

でも、それは無理です。

 

投資で財をなしたあのウォーレン・バフェットですら、グーグルやアップルの成長を予測することはできませんでした。

ましてや投資を仕事としているのではない、本業をちゃんともっているサラリーマンでは成長株を当てるのにはそれなりの努力が必要です。

 

とはいっても、決して損しているのではないのです。

 

常にパフォーマンスを求められるプロならいざ知らず、僕らからしたら、より大きく儲けそこなったというだけの機会損失にすぎません。

 

これを前提とすれば、過去の実績において、積立てによる運用を選ぶと、いつ買うかというタイミングはほとんど関係なかったことがわかります。

 

むしろ、なるべく長期で運用していくことこそ重要だったのです。

 

また、景気が悪く株価が低迷している時に、どれだけ投資信託の口数を増やしておくかが大切なのですが、人の成長・企業の成長を信じれることができないと買い増しすることもできないのです。

 

もしこれでもまだ悩んでいるのなら・・・

 

腹をくくれ!人の成長に賭けろ!

 

そして最後に、こちらをご紹介しましょう。

 

東洋経済オンライン

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将来を予測することはますます難しくなっている。有形資産を多く持たないアップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(グーグルの親会社)、フェイスブックの合計時価総額は2.5兆ドルに上り、全米企業の時価総額の10%にも及ぶ。彼らは資本を必要としない。アイデアで勝負している。こういった変化は見逃しがちだ。
アマゾンやグーグル(アルファベット)には投資し損なった。ここまで成功するとは思わなかった。新しいテクノロジーの企業で勝つ企業を見つけ出すのは難しい。アマゾンのジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)はすばらしい経営者だ。eコマースとクラウドサービスをゼロから立ち上げ、誰も太刀打ちできない規模にまでした。ここまで成功するとは思わなかった。
グーグルやウォルマートに投資しなかったのは、最悪の誤りだった。しかしバフェットがアップルに投資したのはいい兆候だ。気が狂ったか、学んでいるかの証しだ。私は、学んでいるからだと思いたい。「自分の土俵で仕事をしろ」というバフェットをして、アマゾンやグーグルに投資しなかったことを悔やんでいるのを見るのは不思議な気もする。だが、一方でつねに学び続け、この齢にして土俵を広げる努力を続けているのも事実だ。
世界はすばらしいのだから、新しいものに適応しよう。たくさんの質問をしろ。たくさんのことを聞け。古い考えをふさぎ、学び続け、柔軟に前向きに生きよう。

 

 

 

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