小川 洋平

「節税保険」に入ってる企業は要注意!保険は節税にはならない・・・?

こんにちは(^^)

経営者の理想を実現させる資産形成の専門家、ファイナンシャルプランナーの小川です。

2019年2月におきた、保険業界では「バレンタインショック」と呼ばれている出来事から、生命保険を「節税」のために使うことができなくなりました。

この出来事を受け、多くの保険営業マンが「もう企業に保険が売れない・・・」と落胆していたものです。

そんな「節税」保険が終焉を迎える前に加入していたという経営者さんも多いかと思いますが、そんな方に向けて発信していきます。

今回の対話の相手は・・・

28歳の私(笑)

「節税」保険が企業にとってマイナスである理由

①節税ではなく、課税の繰り延べであるため

②節税はそもそもしない方が良い??

③本当に節税したいなら別の方法がある

利益を圧縮し、支払う税金を抑える仕組みの概略図

解約する際に、雑収益の分を打ち消すための使い道があると節税に・・?

設定:保険料は毎月100万円  全額損金算入すると仮定 税率はわかりやすく一律30%とする

本来の利益は毎年同じ500万円とする

※5年目に保険料を払った後に解約、解約返戻金が全額退職金として500万円を全額損金で給付

1年目2年目3年目4年目5年目
本来の利益500万円500万円500万円500万円500万円
保険料100万円100万円100万円100万円100万円
保険料を引いた利益400万円400万円400万円400万円400万円
税額120万円120万円120万円120万円120万円
支払った税金の累積120万円240万円360万円480万円600万円
5年目は解約返戻金の500万円が利益になって、損金で退職金を500万円で渡しているから、本来の利益が残って500万円となる。

5年目に退職金を支払うため、利益は0万円となる

1年目2年目3年目4年目5年目
利益500万円500万円500万円500万円 0万円
保険料 0万円 0万円 0万円 0万円 0万円
保険料を引いた利益500万円500万円500万円500万円500万円
税額150万円150万円150万円150万円 0万円
支払った税金の累積150万円300万円450万円600万円600万円

支払う税額は結果変わらない

①節税目的の保険は「課税の繰り延べ:であるため「節税」になるケースは限られている

②支払う保険料の分、損益計算書上の営業利益のマイナスに繋がる

③保険料を支払うことで、貸借対照表の預金を減らすことになる

その結果、節税保険が企業のためにならないことが多いということが言えます。

会話の中でお伝えした通り、節税目的の保険は以前私も勧めてしまっていたことがありますし、多くの保険営業マンが節税のための保険を提案していました。

しかし、実際のところは単なる「課税の繰り延べ」となってしまい、「節税」として機能することはごく稀です。

そして、銀行からの評価をマイナスさせてしまうことにも繋がります。

ですので、そもそも節税を考えない方が良い企業も多くあります。

もしこのような「節税」を目的とした保険を契約されている経営者さんがいらっしゃいましたら、本当にその保険が自社のためになるのか、今一度考え直してみましょう。

また、このコラムを現役の生命保険の営業をされている方がご覧になっているようであれば、多くの企業さんが「節税」目的の保険を契約されているため、正しい保障の考え方を伝え、適正な形に見直しをオススメするチャンスです。

生命保険の税制が代わり、「法人に保険が売れない・・・」と嘆く方も是非「顧客本位の営業活動」に活用していただければ幸いです。

さて、このコラムでは保険で節税がほとんどできない理由と、マイナス要因になってしまうことをお伝えしました。

次回は、「本物の節税」ができて、将来のためのお金を残す方法について解説していきますのでお楽しみに。