青山 創星

12.5サラリーマンの奥様はズルい?!

自営業者の妻(専業主婦)は、サラリーマンの妻(専業主婦)と違い自分で保険料を払っています。
しかし、もらえる年金はサラリーマンの妻と同じで、最大月6万5千円です。

自営業者の奥様の中には、
まさかサラリーマンの奥様が自分では保険料を払っていないということを知らない方も多いようです。

じゃあ、
サラリーマンの奥様の保険料は、自営業者の奥様が負担しているのかというとそうではありません。

ここがちょっとややこしいところです。
正確でないところもありますが、わかりやすさを優先して図解してみたのがこれです。
自営業者の奥様、サラリーマンの奥様を赤字で表示しましたので、そこに注目してこの図をご覧になってみてください。
2017-01-13 (3)
サラリーマンの奥様の保険料(国民年金の保険料)は、サラリーマン全体の保険料(厚生年金の保険料)で負担しているという仕組みです。
そしてさらに言うと、
国民年金の保険料だけでは国民年金を払うのに足りないので、厚生年金の保険料から国民年金の支払いにもお金が回っているということなのです。
(加えていうと、国民年金の支払い財源の半分は国が負担しているのです。ということは、その部分もサラリーマンや公務員も負担しているといえます。)

ということは、
実は、
自営業の奥様も自営業のご主人も、サラリーマンが払っている保険料(厚生年金の保険料)の一部から国民年金の支払いを受けるということになるのです。

自営業の奥様はサラリーマンの奥様に対して、
保険料を払っていないのに国民年金を受けれるのはズルいというのではなく、
むしろ、
自分たちの国民年金の支払いの一部を出してくれているという意味で
サラリーマンに対して感謝しなければならない
ということになるのかもしれません。

お分かりになりますでしょうか。
ちょっと複雑ですよね。
上の図解を合わせてみていただけると、およそのことがお分かりいただけるのではないかと思います。

厚生労働省「平成25年度年金制度のポイント」
www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/pdf/seido-h25-point_003.pdf
p.18図解を参照

関連記事

5投資信託はどこで買っても定価(手数料)は同じである?
同じまたはほぼ商品内容の同じ投資信託でも、購入する金融機関によって手数料が異なることがあります。リアル店舗の証券会社等とネット専業の証券会社では大きく異なることが多いです。ネット専業の証券会社では、購入時手数料がゼロのものも多いのです。さらに、確定拠出年金の中で使う投資信託では購入時手数料がゼロとなっています。しかも、投資している期間中かかってくる手数料であ……
16一から始めるイデコ入門~どこで申し込むのがいいの?
こんにちは、青山創星です。 イデコでは、どこで申し込みをするかがとても重要です。 この最初の一歩を誤ると、致命的な損失となります。 なぜか? 手数料が、申し込みをする金融機関によって全く異なるからです。 申し込みをする金融機関が取る手数料が無料のところもあれば400円以上のところもあります。 これが毎月かかってくるので、トータルとしては結構大きな……
見えない老後のオバケを見てしまおう!!!
老後の不安は、見えない老後のオバケが原因。不安は、正体不明のものがあるから生まれるものです。なんだかよくわからない。周りの人たちが、怖いぞ怖いぞと言っている。自分にはそんなの関係ないと思っても、どこか気になる。気になっていると今の自分が思いっきりアクセルを踏むことが出来なくなってしまいます。国からもらえる年金では老後の生活には足りないと人は言う。体が思うよう……
20一から始めるイデコ入門~一般の預金とイデコ預金はどこが違う?
こんにちは、青山創星です。 お金持ちはよりお金持ちに 貧乏人はより貧乏人に イデコはこのような制度だともいえます。 イデコで積み立てをすると取られていた税金が全額戻ってきます。 日本の所得税は累進課税となっています。 つまり、所得が多ければ多いほどたくさん税金が取られるという仕組みです。 ということは、所得が多ければ多いほどたくさんの金額が戻っ……