社会保険料削減を実現する選択制とは

人件費をこれ以上増やすことは難しい!!
でも、節税しながら有利に将来のためのたくわえができる制度を、社員のために用意してあげたい!!

そんな思いの経営者のためにご紹介したいのが、「選択制」確定拠出年金制度です。この制度、単純に言うと社員の全員の給与に「確定拠出年金の拠出金として自由に使える枠」を51,000円分埋め込んでしまうことで実現します。

例えば、AさんにもBさんにも一様に給与の明細の中に「拠出枠」を設けます。仮に二人とも給与が30万円なら、そのうち51,000円を「拠出枠」とし、残り249,000円を通常の給与枠として残すのです。

51,000円の拠出枠は確定拠出年金の拠出金として本人たちが自由に使える枠です。例えばAさんは、この中から3万円を将来のために積立に回すことにしたとしましょう。51,000円の枠の中から3万円を使いましたから残りの21,000円は給与として受け取ります。つまり、今使うお金として249,000円と枠に余った21,000円、合計27万円を給与としてもらい、3万円を将来使うお金として積立に回すというわけです。

Bさんは、頑張って積立を4万円したとしましょう、給与としてもらうお金が26万円です。

どうですか、「拠出枠」のイメージがつきましたでしょうか?

会社はこの拠出枠の中から実際に積立に回すと社員が決めたお金を天引きします、ちょうど財形貯蓄をイメージしてもらえると良いかと思います。さあ、ここからがこの「選択制」のキモです。

社員がそれぞれ「拠出枠」の中から積立をすると、実際に今使うお金として受け取る給与額が給与規程を変更する前の金額から減額されます。拠出前の給与が30万円のところ、Aさんは3万円拠出なので給与は27万円、Bさんは4万円拠出なので、給与が26万円となります。

企業としては、Aさん、Bさんに支払う金額はそれぞれ30万円のままなのですが、社員の意志により、振り分けが変わるわけですね。社員にとっても実際に受け取るお金は30万円で変わりないのですが、今使うのか将来使うのか区別しただけで、実は「社会保険料の等級」が変わります。

例えば給与30万円の社会保険等級は22等級(厚生年金は18等級)です。しかし、3万円を拠出したAさんの給与は27万円に変更されますから、等級が21等級(厚生年金17等級)さらにBさんの給与は26万円ですから等級が20等級(厚生年金17等級)になります。

ピンと来ていただけたでしょうか?社会保険料の等級が変わる、すなわち社会保険料の減額がこうして実現するわけです。

「選択制」確定拠出年金、新しい資金を準備する必要なく現行給与の中から、割振りを変えるだけで社員は老後資金準備を有利にすすめられる節税制度を利用できる、更に社会保険料も削減できる、もちろん企業も重い社会保険料の負担を減らすことができる。

社会保険料の企業負担は約15%程度、給与に15%上乗せで人件費が発生しているわけです。
しかもこの率は毎年上がっています。社会保険料は法人税のように利益がでなければ支払わなくても良いというものではありません。赤字であっても従業員を雇えば支払わなければならない経費です。

この経費を社員にとってもいい制度を導入しながら、削減できたらどんなに良いでしょうか?

そういうことができるのです「選択制」確定拠出年金なら・・・もちろん厚生年金に加入している社長もこの制度、利用可能です。いかがですか?

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