確定拠出年金相談ねっと認定FP林です。
今年1月から、つみたてNISAが始まりました。
毎月投資信託又はETF(金融庁が許可したもの)を一定額、運用益非課税で積立られます。
年間40万円まで、2018年1月から2038年12月までの期間限定です。
毎月の収入の中から、コツコツ積み立てる方には良い制度です。
ところで、ご存じのとおり、NISAが2014年からスタートしています。
2023年までの制度ですが、年間120万円まで5年間非課税で運用出来ます。
NISA枠で購入出来る商品は、投資信託だけでなく、個別株も買うことが出来ます。
NISA、つみたてNISAは共に、
①運用益が非課税であるのですが、損がでた場合、無かったことにされます。配当金との相殺や損失繰り越しができません。
②非課税枠の再利用は出来ません。買った時点で非課税枠を使う事になります。
さて、NISAで個別株を買うときのことを考えます。
個別株を購入するときに、企業の財務状態や事業計画等を参考にします。
企業の業績が良くても、様々な理由から暴落するときがあります。
NISAは基本buy&hold
頻繁に売買するのに適した制度ではありません。
目先の利益を得るために売買するのではなく、株式の成長を待って利益確定します。
枠も資金も余裕を持たせた買い方をしておき、安い時に買い増しをします。
(上がりそうな銘柄を買い、ちょこちょこ利益確定して、枠を使い切っていく方法もあります。)
先日の暴落相場等の場合、一度売ってからまた買い戻したくなりますよね。
でも、NISA枠は売った枠は再利用出来ませんので、買い入れする度に枠を使うことになります。
膨らむ損失に痺れを切らして売ったら、そのとたん上がり始めて慌てて買い戻す。
戻したかと思ったら、さらに下げるので慌てて売り、また慌てて買い戻す。
これでは、年間120万円の枠をあっという間に使い切ってしまいます。
おまけに、損失は無かったことにされてしまいます。
企業業績に問題ない、むしろ将来性があるので絶対に買い直したいのなら、目先の利益を狙って途中で売らない方が良いでしょう。
NISAのメリットは、利益に課税されないことです。
例えば、株を30万円(×200株)をNISAで買ったのですが、暴落したので25万円で売りました。
様子を見てたら戻りそうなので、26万円(×200株)をNISAで買い直したら、また下がり、19万円で売却しました。
良い情報が出たので買い直そうと思ったのですが、NISA枠がなくなり、特定口座に15万円(×200株)で買い直しました。
半年後、株価は予想通り90万円になり、売ることにしました。
売買益は(90-15)×2=150万円 これに20.315%かかり、304,725円の税金が発生します。
2回目のNISAで持ち続けていたら、売買益に課税はされなかったのです。
(逆に、例えば株価が5万円になってしまったので売る場合は、特定口座であるから、損失分は配当金と損益通算できて3年間損失の繰り越しが出来ます。)
ただ、NISAは全てホールドしなければならないのではなく、途中で良くない情報がでて、その企業の株を持ち続けるのがどうかと思われる場合は、途中売却の選択もありでしょう。
なんと言っても、自分の資産を守ることが第一です。