制度や仕組みを、
知っていれば【貯められる】、知っていれば【殖やせる】、知っていれば【騙されない】
FP相談ねっと林です。
2023年6月7日、国民生活センターは「20歳代が狙われている!?遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる副業や投資の勧誘に注意」を公表して注意喚起しました。www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230607_1.pdf
これまでも、国民生活センターは、
「○○するだけで100万円!」
「スマホでポチポチするだけで高収入!」
などと、「誰でも簡単に稼げる」投資や副業の情報商材について注意喚起をしてきました。
ノウハウを「無料」や「○千円」で受け取れる と登録させます。被害者は、この「無料」や数千円という低い価格で、高収入を得られると思い込んで登録します。無料だし・・、○千円だし・・ダメでも、まぁいいかと。
登録してくれると、業者にとっては、
『
』
を、Getです。
説明に必要だからと、遠隔操作アプリをインストールさせる業者もいます。
当然、そのノウハウだけでは稼げません。
すると、次に、業者は「とっても楽に稼げる、でも、とってもお高いプラン」を提案してきます。
稼ぎたいと思っている場合、余計なお金は持ち合わせてはいません。でも、無料プランや安いノウハウでは稼げなかった為、そんなに楽に稼げるならば欲しいと思います。
すると・・稼げる商材だから、借りれば良いと、おきまりの文句「すぐ、モトが取れます」と言って、借金をさせます。
対面で情報商材を購入させられる場合に、貸金業者に連れて行かれて借金をさせられた被害がありました。しかし、ネットで繋がっている場合、それはできません。
しかし、遠隔操作アプリを導入させれば、借り入れするよう誘導できます。「商材の説明に必要だから」、或いは「借り入れする方法を教える」のに「必要なものだから」と言ってアプリをインストールさせます。被害者本人は、遠隔操作アプリと知らずにインストールします。
画面共有しながら、手取足取り、ネット口座を開設して貸金業者から借り入れするよう指南してきます。稼ぐ為の手厚いサポートではなく、借り入れするための手厚いサポート。そして、代金を振り込ませたら終了です。
業者は、振り込ませた口座から、お金をとっとと抜いて他へ移します。詐欺により代金を振り込んだ場合、警察と振込先の金融機関に申し出て、振込先の口座を凍結することができるので、凍結される前にお金を移動させるのです。口座に残高が無ければ凍結も意味がありません。
遠隔操作アプリを導入した場合、被害はそれだけにとどまりません。
勝手に端末の操作をされてしまいます。端末内の情報も抜き取られます。画面共有や、位置情報、その他の情報が共有できるので、ID・パスワード等の情報を知られたら、業者は被害者になりすまして勝手に追加で借りいれもできてしまいます。
また、遠隔操作により業者とのやり取りを勝手に消されて、トラブルの解決が困難になってしまいます。
業者にとっては良いことずくめです。被害者にとっては、借り入れさせられただけでは収まりません。
では、どうしたら良いのか?
国民生活センターは、次のようにアドバイスをしています。
●「簡単に稼げる」という広告をうのみにしない。借金してまで契約しない。
●遠隔操作アプリは安易にインストールしない。
● 遠隔操作等で貸金業者サイトに登録してしまったら、IDやパスワードを変更するなど、悪用されないための対策を取る。
●不安に思った場合やトラブルに遭った場合は、消費者ホットライン「188」番に相談。
(以上、独立行政法人国民生活センター 令和5年6月7日報道発表資料「20歳代が狙われている!?遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる副業や投資の勧誘に注意」より引用)
また、遠隔操作アプリをインストールしてしまったと気づいた時の対処法について、情報処理推進機構は以下の様にアドバイスをしています。
●遠隔操作を許可する前に、『遠隔操作を行う事業者名や連絡先』、『遠隔操作アプリの名前』、『遠隔操作による作業の内容や目的』を確認しましょう。信頼できる相手のみ遠隔操作を許可するようにしましょう。
●操作中はスクリーンから目を離さず、操作されている内容を常に確認しましょう。
●遠隔操作中に怪しい動きが見られたら、
・画面転送や遠隔操作を中断させたい場合は、スクリーンロック状態にする(相手にはロックされている画面が転送されるだけになり遠隔操作することが困難になる)。
・遠隔操作を即時切断したい場合は、ネットワークを遮断する(機内モード(無線LAN機能をオフ)にする、ルーターの電源を落とす等)。
●事業者に不審な遠隔操作をされてしまった場合、
・遠隔操作によるサポートが終了したら、遠隔操作アプリが終了していることを確認しましょう。遠隔操作の切断や遠隔操作アプリの終了が確認できない場合や確認のしかたがわからない場合は端末を再起動します。遠隔操作アプリが終了していれば、本人の許可なく遠隔操作接続されることはありませんが、アプリが不要である場合はアンインストールします。
・もし、悪意のある相手に情報が伝わったと考えられる場合は、伝わってしまった情報に対する対処が必要です。例えば、パスワードが知られてしまったらパスワードの変更、クレジットカード情報が知られてしまったらカード会社へ連絡するなどの対処を行います。住所や氏名など、変更することができない個人情報については、今後、こうした情報を悪用した偽メールやメッセージなどが届く可能性があるため、騙されないように警戒する必要があります。
(以上、独立行政法人国民生活センター 令和5年6月7日報道発表資料「20歳代が狙われている!?遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる副業や投資の勧誘に注意」独立行政法人情報処理推進機構(IPA)からのコメントより引用)
遠隔操作アプリをインストールすると、接続識別番号が表示されます。これを業者に伝えて、業者からの遠隔操作リクエストに応えてしまうと、遠隔操作がはじまります。途中、怪しいと思ったら接続識別番号を伝えない、リクエストに応じない。
安易に遠隔操作アプリを導入するのは避けましょう。
出典
独立行政法人国民生活センターHP 「20歳代が狙われている!?遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる副業や投資の勧誘に注意」
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)HP 遠隔操作ソフト(アプリ)を悪用される手口に気をつけて!