教科書通りならリバランスはするべき、でも現実は?

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと代表の山中伸枝です。

最近はiDeCoへ新規で加入したいというご相談と共に、いままでなんとなく運用商品を選んでいたんだけれど、しっかり見直ししたいというすでに加入してしばらく経つお客様からのご相談とが増えています。

 

加入からしばらく経つと、最初に決めた運用の資産配分が市場の変動により変わってきます。これは当たり前のことなのですが、問題はそれによりもともと希望していたリスク度合よりリスクが大きくなることもあるし、小さくなりすぎることもあります。

例えば、最初の配分が債券に70%、株式に30%というリスクはあまりとりたくないといったスタンスの資産配分だったとします。その後株式市場が活況でいつのまにか債券が30%、株式が70%となったとします。すると、結果的に当初考えていた以上にリスクをとってしまっていることになってしまうのです。

 

ここで行うのがリバランスです。教科書的には、増えすぎた株の40%に相当する分を売却し、そのお金で債券を買い増しをすることをリバランスと言います。理屈では簡単です。

しかし実際iDeCoの中でこれをしようと思うと結構めんどくさいというか、難しいというか、ややこしいのです^^;

具体的には基準価格を基に口数を計算しその口数を指定し売買を行います。口数・・・こんな感じで計算します。

売却金額 ÷ 基準価格 x 1万口 = 売却口数

ま、それほど難しくはないといえばないのですが、そもそも前の資産配分はどうだったんだっけ?とか複数の銘柄を買付したいときでも、売り銘柄に対して買銘柄は1:1で手続きしなければいけないなどと、なんとなくおっくうなのです。またリバランスのタイミングも難しいです。教科書的には半年に1回程度とあるものが多いのですが、それさえもなかなか実行しずらいのです。

また信託財産留保額がある投資信託だと売却の際に手数料がかかりますから、なんとなく口数を計算してもすっきりしない(笑)従って、iDeCoの現場においては、リバランスはあまり行われていないのではなかと感じています。

 

そういうこともあり、私自身はiDeCoは特にバランスファンドで良いのではないかと考えてきました。リバランス含め、すべてファンドマネージャーがやってくれるからです。

し・か・し・・・

良いバランスファンドがなかなかない(泣)

私が考える良いバランスファンドとは、世界中に投資ができるファンドというイメージです。でも日本への投資配分はせいぜい10%~15%かな~くらいに思っています。そうすると、ほとんどのバランスファンドが、日本への投資配分が結構高いのです。

もちろん信託報酬も高めだったことも残念な理由のひとつでした。ただこの部分は最近iDeCoの運用商品は大分見直しされましたから改善されています。

っが、やっぱりな~、この投資配分はな~。

とはいえ、それぞれの投資信託を組み合わせて資産配分しても、リバランスがな~。

そんな風にすっきりしない気持ちでした。

 

しかし、この秋やっといい感じのバランスファンドがiDeCoに入りました!

うれしかったですね~。ようやくって感じです(笑)

 

そうです、それが楽天証券のiDeCoに組み入れられたセゾン投信のバンガードグローバルバランスファンドです。これであれば、毎月しっかり積立を行うだけで、長期で取り組めば満足いく資産形成が可能であると考えています。リバランスも加入者が心配することなく、プロが対応しますからね。

 

なので、最近は運用は初心者とか、あまり関心がないとか、運用商品選びに時間をかけたくないとかいうご要望の方には、楽天証券のiDeCoも候補としてお話をしています。

 

実際SBI証券のiDeCoは、リバランス含め各市場の投資信託を自分で選び組み合わせができる方なら良いと思いますね。いつの間にか投資信託60本まで増えていますし、「攻め」の姿勢が良いと思います。(厚生労働省は確定拠出年金の運用商品は多すぎない方が良いというガイドラインを出しているにも関わらず、攻めです(笑))また個性的な投資信託も入っており、運用が好きな方には良いように思います。

 

しかしみんながみんなそうではないわけで、それであれば楽天証券も十分候補だと思います。

ちなみに楽天証券のiDeCo担当者と先日お会いした際、リバランスがもう少し感覚的に、ビジュアルで作業ができるようにしてほしいと要望を出してみました。考えてみます、との返事でしたが、それをきたいしたいと思っています。

 

 

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