相談者DATE ヒカリさん
【年齢】38歳
【職業】タレント
【性別】女性
【家族】独身・両親と同居
相談しようと思ったきっかけ アンケート抜粋
現在イベントのMCを中心に活動をしていますが、小さな劇団の劇団員をしています。
この仕事を始めて9年になりますが、このまま続けようかどうしようか悩んでいます。
うちの劇団は小さいので、お芝居だけで食べている人が少なく、様々な職業や経験をしている人が出入りしています。最近、入団した人が面白い人で「投資で生計を立てている」というのです。その人の話を聞いて、生まれて初めて投資意欲が湧きました。彼から「まずはつみたてNISAから始めたら?」と言われ検討していますが、心配なことが。「投資は豆さが大事だから、細かくチェックするんだよ」と言われました。でも、、、私は大雑把な性格なので、正直心配なんです。やはりつみたてNISAはほっぽらかしではダメですか?
相談したい内容
今まで、自分がやりたいように生きてきました。結婚直前のある時、ちょっとしたご縁で知り合った方からスカウトされて、MC業とタレント活動を始めました。自分にとってのチャンスかと思い、当時付き合っていた彼氏とも別れ、この業界に入りました。最初は面白がられていましたが、実力不足を痛感し、事務所の社長の紹介で劇団に入り、演劇の勉強をしています。しかし、微妙な年齢で、このまま続けようか、普通のOLに戻ろうか考えています。1年ほどモヤモヤ考えていた所、新しい劇団員が入ってきて「人生を大きく変えたい時は、今まで苦手だったことにチャレンジしたら運命が変わるよ」と言われたんです。私はそこそこ、なんでもできてしまうタイプ、器用貧乏なので苦手ってあまりないのですよね。そうしたらその人が「投資で生計立てている」と聞いたので「え~!私そうゆうの苦手なんだよね」とふっと言ってしまったのです。「なら投資やりなよ、人生変わるよ」と。。。不謹慎ですみません。大きなお金はないし、株とか怖いけど、「つみたてNISAなら安心だよ」と言われました。但し心配なのは、私は大雑把なので、細かいチェックができるのか。やはり、毎日とかみた方がいいんですよね。その人は、空き時間があると、いつも携帯で、株価とかみてます。私には無理!! 寺門さんのBLOGみていたら、フラダンスやっていたり、お芝居観に行ったりしていたから、親近感があり、動機が不純な私の話も聞いてくださると思い、相談してみました。
コンサルティングでお話しした内容
女性の私でもうっとりしてしまう程の美貌の持ち主のヒカリさん。こんなにきれいなら、このまま芸能活動をしたいだろうな~、辞めたらもったいないなと思いました。しかし、ご両親がもうすぐ70歳を迎えるそうで「元気なうちに孫の顔をみたい」と熱望されているとか。無理もありません。「相手もまだいないけど、このまま仕事で大きく花が開かないなら、結婚という道もあるかも」「そうしたら、子供を産むのに即結婚しないと」と焦りもあるそうです。どんな道が開くのか、私もワクワクしますが、投資が苦手なヒカリさんには、まず投資のメリットからお話しさせて頂きました。投資のお勉強をすることで、ヒカリさんの人生の道が開けたら、FPとしてこんなに幸せなことはありません。
1-1:投資に豆さは必要か!?
確かに!! 投資とは大切なお金を増やしていくものですから、株式市場がOPENしている間は、細かくチェックをし、値動きを追うことは大切だと思います。先日もFBで「上海ではバスガイドさんが休憩中に、スマホで株価をチェックしている風景は珍しくない」という情報を目にしました。そういう点からすると日本は、世界の投資大国からは、遅れていると言っても過言ではありません。なので、豆さは必要ないとは言えません。しかし、そうしょっちゅう株や投資信託の『チェック』をしていたら、美容にもよくないのですよ(笑)
私は以前整体の先生に「寺門さんスマホ首になっているよ。一日中スマホをみていると、下あごのラインも崩れるから気をつけてね」とご指導を頂きました。美を売るヒカリさんは尚のこと、そんなことになったら大変です。たとえ「つみたてNISA」であっても、投資であることには違いありませんから見直しをした方がいいですが、ヒカリさんが考えている程しょっちゅうスマホを睨めッこするものではありません。
1-2:投資信託の値動き
「つみたてNISA」で購入できる商品は、100%投資信託です。投資信託の価格は、株価の様に刻々で動くものではありません。
投資信託の価格の事を『基準価格』といいます。この基準価額で取引を行います。売ったり買ったりするときの「値段」ですね。投資信託の基準価額は、一口あたりの金額で示す場合と、一口1円で運用が開始された投資信託は、1万口あたりの基準価額で公表されます。
また、基準価格は『一日に1つ』というルールがあります。仮に2018年2月1日のAファンド(投資信託)の価格といったら、○○○○円と1つのみです。
投資信託は、いくつかの株や債券などが1つにまとまっている『パッケージ商品』ですが、Aファンドに組み入れられている、個々の株などの『一日の最終価格』の時価評価を基準に算出されて、一日の『○○○○円(▲年▲月▲日)』基準価額が決定されるのです。
ですから、刻々と変化する株価のように、価格を追う必要はありませんし、追えるものでもありません。投資信託の基準価額は一日の終わりに集計され算出されるため、私たちが投資信託を「買う」タイミングでは値段が決まっていません。従って私たちが投資信託を「買う」ときは、Aファンドの前日(営業日)の基準価額を目安として、1万円分買います、あるいは1万口買いますという指示をだし、そのあと値段が決まり、1万円で何口買えました、1万口の値段は〇〇円でしたと連絡がくるのです。これを「約定」と言っています。
