相談事例集|確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例をまとめました。

相談事例集|確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例をまとめました。

60歳まで下ろせないことが不安です。

ご相談者様 DATA

【年齢】 30代後半

【職業】 会社員

【性別】 男性

【家族構成】 配偶者、子供2名

相談しようと思ったきっかけ(アンケート抜粋)

国から受け取れる年金を計算してみたら今の生活を保つのが明らかに難しく不安でとりあえず行ったセミナーの講師だったFPの竹内さんが有料で個別相談を行っていると仰っていたので、後日相談をお願いしました。

ご相談内容

貯金だけでは、将来の資産形成がままならないというのは理解できたが、拠出した掛金が60歳まで下ろせないことを知り、それまでに何かあった時に不安とのことでご相談に訪れられました。

 

ご相談でお話しした内容

これだけメリット満載の確定拠出年金規制緩和の目的とは⁈

まずご相談に来られたことに感謝を申し上げ、あらためて相談したいと思った理由と相談者様の現状をヒアリングさせていただき、再度、個人型確定拠出年金の制度の確認からお話しさせていただきました。

2017年1月、法改正により個人型確定拠出年金の規制緩和が行われました。

個人型確定拠出年金の規制緩和がそれで、現役世代は原則として全員利用できるようになるのです。2500万人以上が新たな利用者となります。

個人にとっても、確定拠出年金ほど税制上のメリットのある制度はありません。まず、自分の将来(老後)のためにお金を確定拠出年金口座に入金し積み立てるだけで、そのお金については所得税や住民税の課税対象から外れます。自分の老後のための資産形成が、自分の税負担を軽くしてくれるのです。

これは言い換えれば、所得税や住民税を引かれなかった分、最初から運用で稼げたようなもので、それだけで15~20%くらいの儲けになる可能性があります。

さらに運用で得られた収益~売却益・利息・投資信託の収益分配金等~もすべて非課税です。こうした利益については20%を引かれるのが原則ですが、これが免除されます。仮に5%の運用益があったとき、4.2%しか残らないのと5%すべて残ることを比べれば、どちらが有利かは明らかでしょう。

受取時には税金を引かれるものの、これも軽減税率が用意されており、非課税になるか引かれてもわずかな税金ですみます。

国はまさに、「自分の老後のために自分で備える人には税金を軽くしてもいいので、自力でお金を貯める努力をするように」と奨励してきているわけで、これを使わない手はありません。

 

最高の税制メリットをもらう条件は「解約禁止」

 しかし、都合のいいことばかりではありません。これだけのメリットがあれば何らかのデメリットもあると考えるべきです。

デメリットのひとつはいわゆる確定拠出年金という制度を利用しないというデメリットです。そのままですね。公的年金はますます加速する少子高齢化や今後の経済状況により、奇跡的な経済の発展や人口構成の上向きでもなければ、年金額の減額こそあれど増額はまずないでしょう。また、受給開始年齢の引き上げもないとは言えないでしょう。それでも、生活費の基礎を保障してくれる部分としては欠かせないものに変わりはありませんが。ということは、当然その不足額を何らかの形で補填しなくてはいけません。だとすれば、上記のようなメリットが多い確定拠出年金をやはり利用しないほうが損、ということになります。

そして、もうひとつの「デメリット」が今回の相談者様の不安でもある中途解約の制限です。確定拠出年金は老後のための積立であり、強力な税制優遇もそのためのもの、という位置づけになってい流ので、中途解約をして現役時代のお金のニーズに使うことを制限しています。

これがまた厳しい制限となっており、基本的に解約は行えません。2017年からは現状の解約制限をさらに厳しくし、無収入であるなどの理由で国民年金の保険料を免除されており、かつ残高も25万円以下といったような厳しい条件になります。

今までは結婚退職をして専業主婦となる場合で50万円以下、というように該当者がそれなりにいたのですが、今後はほとんどの人は「60歳まで解約不可」ということになります。

一見すると下ろせないことは困ったことです。しかしマネーハック的にいえば、この「おろせないことはむしろいいこと」かもしれません。

 

さて、なぜでしょうか。

 本来の制度の目的である「老後のためのお金の積立」という側面を考えてみましょう。

今の時代、老後のお金を貯めることが難しいことは、誰でも痛感されていることだと思います。。

たとえば、私たちは今お金を我慢することが将来の幸せにつながる分かっていても、現在の欲望や必要に迫られるものに使ってしまうでしょう。

しかも、その将来が20~30年後であって、その目標額が3000万円といわれたら、具体的なイメージが出来ないため。合理的にコツコツ積み立てる「実行」には向かず、思考停止するか、なかなか実行に移すことができない人が多いのが現実です。

あるいは、ちょっとは貯めることができても、途中で何かお金を使いたいとき取り崩してしまうかもしれません。目の前の欲望と将来に向けた我慢はバランスを取ることが難しいからです。

 

継続し、解約しないことは老後資産形成の重要なルールなのですが、何の制限もなく、それを実行できる人はなかなかいないものです。

 

絶対におろせない口座を活用しよう!

つまり、確定拠出年金の「60歳まで絶対におろせない」は、本当に老後のためにお金をつみあげていきたいのであれば、デメリットではなくむしろメリットと考えるべきです。

幸いにして、確定拠出年金はいきなり何百万円も入金し、突然おろせなくなって困るような仕組みではありません。毎月数万円程度をコツコツ積み立てていく仕組みです(働き方などにより月1.2~6.8万円だが、多くの人は1.2万円か2.3万円が上限となる)。

また、確定拠出年金の資産は担保に取られるようなことも法律上禁止されていますので、仮に自己破産することになっても60歳へ残せる財産になっています。それくらい「中途解約禁止」の条件は強いのです。

だとすれば、確定拠出年金に毎月積み立てていく金額については「これは老後のための虎の子の資産であり、何があっても解約しないのだ」と言い聞かせて、コツコツ積み立てていくことが必要です(もちろん解約したくてもできないわけですが)。

「絶対に解約できない」ということは、長い目で見れば「確実に老後が豊かになる資産形成が進展する」ということでもあります。おろせないことをむしろ良いことと考えれば、それは確実に老後の豊かさや幸せにつながっていくのです。

ただ、もちろん今必要な使いたい時に使えるお金としてある程度の貯蓄やNISAなどによる60歳までに目的別に応じた資産形成も必要です。

 

以上のお話をさせていただき、相談者様はスッキリとしたお顔で次回は具体的な手続きについて相談したいと次回のご予約をされてお帰りになられました。

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竹内 誠一
あなたの夢を叶える人生の伴走者でありたい。年金行政職23年、社会保険とライフプランのスペシャリスト


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