FP相談ねっと林です。
地元FPの勉強会に参加してきました。
「人生100年時代の資産設計」をテーマに、講師は地銀さんの個人営業部の方。
レジュメがカラー印刷でした。
銀行は日常生活に必要な金融機関です。口座に給与を受け取ったり決済をしたり、自分の手を動かさなくても口座で決済して貰えるので、特に意識をする事が無いかも知れません。
事業をしていれば、資金調達で銀行さんとのお付き合いが頻繁にあるとは思いますが、その他の場合でも、住宅や教育資金でお世話になる金融機関です。
「平均寿命・健康寿命・資産寿命」の3つの寿命の話から始まります。
ここはご存じの方が多いと思いますが、その他にも「就労寿命」「夫婦の愛情寿命」が元気でいられる秘訣だと続きます。
それについては、私も終活セミナーでお話させていただいています。例として、「いろどり」の徳島県上勝町、「ぴんころ地蔵」の長野県佐久市を挙げています。
高齢者の就労の場が整っていて、連れ添う人がいると、元気で長く生きられるのですね。
特に、夫婦の愛情寿命については、ハーバードでも科学的に証明されたのだとか。
平均寿命と健康寿命の差、つまり誰かのお世話になる生活は、約男性8.84年、女性12.35年(令和元年高齢者白書 2016年分より)です。
岐阜県の場合、男性8.11歳、女性11.17歳 と全国平均より良い結果になっています。
岐阜県は、農家でなくても田や畑があるお宅が多いです。野良仕事は健康に良いようです。
日本は2010年に高齢化率21%を超え、昨年28%を超える超高齢化社会となっています。(令和元年版高齢者白書 より)
高齢者が人口に占める割合が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会、21%を超えると超高齢社会ですが、21%を遙かに上回っています。
世界的に見ても日本は断トツで、2番のイタリアでも23%
長寿であることは良いことです。
が、社会保障の負担する側と受ける側のアンバランスや、経済成長が問題になります。
少子高齢化の他にも、お一人様の増加、高齢者の一人暮らしも増えています。
長く生きられるようになったら、その分生活費も多く必要になります。
公的年金以外の収入を確保していく必要があり、資産寿命を延ばす必要があります。
年金2,000万円不足と騒がれましたが、モデルケースは平均的なサラリーマンだった夫婦世帯。
ところで、個人事業主は国民年金のみなのでさらに不足します。
サラリーマン家庭が約5万の不足に対し、夫婦2人で約13万の国民年金は必要な生活費約半分しかありません。
と、国民年金に上乗せできる「国民年金基金」の説明が始まりました。
掛金全額所得控除、掛金と将来受け取る年金額が決定している終身年金とのメリットがあります。(約80歳前後でモトが取れる。)
第1号被保険者には国民年金基金からDMが来ます。DMで知って、付加年金そして、自営業者は確定申告をするので、掛金全額所得控除のメリットは既にご存じの方が多いのですが・・・。(何故、この場で、ここまで時間を掛ける?)
その後、資産寿命を延ばしましょう、資産形成の基本は「長期・積立・分散」、国の制度で老後の資金を確保しましょうと締めくくられ、資産継承の話「遺言代用信託」で終了しました。
国民年金基金と、遺言代用信託の立派なパンフレットと丁寧な説明は良かったのですが、資産の継承の前に、自分が使う資金に長生きして貰う方が先なのに、iDeCoとつみたてNISAの話は全くなく、「国の制度を利用しましょう。」と一括りでした。
資産を運用しながら取り崩すところで、20歳以上なら使える「つみたてNISA」の話があっても良いのに・・・と思いました。
個人事業主は、国民年金基金の他に、小規模企業共済、iDeCo、に加入する事が出来ます。これらは全て、掛金全額所得控除です。
ただし、国民年金基金とiDeCoにどちらも加入する場合、合計で1ヶ月68,000円が上限です。
国民年金基金は、年齢と加入の型によって掛金と年金の受け取り開始時期・金額が決定します。
小規模企業共済は辞め方(途中で解約、廃業、老後)で返ってくるお金が違ってきます。
iDeCoは国民年金基金や小規模企業共済とは違い、自分で運用するため、受け取れるのは運用によります。運用益非課税で運用出来ます。
iDeCo口座で投資する投資信託は、購入手数料ゼロ、運用中も信託報酬が通常より低いものになっています。
つみたてNISAは、掛金全額所得控除はありませんが、運用益非課税で運用出来ます。
年間40間年まで、最長20年間非課税で運用出来ます。今のところ非課税枠で買うことが出来るのは2037年まで。(非課税での運用は2056年まで。)
年齢による上限はありませんし、途中で解約も出来ます。解約しない分は、そのまま老後資産を運用しながら寿命を延ばしていけば良いのです。
つみたてNISAの商品は166本の投資信託と7本のETF(2019年10月1日現在)。
金融庁の基準(販売手数料ゼロ、信託報酬一定基準以下、分配頻度が毎月でないこと等々)を満たしたものです。
手数料負けをする事が無いので、投資の初心者が資産形成を始めやすい制度です。
(但し、既にNISAで株を買っている場合、NISAとつみたてNISAは同じ年にどちらかしかできません。ご注意下さい。)