「長期投資」という言葉の真の意味

NISAの普及により、「長期・分散・積立」という言葉を耳にする機会が増えました。
資産形成の基本として広く知られるようになったこの考え方ですが、その言葉の本質についてはあまり語られることはありません。

今回は、長期投資の本当の意味についてお伝えします。

1.世間でよく使われている「長期投資」という言葉

よく言われるのが、
「長期で持てば元本割れしにくい」
という考え方です。
例えば、こちらのグラフは金融庁の資料ですが、同じ投資先で5年間保有した場合と、20年間保有した場合の成果を比較したものです。

データを見ると、長期で分散投資を行った場合、損失のリスクは小さくなる傾向があります。

しかし、なぜこのような結果になるのかという話がまだまだあまり伝わっていないところです。

2.株式投資で得られる利益を知る

まず、株式投資は、企業に資金を提供し、投資家はその企業の成長から得られる利益を「配当」として分配を受けることができるというものです。

株式投資≒他人のビジネスにお金を出すこと

「この会社なら将来成長してくれるだろう」と思える会社にお金を出し、会社が成長してより多くの利益を産みだしてくれるようになったら自分が受け取ることができる配当も増えることが期待できます。

そして、会社が成長し、より多くの利益を産みだしてくれる期待が持てるようになり、「企業価値」が成長すると株価も上昇し、将来売却した場合に何倍にも増えていることがあるものです。

株式投資ではこのような利益を得ることができます。

3.長期保有で配当が大きくなる期待ができる

例えば、こちらはトヨタ自動車の過去20年の株価の推移です。

Yahoo!ファイナンスより引用

今から20年ほど前、2006年頃には1株あたり1,200円前後でした。(株式分割後の価格に換算し)
しかし、今は1株あたり3,000円前後になっています。


トヨタの1株あたりの配当は、2025年3月期では1株あたり90円です。

トヨタはこの20年間でより多くの利益を出すことができるようになり、それによって投資家に還元される利益を大きく増やすことができたのです。

トヨタ自動車 2025年3月期決算短信より作成

仮に20年前、1株1,200円で購入し、現在まで保有していれば毎年90円の配当を得ることができるようになっています。

利回り:90円÷1,200円=7.5%

トヨタの株式をずっと保有しているだけでこれだけのリターンを得ることができているということです。

4.長期投資の本当の意味とは

長期投資とは、このようにして 長期的に成長が期待できる企業に投資し、その成長をじっくり待つことで得られるリターンが大きくなることが期待できるというものです。

そもそも、「投資」っていう言葉は「長期」で考えるものであって、短期的な相場やトレンドでお金を投じることは投資の本来の意味とは違います。


株式投資は木に例えるとわかりやすいのですが、小さなリンゴの木を植えて、そのリンゴの木が成長すればより多くの実がなって私達にその恩恵をもたらしてくれます。


なので、ムダに売買するのではなく、リンゴの木が大きく成長して多くの果実をもたらしてくれるのを待つように、長きに渡り私達の生活や社会に必要とされ、多くの利益をもたらしてくれる期待ができる会社に投資すること、これが長期投資の本質的な意味です。

5.インフレに強い理由

そして、株式投資が「インフレ」に強いと言われています。

物価が上がると、お金の価値は下がります。

しかし、 社会に必要とされる企業は、時代が変わり、物価が上昇しても利益を生み続けることができます。
例えば、味の素や任天堂など、日本には戦前から存在する企業があります。

以前は今の1円が1万円程度、それ以上の価値だった時代もあり、現在に至るまで世の中の物価は大きく上がり、お金の価値は下がり続けてきたのです。

戦前から世の中は大きく変わり、戦争で焼け野原になった日本、そして敗戦により急激なインフレが起き戦前のお金は戦後にはほとんど価値が無くなってしまったのです。

預金などで保有していればお金の価値は失われていましたが、これらの企業は時代が変わり、世の中が変わり、物価が上がっても巨額の利益を産み、更に大きな利益を生み出すことができるようになっていますよね。

世の中が大きく変わり、物価が大きく上昇したとしても、社会に必要とされる商品やサ-ビスを提供することができれば得られる利益も大きくなり、その結果私達に分配される配当も大きくなり、結果的に物価上昇から私達の資産を守ってくれることになります。


株式がインフレに強いと言われる理由にはこのような構造があります。

6.まとめ

長期投資において大切なのは、「この会社なら長く応援できる」と思える企業を見つけることです。
短期的な値動きに振り回されるのではなく、「どんなビジネスなのか」「社会にどんな価値を提供しているのか」「長期的に必要とされる期待が持てるのか」など、こうした視点で投資先を考えることが重要です。

「長期投資が大事」と言われる理由は、成長が期待できる企業に投資することで我々投資家にもたらしてくれる利益が大きくなるためです。

その結果、株価が暴落して価格が下がったとしても、会社が成長し株価が上がった状態から株価が下落しても投資額を下回り難いというものです。

なので、長く応援できる「推し株」を見つけることが大事です。


でも、「そんな会社選ぶの難しい!」って思われる方も多いことでしょう。

次回はそんな人にどんな商品を選べばよいのかという内容と、人気のインデックスファンドの構造的な問題について解説していきます。

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