相談事例集|確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例をまとめました。

相談事例集|確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例をまとめました。

2017年 09月 27日

65歳までのつなぎ年金としたいのですが、注意点とかありますか?

ご相談者様DATA

【年齢】 52歳(昭和40年4月10日生)

【職業】 会社員A様

【性別】 男性

【家族構成】 妻と子ども一人(今年から就職)

相談しようと思ったきっかけ(アンケート抜粋)

52歳になり、やっと子どもも大学を卒業し、今年社会人になりました。
ちょっと遅いかもしれませんが、ようやく本格的に老後のお金を考えなければと思ってきました。
60歳定年なので、65歳から年金が支給されるまでに、貯金を切り崩して生活をしていかなければなりません。
今のうちに、その5年間のための生活費分をできるだけたくさん貯蓄したいと思っています。
どんな方法が一番いいかと探していたところ、FPの竹内さんが開催するiDeCoセミナーを見つけ、こんないい制度があるならちょっと話を聞いてみたいと思い、申し込みをしました。

ご相談でお話しした内容

老後のお金のことで動き出していただけて、本当に良かったです。
iDeCoを、60歳から65歳の年金が支給されるまでのつなぎ年金としてお考えなのですよね?
iDeCoは、税制優遇などがあり、老後の資産形成を考える上でとても有利な方法です。
いい所に気が付いてくださいました。
でも残念ながら、iDeCoは「良い制度だからこそ」いろいろな制限がつけられていて、つなぎの年金としては不十分かもしれません。
 

セミナーでお伝えしたように、iDeCoは1年間にかけられる金額が決まっていますし、掛金の拠出は60歳までです。つまりこれが制限です。
お客様の場合、年齢が52歳なので、あと8年間しかこの制度を使うことができないんですね。

なので、厳しいことを言って申し訳ないのですが、今から60歳から65歳までの生活費を、全額iDeCoだけで作っていくのはちょっと難しいと思ってください。
ただね、あきらめてしまってはダメです。まだ大丈夫です!
今から、iDeCoを最大限利用して、残りは別の方法で、お客様の老後に備えていくための方法を一緒に考えましょう!

60歳からの必要な生活費を考えましょう!

最初に考えることは、60歳から生活費がどれくらいかかるかです。
厚生労働省が出しているモデルケースの場合、一般家庭が必要な生活費は28万円です。
もっと贅沢がしたいとお考えかもしれませんが、とりあえず28万円で考えていきましょう。

そうすると、60歳から65歳までに必要な生活費は、
28万円×12ヶ月×5年=1680万円になります。

iDeCoで貯められるお金は?

次に、iDeCoで貯められる金額を見ていきます。

お客様の場合、会社で企業年金をしていないので、毎月2万3000円掛金を拠出することができます。
そうすると、iDeCoで拠出できる額面金額は、2万3000円×12ヶ月×8年=220万8000円となります。
さらにこれを仮に2%で運用できたとしたらという計算をしていきたいと思います。
これは、年金終価係数(2%・8年)を使って求めます。
27万6000円×8.7546=241万6270円になります。
掛金だけでなく、それを運用してと考えても241万6270円となります。

結果

上記より、
60歳から65歳までの生活費の総額は、1680万円。
iDeCoで貯められるお金は、241万6270円。
よって、
1680万円-241万6270円=1438万3730円
は、他の方法で用意していきましょう!

方法は3つ!