要は基準価額がわからないまま購入をするので『ブラインド方式』と呼ぶのです。また、換金時(売る時)も同様で、申込日(「売ります宣言日」)の営業終了後に基準価額はわかります。また、外国商品ですと、時差の関係で翌営業日となる場合もあります。
2-1:商品の性格を調べる
投資信託は金融商品のパッケージ商品です。その中味は、株式・債券・不動産・商品など多岐に渡りますが、それぞれの投資信託毎に内容が違います。それは種類や、組み入れの比率それぞれを指数やファンドマネージャーのコーディネイトで組んでいきます。
ファンドマネージャーの手間がかかるものは、手数料が高いのですが、同時に大きな利益がでる可能性も秘めています。しかし投資先の代表的な経済指数に連動するように運用されているものは、さほど手間が掛からないので、手数料も安くなります。だからと言って、手数料が高いから利益が出て、手数料が安いから利益がでない、というものでもないのが投資信託の特徴です。
投資に関して大変優秀な感性のある会社、研究熱心な会社の商品もいくつかありますので、その商品を選ぶのもひとつの方法かと思います。
全体的な傾向として「つみたてNISA」で選ばれている商品は、優秀で安全な商品が多くなっています。それは投資初心者に投資の失敗をして欲しくないという政府(金融庁)の計らいがあるからです。現在の取り扱い商品数は117本となっています。(2017年12月18日現在)各金融機関によって、扱っている商品が違いますから、そこは注意をしてください。
3-1:商品のポートフォリオ
ポートフォリオというのは、ここでは自分が積立をしていく「つみたてNISA」の中味がどのような構成にしていくかということ。お弁当箱をイメージしてください。今日のお弁当は、ご飯/ハンバーグ/卵焼き/サラダだとします。お弁当箱にどんな比率でお弁当を詰めますか? これをポートフォリオでいうと、ご飯35%・ハンバーグ25%・卵焼き20%・サラダ20%の面積で納めます。こんな具合です。
まず、毎月の積立額を決めます。仮に30,000円としましょう。その30,000円をどんな商品で構成するのか比率をしていくのです。迷われた場合は、3~4商品を選び、等分すれば良いと思います。
ヒカリさんのお知り合いの方は、ここの「商品の見直し」をどうするのか、「細かくチェックしなさい」ということをおっしゃったのだと思います。
3-2:投資の三大原則
まず投資と投機の違いを覚えてください。投機とは短期間で売買による差益を大きく得ることをいいます。日本人の多くはこれを「投資」だと思いこんでいる節がありますね。一方投資とは、お金を育てていくものです。将来の利益の為に、金融商品に金銭を投入することです。
投資を成功させる為には、ある法則があります。その法則は、
・分散
・積立
・長期
上記の3ポイントなのです。これはリスクを極力少なくし、メリットを最大限に活かす方法です。
▼分散
投資の格言に「卵をひとつのカゴにもってはいけない」というものがあります。私どもFPの勉強会でも、何度も聞かされています。これは、卵を1つのカゴで運んだ時に転んだら全てが割れるが、分ける(分散)ことで、安全に運べますよ!!もし転んでも割れる個数が少ないですよ。という内容です。
ですから、株式にばかり投資せず、国債や商品に投資したり、日本国ばかりに投資せず、いくつかの国に分けて投資する・・ということで、リスク回避ができます。
▼積立
値動きがある投資信託ですが、値段が低くなるとガッカリするのが心情かと思います。しかし、積立投資することで、安い時にはいつもより沢山購入することができます。仮に毎月1000円リンゴを購入したとしましょう。
・1月 りんご100円 × 10個購入
・2月 りんご125円 × 8個購入
・3月 りんご 80円 × 12.5個購入
そうなのです。りんごが安くなると1,000円の掛金に対して、量が沢山買えるのです。積み立てで購入することで、価格が安くなったなった時こそ、メリットが見いだせるのです。この様に、毎月定期的に一定の金額ずつ購入することにより一定の数量ずつを購入するより有利な取得価額にできることをドルコスト平均法という投資法になります。
▼長期
金融庁参考資料
「積立」の欄では、毎月投資(購入)することでのメリットをお伝えしました。これは期間が長くなればなる程、安い価格での購入量が多くなるのはわかるかと思います。
もうひとつ、上記の表をご覧ください。『複利』という効果がでてきます。複利とは『利子』を元本に加え、そこにまた利子が雪だるま式に増えていくことです。こちらも、長期の投資により、よりメリットが大きくなります。
4-1:つみたてNISAは安全&楽チン
投資三大原則によるメリットはおわかり頂けましたか!?
長期投資の時の秘訣があるのです。それは・・・「毎月の購入日はあらかじめ日を決めておきなさい」ということです。欲をだすと「毎月の底値で買おう」とか、そんな気持ちが起こってくるものなのです人間は。しかし、「月頭の1日」「誕生日の5日」「嵐の大野君のBD日の26日」など、そんな感じで決めた方がいいのです。なぜなら、相場のことは、誰もわかりません。投機のように一喜一憂する必要はないのです。
5-1:お客さまの感想
投資のハードルは高かったのですが、お話しを伺っているうちに、とても興味が湧きました。難しく考えていたことは、思い込みの所もあり、直ぐに「つみたてNISA」を申込むことに決めました。私は昔から、海外の映画やドラマが好きで、海外の生活にあこがれていたのですが、日本が投資に対して遅れをとっている事実には、ショックを受けました。私の両親は、結婚前に同じ会社の経理をしていた同僚です。どちらかというと堅物ですので、貯金命の人なんだと思います(笑)ファッションやインテリアなど、海外から学ぶことは多いのですが、まさか国民の資産形成というところまで違うとは。これからはお金に対しても意識の高い女性になろうと思いました!!