こんにちは、
確定拠出年金相談ねっと認定FPの向藤原です!
10月31日のエコノミストに、 「減らさない投資」と題してiDeCoとNISAを中心に特集記事がありました。
「利益より節税」と小見出しがついていて、定期預金にすれば安全で税金分がお得といった感じの記事でした。
記事の中でいくつか気になることがあったので念のため書いておきます。
節税額での利回り計算
例えば年収600万円の方が毎月23,000円iDeCoに積立てた場合の利回り計算ですが、住民税+所得税の節税効果が55,800円なので年276,000円に対して20.2%の利回りと記載されています。
その年の入金額に対して20.2%の節税効果があることが示されていると思うのですが、これを利回りと表記することは許されないと思います。
なぜなら一度積立てた資金は何年もおくことになるので、翌年以降についてはプールしたお金に対した所得税、住民税の節税効果はありません。わかっていながら記載されているのだと思いますが、誤解しないようにしましょう。たとえばその276,000円を10年おくことになれば、節税効果を利回りで表すなら、2.02%と考える必要があります。それでも大きいですけどね。
1月だけ積立をしないことも出来る?
iDeCoは毎月積立てるもしくは、2018年から事前に予定して、6か月分をまとめて6ヶ月目にもしくは12ヶ月分をまとめて12ヶ月目に積立てるといったことは出来るようになるとされています。一定額を毎月積立てることを前提としている場合、1年に1回金額を変更するか、積立をやめて運用指図者として運用のみ継続するという変更が出来ます。
記事の中で、「資金に余裕がないときは、事前に手続きをすればその月の積立をしないこともできる」と記載されています。私の知る限りこういった対応ができるという確認が取れません。銀行に残高がなければ引き落とされずに、その月だけ買付が出来ないのですがそのことを言っているのでしょうか。
iDeCoの非課税期間は最長75年!
NISA、ジュニアNISA、つみたてNISA、iDeCoの比較表があり、その中に非課税期間(最長)という欄があります。
iDeCoの非課税期間の最長は40年とありますが、これは間違いです。対象者が20歳以上という記載も誤っています。
つみたて可能期間の59歳までだけでなく、年金を受取り始める限度の70歳直前、そして年金(一番長い受け取り期間は20年です)を受取る間、そのまま投資信託等で運用でき、売買益は非課税で運用できます。
公的年金制度に加入している60歳未満の全ての方が原則加入できる制度なので20歳未満でも厚生年金加入していればiDeCoに加入可能になりますので、義務教育を終えた15歳から90歳になるまでの最長75年が非課税での運用がつづけられる期間とすべきです。
※以上の他にも大和証券の手数料が、50万円未満だと金融機関が手数料を取る記載になっていますが、新プランでは50万円未満でも大和証券は手数料を取らず、つみたて期間中月167円と積立をしない期間中64円になっています。
大切な年金制度なので誤解のない様お伝えしていきたいものです。