では、今度は、iDeCo以外の方法はどんなものがあるのでしょうか?
方法は3つあります。

1つ目は、預金を取り崩すしたり、退職金を取り崩したりする。

お客様は、今までに預金をいくらか積み立ててこられたと思います。
また、60歳になられたときに、会社から退職金がおありですよね。
この2つを切り崩して、65歳までの生活費に充てることを考えていくことも可能です。

次に考えなければならないのは、年金を受給した後の生活についてです。
厚生労働省のモデルケースを見ると、年金収入は、夫婦合わせて、23万円となっています。
先程、生活費が28万円だと仮定しましたから、これで考えても、年金を受け取るようになっても毎月5万円の赤字になります。
そうなると、退職金やこれまでの預貯金は65歳以降、に使えるようにしておいた方が無難ですよね。

ご自身の年金はおいくらもらえるかご存知でしょうか?
お客様は52歳なので、ねんきん定期便を見ると、このまま収入が変わらないとすると、ねんきん定期便に書かれた数字が使えますので、まずは、そちらで確認し、お客様により近い金額をみていきましょう。
次回の相談では、「ねんきん定期便」を持ってきてくださいね。

2つめは、NISAや預金をしたりして、財産を増やしていく。

65歳からの年金生活も赤字の可能性が高いことがわかったので、65歳までの間にできるだけたくさんのお金が貯められるよう、頑張っていきましょう。

まずはNISAです。NISAは投資限度額があります。1年間に120万円は非課税です。
なので、まとまったお金でNISAで増やすこともできます。
NISAも運用益が非課税なので、通常取られる所得税20%がかかりません。
これはメリットですね。

また、2018年からはつみたてNISAも始まります。
つみたてNISAで毎月積み立てをしていくこと(最大年間40万円)もいいかもしれません。

NISAと積立NISAは両方はできずどちらか一方ですが、こちらの活用については次回改めて検討しましょう。

3つ目は、定年後も働いて稼ぐ。

一番おすすめなのは、上の2つをしながら、「働いて稼ぐ」ということです。
お客様はまだまだお若いですし、60歳になっても元気で働けると思います。
定年後、会社で再雇用契約などありませんか?
あるのであれば、再雇用契約を利用したり、他の会社で働くということをまず考えませんか?
お客様は、昭和40年生まれなので、60歳から年金を受け取ることはありませんから、年金を受給するために働く金額を制限する必要はありません。
お仕事は定年までと思っていたのに、もう一度働こうとするのは気持ち的には大変かと思いますが、働くことによって、その後の人生にも余裕が生まれてきます。

iDeCoの受け取り方

iDeCoの受け取り方にも注意が必要です。
 お客様は60歳までの加入可能期間が8年弱ですから、iDeCoの受取できるようになるのは60歳ではなく62歳となります。
この時、一時金で受け取る場合と、公的年金として受け取る場合と2種類から受け取り方を選ぶことができます。

一時金で受け取る場合

退職所得控除が使えます。
ただ、他に退職金がある場合、その控除枠がなくなってしまう場合がありますので、実際の退職が近くなった時に、もう一度ご相談いただいた方がいいですね。
ちなみに、一時金で受け取る場合は、お客様の場合、40万円×8年=320万円が非課税になります。

公的年金控除として受け取る場合

公的年金として分割で受け取る場合、iDeCoの受取金額は、下記の公的年金等の収入額によって、計算されます。
・65歳未満
 1年間のうち、受取金額が70万円未満の場合は非課税です。

・65歳以上
 1年間のうち、受取金額が120万円未満の場合は、非課税です。
 ただし、65歳からは老齢年金が支給されますので、そちらと合算した金額になるので注意が必要です。

まとめ

残念ながら、iDeCoだけでは60歳から65歳までの十分な生活費は作れません。
でも、だからダメというわけではなく、iDeCOと合わせて他の方法も考えて、老後の資産設計をしていきましょう。
65歳以降のキャッシュフローを考えると、NISAや預金、保険を利用しながら、できれば60歳以降も働いて稼ぐことを念頭に入れた方が良さそうです。
また、受け取り方については公的年金控除枠が使えるので、そちらもうまく使っていくといいですね。
まずは、iDeCoの手続きを始めましょう。次回の打合せまでに、運営管理機関の資料を取り寄せておいてくださいね。

 

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竹内 みどり
確定拠出年金とリーガルリスクに強い、会社・社長・社員を「豊かな未来」へ導く法律事務所所属のFP

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