先日開催のセミナーで、参加者の皆様は確定拠出年金の税制優遇に驚かれていましたが、
それ以上に、今年からの源泉徴収票に驚かれてました。
確定拠出年金相談ねっと認定FP林です。
控除対象扶養親族にマイナンバーの記入が必要になったため、今までは横長の源泉徴収票が縦長になりました。
もうすぐ受け取られると思いますが、どんな姿形かお楽しみに。
保険や個人型確定拠出年金に加入されている方は、還付金も楽しみですね。
企業型・個人型確定拠出年金の制度解説に加え、年末調整・源泉徴収票そして確定申告書の見方と盛りだくさんのセミナーでした。
源泉徴収票を貰ってもそのままゴミ箱に直行の方、次回のセミナーには源泉徴収票をご持参の上、ご参加下さい。
ところで・・・
・・・質問を受けました・・・・・・・・・・・・・・・・・・
50歳の女性、お子さんがお一人(男の子19歳、学生)
10年間、正社員で働くが妊娠で退職。
夫(内縁・59歳)は自営業。
国民年金が必要だが専業主婦で自分の収入が無いため20年間払ってなかった。
最近パートに出るようになって、年金保険料を支払おうと思っていたが、
今から頑張っても年金受給要件の25年を満たすために15年必要だが、60歳までに残り約10年しかなく15年に足りない。
受給要件を満たさないから払い損と思っていたが、年金の受給資格期間が10年になることを知って、
それが本当なら(?)すでに10年満たしているため、もっとパートを頑張ってしっかり厚生年金に入ろうと思ったとのこと。
はい、平成29年8月1日より、資格期間10年で受給可能になります。
(※加入期間が40年に満たない場合に、受給要件を満たすために任意加入制度を利用する方法もあります)
でも、払ってないって、未納ですか?免除ですか?
「何年かは免除手続きしたと思うけれど、覚えてない。。」
未納は受給資格にカウントされませんが、免除はカウントされますよ。
ねんきん定期便って見てませんか?
(出典 日本年金機構)
「え。。なんかあったと思うけれど。。」
(出典 日本年金機構)
裏面には、これまでの加入期間が表示されています。120ヶ月あれば受け取れます。
また、50歳以上のねんきん定期便には、このままの収入でいくと65歳からどれだけの年金が受け取れるかが表示されています。
65歳より前の欄は、特別支給の老齢厚生年金の額です。
(今の状態で年金が受け取れない場合は、※印で数字が入っていません。)
※令和3年6月追記
未納ではなく免除期間だったなら、すでに受給要件を持たしているかもしれませんね。見て確認するといいですね。
厚生年金に入れるなら入りましょう。
国民年金だと16,260円払って満額でも78万です。
社会保険だと保険料は会社が半分負担してくれるから、10万の給料なら厚生年金8,909円、健康保険も合わせて14,549円を負担すれば良いです。(令和3年6月追記 令和3年は、10万円の報酬月額で厚生年金8,967円、健康保険も合わせて14,665円の負担)
しかも、受け取る年金は報酬比例分が国民年金に上乗せして受け取れます。もし、これから9年くらい10万くらいの給料だとすると、国保に比べて年金が6万くらい増えるでしょう。
健康保険に傷病手当金っていうのがあって、病気やけがで休んで給料払って貰えなくても、前12ヶ月の標準報酬月額を30日で割ったものの2/3の金額が、休んで4日目から最長1年6ヶ月支払われます。4日目から、給料の2/3が貰えるってことです。
あと、払い損になるからイヤだという人が多いけれど、障害状態になったときの障害年金は、初診日のある月の前々月までに加入期間の2/3の期間に保険料を支払ったか免除を受けているか、前々月までの1年間に保険料の未納がないことなので、もし2/3に満たなくても、これから納付していけば1年経過したときからいざというときの備えができます。
「入ろうかな。。」
(※同じ専業主婦でも、配偶者が会社員だったら、彼女は問題なく老齢給付を受け取ることができるのですが。と、ふと思う)
ご主人の年金はどうでしょう?
「知らない。内縁だと相続できないでしょう?関係ないから私は何もしていない。」
もうお子さんが19歳なので遺族基礎年金は受け取れませんが、もし、ご主人が36ヶ月以上年金保険料を納めていて、障害年金も老齢年金も受け取る前にお亡くなりになった場合、死亡一時金を受け取れるかもしれません。
遺族年金もそうですが、受け取り順位1位が配偶者、しかも、相続とは違って内縁関係も含むのです。
「え?そうなの?」
亡くなってから2年以内の期間限定付きなので注意してくださいね。
老齢年金は受給出来るようにはなるけど、免除を受けている期間が長いので受け取れる年金が少ないと思います。
掛金全額所得控除、運用益も非課税、受け取りに退職所得控除の確定拠出年金で自分年金作りましょう。
確定拠出年金の死亡一時金も、受け取る遺族の順位が
①配偶者(内縁関係にある者も含む)
②子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で主として死亡者の収入で生計を維持していたいた者
③ ②以外の死亡者の収入で生計を維持していた6親等内の血族、配偶者、3親等内の婚族)
④子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で②に該当しない者
受取人を予め届け出ることもでき、その時は順位にかかわらず指定された人が受け取ります。
遺族が誰も請求しないと国庫へ。
公的保険・年金どれもそうですが、請求しないと貰えません。
確定拠出年金に加入された方は、エンディングノートを活用するなど、何かしらの方法でご家族に加入したことを伝えておくと良いかもしれません。