こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 代表の山中伸枝です。
先日ある取材で、来年こそiDeCo!というような主旨で話をして欲しいとありました。乗り遅れ感をあおるような話はありませんか?という依頼です。
正直、あおるなんてこと、私は興味がありません。iDeCoは自分年金ですから自分のためにやるだけです、外野がやいのやいの言う事ではありません。やりたくなければやらなくても、それがご自身の考えであればそれで良いのです。
でも、知らなかったことを後から後悔するのはお気の毒です。実は2017年において、もっとも加入者が増えた層は、2017年の加入資格者拡大において新規で加入できるようになったいわゆる専業主婦や公務員や企業年金がある会社にお勤めの会社員ではなく、2002年の当初から加入資格を持っていた方たち、すなわち自営業者や会社に企業年金がないお勤めの方だと言われています。
15年も前からやれるはずだったのに、やっていない方が、今年始めたのです。
これってものすごく重要なことですよね。単に厚労省の宣伝努力が実ったのかも知れないですが、それでも「あえて」今年iDeCoを始めた方には、きっと大きな心の変化があったと思うのです。
あるフリーランサー(43歳)は、ようやく来年2018年からiDeCoを始めることにしました。
始めるにあたり、本当に悔しそうな顔をしていました。なぜなら、自ら有利な資産形成のチャンスをこれまで放棄していたのですからその大きさに愕然としたそうです。
時間を少しもどしてみましょう。15年だとショックが更に大きくなりますから10年にします。
彼は自営業者ですから月68,000円の掛金積立ができます。でもそこまでは正直掛金が出せたかどうか過去の売り上げを考えると難しいとのことだったので月3万円を積立額としましょう。
運用商品は世界中の株式に投資をするバランスファンド、セゾン資産形成の達人ファンドを例にします。なぜかと言うと、モーニングスターのつみたてNISA総合ガイドで5つ星の評価を受けている金融庁お墨付きの優良ファンドだからです。
2007年から月々3万円をiDeCoで積み立てたら、今どうなっていたのかを示してくれるデータです。
2007年から始めたらきっとリーマンショックの時ドキドキしたでしょうね。その後もマーケットは鳴かず飛ばず、2011年は若干掛金の総額より資産残高の方が割り込んでいますから、iDeCoなんかやらない方がよかったと悔やんでいたかもしれませんね。
しかしiDeCoは途中でやめることはできないし、実際忙しい毎日だと自分のiDeCo残高をチェックする暇もなく放置していたかもしれませんね。
でも、事実放置位で良かったという結果です。
10年後、資産は809万円になっています。積立総額は360万円ですよ!!
この方年収600万円程度で所得税10%、住民税10%だったとします。
iDeCoの掛金は全額所得控除ですからこのメリットは3万円x12か月x20%x10年=72万円です。大きいですよね。
iDeCoは運用益非課税ですから、現在の資産残高809万円とつ積立総額との差額449万円に対する20%の課税が免除となったわけですから、ここでも約90万円得したことになります。
同じ商品をiDeCoではなく特定口座で購入していると、この72万円と90万円、合計162万円のメリットは得られない訳ですから、お金を成長させる「場所」を間違えると大変なことになります。黙っていて162万円も得する!こんなことがiDeCoならできた訳です。
iDeCoの残高は800万円超え、税金のメリットは162万円、併せたら1000万円近くの価値ですよね。
その方、かなり遠い目をされていました・・・
知らなかった・・・いや、知る機会は正直あった
でもやらなかった
これが彼のリアルな言葉です。
彼は43歳、来年からiDeCoを始める決心をして口座開設をされました。掛金は68,000円MAXにして過去10年取り戻したいと言っています。
もし、彼の決断を見てあなたが何も感じなければあなたにとってiDeCoは不要なものです。あなたはiDeCoなんてやらない方が良い。
でも、彼の決断を見て、共感し、焦る気持ちがあるのであれば、一日も早く行動に移した方が良いです。
あなたの人生ですから。