制度や仕組みを、
知っていれば【貯められる】、知っていれば【殖やせる】、知っていれば【騙されない】
FP相談ねっと林です。
令和4年4月1日に成年年齢が18歳に引き下げられるまで、残り一年を切りました。
成人したら、親等の法定代理人の同意無しに、自分の意思で契約を結べるようになります。
その反面、問題となるのは、今まで20歳未満だった未成年者取消権も18歳未満になること。
未成年者が、親等(法定代理人)の許可無く結んだ契約は(一部を除いて)、法定代理人や本人により後から取り消せます。まだ、世の中を良く分からない子どもを、法律が守っているのです。
しかし、来年の令和4年4月1日を境に、今まで法律で保護されていた18歳以上20歳未満の子ども達の、法による保護が無くなってしまいます。自分で責任を負わなければならなくなります。
18歳は、未だ高校生。中には実家から離れてひとり暮らしをしているお子さんもいらっしゃいますが、ほとんどが家庭で保護者に見守られながら生活しています。
令和4年3月31日まで未成年であった18歳は、4月1日からは就職・進学で社会に出るので成年としての自覚は得やすいでしょう。しかし、令和4年4月1日以降に高校在学中に18歳を迎える子どもは、意識を変えるのは難しい。
そのため、国が対策を取っています。
消費者庁と文部科学省により作成された教材「社会への扉社会への扉 ―12のクイズで学ぶ自立した消費者―」で、高校生に授業が行われました。
社会への扉では、今まで意識してこなかった身近な生活の契約について、
・一旦結んだ契約は、原則取り消し不可。「やっぱりやーめた」と一方的に取り消せない
というような社会のルールの他に、
・お金の支払い方や借り方、投資について
・暮らしの安全について、被害に遭ったら消費者ホットライン 188
などの、これから出来る事について知っておきたいこと、万が一の時はどこへ相談したら良いかを知ることができます。
(他にも、金融庁、法務省によるものもあります。)
ところで、徳島県の高校で社会への扉を利用した授業実施の報告書が消費者庁のHPにありますが、授業後の正答率が高かったのは「必ず儲かる投資はない」で、8割程の正答率がありました。
しかし、現状は儲け話に騙される若者が多くいます。
消費者庁発表『20歳代の若者の「美容」「もうけ話」をめぐるトラブル』の状況によれば、美容、情報商材、暗号資産、情報商材、マンション投資の相談が20歳代が占める割合が最も多く、特に、暗号資産・情報商材の相談件数は2015年から2020年で約8倍になっています。
授業のように落ち着いて考えられる場所ではちゃんと考えられる場合でも、いざ勧誘されて話をされたら、授業と同じように落ち着いて考える事は難しいでしょう。
よってたかって言いくるめられる、必ず儲かる投資は無いと知っていても、万が一儲かるようなことがあれば逃すと損だと思えてしまうのでしょうか。
知識をつけることはもちろん大切です。でも、「いざ」と言う時に知識が使えることも大切です。
あと1年、常日頃から意識しておき行動や意識にすり込んでおきましょう。