相談事例集|確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例をまとめました。

相談事例集|確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例をまとめました。

2017年 05月 03日

会社はまだ退職していませんが、60歳ならiDeCoの老齢給付金が受け取れますか?

ご相談者様DATA

年齢 60歳

職業 会社役員

性別 男性

勤務年数30年2ヶ月

確定拠出年金加入期間15年2ヶ月

 

従業員10名 情報・ソフトウェアサービス業

家族構成 配偶者、子供3名(30歳、28歳、25歳)

 

相談しようと思ったきっかけ

 

確定拠出年金、退職金というキーワードについてインターネット検索で調べていたら「確定拠出年金相談ねっと」を発見し、まずは地元で相談できるFP藤方さんに相談しようと思った。

 

ご相談内容

確定拠出年金は60歳から受け取れると聞いていた。しかし退職金扱いになって税制優遇もあるので退職しなければいけないのかと不安になりました。会社はまだ退職していませんが、60歳なら老齢給付金が受け取れますか?

 

ご相談に対してのご案内

(1)確定拠出年年金の老齢給付を受け取れる場合

個人型確定拠出年金の老齢給付金は加入されている方が規約に定める加入者資格喪失年齢に到達、または60歳以降に企業を退職することによって企業型確定拠出年金の加入者資格を喪失し、その上、所定の通算加入者等期間を満たす場合、老齢給付金のご請求が可能となります。

 

所定の通算加入者等期間は以下の通りです。

通算加入者等期間

請求可能年齢

10年以上

60歳から

8年以上

61歳から

6年以上

62歳から

4年以上

63歳から

2年以上

64歳から

1ヶ月以上

65歳から

 

今回のご相談者様の場合、15年以上の通算加入者等期間がありましたので、条件を満たしており、60歳を越えた今ではいつでも老齢給付の受け取りが可能です。そしてもちろんこの老齢給付を一時金で受け取る歳、会社は退職していませんが、税務上は退職所得控除という所得控除を使うことができます。

 

退職所得控除とは・・・退職により勤務先から受ける退職手当などの所得に対する所得税を計算する際に、控除できる所得控除のこと。勤務期間により以下の計算になります。

 

勤続年数20年以下の場合・・・40万円×勤務年数(80万に満たない場合は80万円)

勤務年数20年超の場合・・・800万円+70×(勤務年数-20年) 

                     ======== 

                     端数は切り上げ

 

 

具体的に今回の相談者様の場合、以下のような計算で退職所得控除を使うことができます。老齢給付を一時金受け取りする場合、老齢給付金が退職金扱いになりますので、上記ルールの勤務年数のところを確定拠出年金の加入期間に置き換えて計算することができます。

 

相談者様の退職所得控除・・・40万円×16年=640万円

 

退職所得扱いの老齢給付金を受け取る場合、この640万円を受け取った老齢給付金から引き算し、さらに2分の1した金額に対して課税されます。

 

相談者様の場合、相談段階で受け取ることのできる老齢給付金額が720万円だったため、退職金にかかる所得税は次の計算になります。

 

(720万円-640万円)÷2=40万円  ・・・課税所得

 

退職所得はほかの所得とは別にそれだけで税額計算される分離課税となるので、退職所得に対しての税金の合計(所得税、住民税)は以下の通りとなります。

所得税課税表より

所得税=40×5%=2万円

 

住民税は課税所得の10%計算ですので、

40万円×10%=4万円となります。

 

退職所得に対しての税額は2+4=6万円

 

 

(2)さらに・・・退職所得控除を2度使える場合があります

 

退職所得控除は退職金を受け取るときの所得税の優遇を受けられます。少し工夫してみるとこの退職所得控除を2度使える方法があります。相談者様にはその方法もお伝えしました。具体的には以下のようになります。

 

相談者様の場合・・・

  • 確定拠出年金の老齢給付金を60歳で受け取り、役員は退任せずに継続します。

→ここで1度目の退職所得控除を適用

  • 60歳で 確定拠出年金の老齢給付金を受け取ってから5年以上経った65歳時、役員を退任し、法人から退職金を受取る

→ここで2度目の退職所得控除を適用できます。

法人からの退職金が3000万円の場合(勤務年数35年)

 

退職所得控除額 800+70×15=1850万円(勤務年数35)

退職金が3000万円の場合、(3000万円-1850万円)÷2=575万円

課税所得は575万円となりました。

 

 

 

(3)そのまたさらに・・・退職所得控除を3度使える場合

実は65歳で退職金を受け取って退職し、その後自営業者になる場合、3度目の退職所得控除を使うことが可能です。今回の相談者様の場合、30歳時に今の会社を引き継がれたタイミングから小規模企業共済にご加入されていました。仮にこの先65歳で退職した後も自営業者になることで小規模企業共済を加入継続することができます。そして65歳時にA社の退職金をとってから5年後以降、自営業をリタイアして廃業する際小規模企業共済から共済金を受け取ることができます。この際、受け取る共済金に対して3度目の退職所得控除を使うことができます。

 

小規模企業共済からの共済金が3000万円の場合(加入期間40年)

 

退職所得控除額 800+70×(40年-20年)=2200万円

 

共済金の退職所得の計算→(3000万円-2200万円)÷2=400万円

 

課税所得は400万円となりました。

 

 

ご相談者様は65歳で退職されることを予定されています。となると今回確定拠出年金の老齢給付金を受け取り、5年後に退職金を受け取りると退職所得控除を2回適用できるということになります。この事実を知って大変お喜びになられたのと同時に、小規模企業共済を退職後継続し、3度目の退職所得控除を活用する計画にも意欲的になられておられました。

 

実際の個別の税金計算は税理士にお願いすることになりますが、それでも今後の税金の仕組みが分かったことで、ずいぶんすっきりされたとのこと。

今回のご相談をきっかけに、将来予定されているご親族への事業承継やその後の企業運営まで総合的なご相談に情報提供させて頂くことになりました。

 

 

 

 

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藤方 信輔
確定拠出年金、ふるさと納税、各種共済。個人法人問わず、あらゆる税金優遇制度のフル活用をお手伝いします。

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