確定拠出年金と人事改革

社会保険料の削減が可能な選択制確定拠出年金は、別名「ユニクロ型」とも呼ばれています。給与の中から拠出をするという方法を初めて行ったのがユニクロさんということから、こう呼ばれているようです。ユニークな経営で世界中で活躍するユニクロさんらしいですよね。

実は私自身、ユニクロさんはこの「選択制」確定拠出年金で社会保険料削減という副産物のみならず、人事改革をも狙ったのではないかな、なんて勝手に想像しているのです。

というのも、従来の企業型の確定拠出年金は一定ルールで全社員に積立金を拠出するというのが大前提なので、ともすると年功序列の日本式の人事制度の延長線上になってしまう可能性があるからなんです。一定ルールというのは、係長なら一律毎月5千円、課長なら一律毎月1万円というようなことです。拠出というのは、実際のところ昇給と同じですから、経営者の立場として同じ役職なら同じ額を昇給というのは、どうでしょう?

私なら、昇給するならその社員の実力に合わせ、できる課長とそこそこの課長なら差をつけて昇給させてたいですね、その方が社員のモチベーションがアップして人事的にも効果があると思うのです。だから給与規程を変更する「選択制」確定拠出年金は、革新的な経営のユニクロさんに選ばれた方法なのではないかと・・・勝手な解釈ではありますが。

実際に、選択制確定拠出年金の制度導入時に昇給もするという会社さんもあります。こうすればさらに社員も前向きになれますよね。

勤続年数に応じた退職金制度より、より実力主義で活気ある人事。そういう人事改革にも選択制確定拠出年金は活用できるのです。

ユニクロ型 選択制確定拠出年金、どうですか、なかなか面白い制度だと思いませんか?
もちろんこの制度で最も大切なのは、公的年金で足りない老後の生活費を準備すること。つまり加入者にとっての優位性が最も大切なことです。社会保険料の削減は副次的なものですから、まずは社員のために良い制度をと思う経営者の方に検討していただきたいですね。

関連記事

人事担当者様向け確定拠出年金勉強会 全2回 開催します
  人事担当者向け確定拠出年金勉強会  前編は7月14日(火)「確定拠出年金誕生の背景から制度の徹底理解」 詳細・お申込みはこちら   後編は7月23日(木)「確定拠出年金の運用商品と社内研修のポイント」詳細・お申込みはこちら   同内容を9月にも開催予定です ご興味ある方はお問い合わせくださいませ お問い合わ……
会社員で会社で確定拠出年金をやっている方(企業型)
会社に確定拠出年金制度がある方は「企業型」に加入しています 確定拠出年金「企業型」は会社が公的年金(国民年金、厚生年金)の上乗せである 「企業年金(確定拠出年金)」を自社社員のために独自に用意してくれているので、非常に恵まれた環境と言えます その企業型であっても、二つのタイプ(あるいはこの二つのハイブリット型)があるのでご自身の 会社がどのタイプなのかをま……
転職で資産の移換が必要だけれど、どうして良いか分からない方
確定拠出年金は、お勤め先によって掛け金の上限額が違ったりします そのため、加入者の方のお仕事が変わると「必ず」ご自身の年金資産をお引越しをするという「移換手続き」が必要です これは、会社員で会社の企業年金に加入していた方が転職した 自営業者の方が企業に就職した お勤めだった方が結婚し家庭に入った など、とりあえずお仕事に変化があれば、必ず必要です  ……
国民年金基金が破綻するとしたら、その市況では個人向け確定拠出金やっててもやっぱり凄腕投資家でもないかぎりマイナスになるって理解で合ってますか?
確定拠出年金の専門家として、ヤフー知恵袋さんにて回答をしております以下の記事がベストアンサーに選ばれましたchiebukuro.yahoo.co.jp/my/yc_ogweh【質問】国民年金基金は投資団体だそうですが、この国民年金基金が破綻するとしたら、その市況では個人向け確定拠出金やっててもやっぱり凄腕投資家でもないかぎりマイナスになるって理解で合ってます……