こんにちは(^^)
経営者の理想を実現する資産形成のプロ、ファイナンシャルプランナーの小川です。
「情報セキュリティ関連株のファンドを勧められてるんですが・・・」
こんな相談例がありましたのでご紹介します。
証券会社の営業さんから、「情報セキュリティ株がオススメです」って言われてるんですけど、どう思いますか?
え~と、何でオススメなんでしょうね?
何のためのお金を投資したいんですか??
将来のため・・・
老後の資金とかですかね。
あ、だとしたらちょっと合わないと思いますよ。
以前お伝えした投資の基本って、覚えてますか??
「長期分散投資」
ですよね?
耳にタコができるくらい聞かされました(笑)
しっかり覚えていただけて良かったです(笑)
ここに立ち返ってみてください。
「分散」は
①複数の会社
②複数の業種
③複数の国
④複数の資産
この4つの分散が大事ですとお伝えしました。
勧められている商品って、何が問題だと思いますか?
②の業種!!
正解です!
情報制セキュリティ関連の企業が予想通りに成長してくれればいいですけど、長い目で見てそうじゃない場合も考えられますよね。
だから、偏っちゃいけないんです。
もしそういった業種を絞った商品を選ぶなら、反対の値動きをしやすい業種に投資する商品を組み合わせておきましょう。
そうすると片方が下がったときにもう片方が上がり、リスクを相殺し合えます。
そっか、リスク分散が大事ですからね・・・
その業種が儲かるからと思っても、老後の資金や将来使いたいお金は予想が外れても大丈夫なように考えておかないとですよね。
そうなんです。
情報セキュリティ関連株に自信を持って、下がることなどありえないくらいに考えておられるようでしたらそれ一つに投資しても良いですし、仮に大きく減ってしまっても問題が無い範囲ならば選ぶのも一つの選択肢だと思います。
でも、老後の資金でしたらそうではありませんよね。
なるほど・・・。
あくまで複数の業種に分散することが大事ってことですね。
そうですね。
そして、こういった投資信託の商品って、決まって手数料が高く設定されているんです。
調べてみたところ、今勧められている情報セキュリティ株のファンドは
購入時 3.3%
信託報酬 1.8%(年)
が発生します。
つまり、買った瞬間に3.3%がマイナスからスタートし、毎年運用成績が良かろうが悪かろうが1.8%は引かれるということです。
これは金融庁のつみたてNISAの特設ページの内容なのですが、信託報酬の差は長期間でこれだけ大きな差になってきます。
だから、安いものと比べてどれだけ開きがあるかも評価の対象です。
情報セキュリティ関連株の上位銘柄は下記のような企業があります。
銘柄を見ると、マイクロソフトにGoogleにアップルに・・・
やはりアメリカのNASDAQの上位銘柄に近いですね。
ナスダック??
それじゃないです(笑)
アメリカの新興企業の株式市場のことですね。
今じゃ新興企業と言いながら世界の時価総額ランキングトップ5がNASDAQの銘柄ですけど(^^;)
NASDAQの上位100社の銘柄の価格の推移と比較してみると、こんな感じです。
情報セキュリティ関連株ファンドの値動き
NASDAQ100の値動き
比較してみると結構似たような値動きしてますね。
ただ、情報セキュリティ関連株の方が上り幅も大きければ下がり幅も大きいことがわかりますね。
そうですね・・・
このファンドの値動きを平均的に見て、長期間の間に信託報酬が高い分NASDAQ100を大きく上回れる期待が持てるのならば良いのですけどね。
NASDAQ100の値動きに連動して成長する投資信託の商品だと、信託報酬が0.44%で買えるし、販売手数料も掛からないのでコスト面で低く、情報セキュリティ株ファンドに近い成績を狙っていくことができますね。
と、実際後になって見なければどちらが良かったかはわからないのですが、長期分散投資の観点と、手数料に対する成長度合いの点から、少なくとも老後資金を目的としてはあまり適さない商品と言えるのかと。
そうですね。
運用するお金の目的に合ってるかどうか、しっかり考えなければですね。
手数料が高くても良い商品はたくさんありますので、必ずしも安い方が良いというわけではありません。
しかし、まず将来のためのお金ですから、一つの業種に絞って投資するのではなく、複数の業種に分散させることが大事です。
なので、今回のような場合には、他の業種の商品も組み合わせて、トータルで管理する必要があります。
ただ、それはなかなか難しいので、ある程度投資企業を絞りながらも、複数の業種に投資されているアクティブファンドを過去の実績から選んでみると良いでしょう。
と、商品を勧められた際には選択肢の一つになるかどうか、このように考えていきます。
まず大事なことは、自分の目的に合った商品かどうかです。
今回のように、業種を絞って投資している商品は、複数の企業に分散はされていても一つの業種の株価に大きく左右され、将来の資産形成には不向きです。
また、同様の値動きになりやすい株価指標と比較してどうかを比較することも大事です。
株価指標に連動するタイプの「インデックスファンド」の方が、こういった商品よりも手数料がずっと安いため、同じ値動きだったら手数料が安いだけで大きな差がつきます。
こういった点から考えて判断していくと商品選びで失敗が無いでしょう。