野原 亮

従業員のビジネススキルとしても活用できる、中小企業にしかできない金融教育

こんにちは、品川(高輪)の確定拠出年金相談ねっと認定FP、野原です。

 

ちょっと間があいてしまいましたが、先月末頃に某中小企業様にて研修講師をさせていただきました。

 

福利厚生の一環として導入された企業型の確定拠出年金制度(DC)についての研修で、
転職組の新入社員6名の方々とグループセッションのような勉強会です。

 

時間が60分と短かったのもあり、加入希望者については後日個別にフォローさせていただくスタイルです。

 

研修ラインナップはこんな感じでした。

年金制度の概要
確定拠出年金制度の特徴
選択制確定拠出年金の活用法
※参考資料にて、資産運用の基本と運用商品一覧を配布

 

僕は2003年に企業型DCを導入した会社に在籍しており、制度の説明会などへ受講者として参加した経験があります。

 

結果、寝てました(笑)

 

いま、大企業などでは、人事部などがDC担当となったり、専属の担当者を設置しながら、金融機関と協力のうえ、その企業オリジナルの研修プログラムを作成している会社もあります。

 

DC制度を導入したら終わりではなく、制度への理解だけでなく、生活スキルとしての金融教育が、DC制度を導入した事業主の責務でもあるのです。

 

給与明細をみている、とある若手従業員を想像してみてください

 

月収30万円と思っていたのに、なんやかんやで引かれた手取りにがっかりしている従業員、

「へぇ~、こんなに引かれているのか」「なかなかお金がたまんないな」と思う従業員、

 

ビジネスマンとして部下にするなら、どっちが良いですか?

 

経営者からしたら、頑張って働いてくれた従業員に対して労働の対価として、貢献へのお礼として、

給料を始め、社会保険料や交通費、あれば手当などを払ってあげているという感覚があるかもしれません。

 

かつての僕は、「働いてるんだからお給料をもらって当然」と思っていました。

 

こんな従業員と、一緒に働きたいと思えますか?

性格がいいヤツだから、それくらいは仕方ないと思えますか?

 

癒し効果があるから、いてくれるだけでオッケー!というのがその人の仕事なら、

それも立派な仕事ですが、今回のお話はあまり意味がないかもしれません。

 

僕が経営者だったら、かつての自分にちゃんと教えてあげたいと思いますよ。

それだけでも、ビジネスマンとしてのスキルアップにつながると思うからです。

 

従業員からしたら、その研修代すら会社が払ってくれるわけで、お金をかけずにスキルアップができちゃうんですよね。

 

ビジネスマンのための金融教育は究極のアトリビューション(間接効果)?

 

マーケティング用語で「アトリビューション(間接効果)」というのがあります。

プロモーションに使用したメディアなどの経路や要因ごとに、コンバージョン(各種サイトを訪問しにきたユーザーが資料請求、登録、購入などの売上につながるアクション)への貢献度を測定すること

 

たとえば、WEBサイトでコンバージョンがあった場合や、クリックされた広告から自社商品・サービスが購入された場合、その消費者が購入にいたるまでにどんな広告を見てきたか、どんな経路をたどって購入に至ったか、その過程に影響を及ぼした要因を各種調査することです。

 

コンバーションに至る直前の最終アクションのみを評価するのではなく、広告や各種SNSコンテンツなどの情報量や多様性が進むにつれ、コンバーションに至る要因は複雑化していることを考慮し、成果だけでなくその要因を考えることで、成果に対して何がどれだけ貢献したのか、施策別の貢献度を評価します。

 

金融教育で、アトリビューションが可能なのか、現時点では僕にはわかっていません。

 

わかっていませんが、その可能性と重要性はとても高いと感じています。

金融教育の進展度合いで、各従業員がとりうるる思考や行動の範囲・内容が変化してくるはずだという確信だけはあります。

 

まさに、中小企業の成長と持続において、金融教育は最も測定しにくいアトリビューションとなりうるのです。

 

中小企業担当者にとっては重責

 

ところが、中小企業にとってはそんなことを考える余力もないでしょうし、この理想に近づけることはとても厳しいのが現実です。

 

そこで担当者のかたの物理的・心理的負担を減らし、終業時間外・プライベートでもフォローできる体制がないと、中小企業において、小手先のテクニックとかではなく、福利厚生を拡充することはできないでしょう。

 

また、そう思ってくれる経営者さんはとても素敵だと思います。

1人社長・夫婦経営の会社の経営者さんなどはまた別の視点となりますけどね。

 

こういうフォロー体制は、一般の金融機関にはできません。

 

個別相談をもっと身近にと取り組むファイナンシャル・プランナーであるからこそ、小さな個人事業主である僕でも可能となるサービスになります。

 

「営業教育と金融教育は社会貢献である」

 

かつての上司である社長が、株式ディーラーをクビになって腐りきっていた僕に教えてくれた言葉です。

 

いま、まさにこれを実感しています。

 

今週も来月も金融研修が続きます。

毎回、コンセプトや内容はちょっとずつ異なってきますが、徐々に経験とノウハウを蓄積しながら、さらにブラッシュアップしていきたいと思っています。

 

 

 

人生有限、貯蓄無限
そのワクワクから、お金が湧く湧く

 

 

 

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