こんにちは(^^)
経営者のお金と時間のゆとりを創る資産形成のプロ、ファイナンシャルプランナーの小川です。
「国保が高くて手元にお金が残らない・・・」
「個人事業主で厚生年金加入していないから将来の年金が不安・・・」
個人事業主&フリーランスの方、こんなお悩みはありませんか?
私も、完全に個人事業主として独立する前に考えたことなのですが、まだまだ売上がままならず、所得が低い状態でも、「個人事業主のままだと社会保険料高くない・・・・?」ということを考えました。
そこで思いついた方法が「そんなら、自分で法人作って最低限の社会保険に加入しておけばいいじゃん👍」と考えて自身で法人を設立しました。詳細は以前マネーフォーワード様のメディアMONEYPLUSにて掲載いただいたこちらの記事の内容をご参考に↓
media.moneyforward.com/articles/7309?af=authors_list
しかし、やはり法人設立となると、申告業務は個人事業と比較し複雑になりますし、法人と個人事業との違いなどを理解していないと運用が難しい面もあり、かえって税理士さんに頼りっきりになってしまい高い報酬を払わねばならないということも想定されます。
そんな方でも、厚生年金加入のメリットを受けることができ、社会保険料削減を可能にする仕組みがあります。
SNSの広告などでも度々表示されることがある仕組みですが、今回はそんな仕組みについて解説致します。
1.一般社団法人の理事になり厚生年金&健康保険に加入する
よく目にする広告が○○〇の社保などの広告です。
会費を払うことで一般社団法人の理事になることができ、厚生年金と健康保険に加入することができるという仕組みです。
社会保険料は下記のように報酬(基本的には4~6月の平均)によって異なり、報酬額が高くなると社会保険料も高くなる仕組みになっています。(東京都の場合)
最低ランクは標準報酬月額が58,000円で、健康保険料は40歳未満の方は5800円、厚生年金保険料は16104円となり、法人と個人とこれを折半して支払います。(法人側には子育て支援勘定がもうちょっとだけ追加される)
一般社団法人の理事になり、最低限の報酬を受け取ることで厚生年金&健康保険に加入し、国民年金第一号被保険者、国民健康保険の被保険者ではなくなるために社会保険料を下げながらも厚生年金に加入することが可能なのです。
こういった法人の目的は当然「会員同士の交流」「フリーランスのための福利厚生」といったことが目的ですので、二次的な効果でこういったメリットを受けることができるものとなっています。
2.会費と受けられるメリットを比較する
さて、こういった法人に加入しようかを迷っておられる方も多いでしょうが、そんなときに考えていただきたいのは現在支払っている国民年金保険料と国民健康保険料の合計額と、会費のどちらが高いかを比較してみることです。
私の地元長岡市の国保料の計算を例に挙げると、世帯主の所得が410万円、妻の給与所得が30万円、子供達が2名の場合の合計保険料は100万円を超えてくる計算になります。
それに対し、一般社団法人の理事としての年会費は大体35,000円~45,000円程度の間です。
年額で大体40万円~60万円程度に抑えることが可能です。
(妻を扶養に追加するか否かで大きく変わる)
このような差が出て、更に厚生年金加入のメリットを受けることができます。
自分で法人を設立した方がトータルのコストでは安く抑えることができ、またあらゆる方法で可処分所得を増やすことも可能なのですが、なかなか法人設立はハードルが高いという方はまずこういった方法を考えてみても良いでしょう。
賛否両論あるスキームかと思いますが、法人の設立目的がしっかりあって、その上で現行の制度に適用している形になっているので、リーガルチェックも済ませてあり仕組みとして有効と言えます。
今後、仮にこういった制度が広く知られてくると改正の動きも出てくることも想定されますが、その時々の制度に合わせて、自分にとって最適な方法を選んでいけば良いでしょう。
また、国民健康保険料は毎年6月に変わりますが、それらは前年の所得によって変動します。
仮に所得が低い年には翌年分の国保料が安くなっていることもありますので、支払う会費の方が高くなる場合もありますので注意すべき点と言えます。
そういった場合にすぐに脱退できるなど柔軟に対応できるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
加えて、自営業&フリーランスの立場ですと、iDeCoの掛金は月額で68,000円掛けることができますが、このスキームを使うと第2号被保険者になるため、上限が23,000円に下がります。
こういったデメリットも注意すべき点と言えますね。
3.フリーランス&自営業者が加入する社会保険
最後に、改めておさらいですが、会社員の立場の公的年金は
①厚生年金保険(国民年金保険の第2号被保険者)
②健康保険(都道府県のけんぽ組合、企業独自の組合など)
に加入します。
自営業者やフリーランスは基本的に1階部分の基礎年金に加入し、会社員は2階部分の厚生年金にも加入していることになります。
会社員として厚生年金の保険料を払い続けていると、その支払った金額や期間によって65歳以降で受け取ることができる公的年金の金額が変わり、万が一のとき遺族に支払われる遺族年金や障害を負ってしまったときの障害年金の金額が変わってきます。
すご~くざっくりと比較してみますと、こんな差になります。
※細かな条件により金額は異なりますので個別のケースについてはお近くの年金事務所、けんぽ組合、市町村にお問合せ下さい。
将来受け取る厚生年金に加え、遺族年金や障害年金で加算される項目が増えるために保障がとても手厚くなります。
自分で将来のために資産形成を行ったり、生命保険に加入しなくても厚生年金加入によって同様の効果を得ることができるのです。
単に社会保険料削減だけでなく、社会保険が手厚くなるというメリットもあるため、自身で法人を設立するなり、個人事業主のまま厚生年金&健康保険に加入できるスキームを活用することも含め検討してみても良いでしょう。