こんにちは。
確定拠出年金相談ねっと認定FP 寺田紀代子です。
保険販売系FPとして、青森県弘前市で保険も含めてお金にまつわるよろず相談承ってます。
前回 収入保障保険、保険金額いくらなら安心?というコラムを書きました。
万一、亡くなったり重い障害状態になった時に、公的保障もあるけれど、不足分を補うために上乗せの民間保険が必要というお話でした。
昔と今の大きな違い
30年位前までは、重い病気になった時、入院を続けそのまま死を迎えることが多かった。
現在はどうでしょう。
重い病気=死亡
という簡単な図式ではありませんね。
重い病気 ⇒ 克服し現場復帰!
重い病気 ⇒ 入院治療後退院するも現役並みの仕事まで至らず就労不能・自宅療養
重い病気 ⇒ 進行は食い止めながらも介護状態が続く
様々なケースが複合化して、お仕事できるまで回復される場合もありますし、残念ながら死に至る場合もあります。
ですから、遺族に残す死亡保障と同じ位、もしくはもっと、就労不能や介護状態への手当てが重要な時代になっています。
就労不能になるとはどんな状態をイメージしますか?
障害等級認定とはどんな状態?
日本年金機構のサイトには【国民年金・厚生年金保険 障害認定基準】が定められています。
病気の部位や症状により細かく分けられています。興味のある方はご覧になってください。
一例として2人に1人が罹患すると言われているがんで、障害等級2級に認定されるのはどんな状態なのかみてみましょう。
(出典:日本年金機構)
上の2つの表は悪性新生物(がん)の障害等級認定基準表です。
2級は「衰弱または障害のため、一般状態区分表のエまたはウに該当するもの」となっています。
ウでは自分の身の回りのことはできるけれど、働きに行くことは難しい。具合が悪いと横になったりするような状態と言えます。
就労不能になった時の公的保障は?
障害基礎年金・障害厚生年金
年金を受取れる要件は2つ。いずれも満たすことが条件です。
*病気やケガで働けなくなり傷害の原因となった初診日から1年6ヶ月を経過した日に障害状態になっている
*初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間の1/3を超える保険料の未納がないこと
障害基礎年金の金額は?
まず、自営業の方や専業主婦の方が受取れる基礎年金額。
国民年金法 1級 年額974,125円 2級 年額779,300円
お子さんがいる場合、お子さんが18歳になった後の3月まで、子の加算がつきます。
お子さん1人につき224,300円 3人目以降は1人につき74,800円です。
例えばお子さんが2人でしたら、基本の年金額にお子さんの加算を足して、
1級 年額1,422,725円 2級 年額1,227,900円 年収などに関わらず定額です。
障害厚生年金の金額は?
会社にお勤めや公務員の方は障害基礎年金に加えて、障害厚生年金も受け取れます。
障害基礎年金と違い、年収や加入期間によって変わります。
平均標準報酬月額40万円で25年働いてきた配偶者ありの場合
障害厚生年金部分は、1級 年額301,233円 2級 年額285,886円
これにお子さん2人の場合の障害基礎年金を加えると
1級 年額1,723,958円(月額約143,000円) 2級 年額1,513,786円(月額約126,000円)
国の保障はご家族状況に応じて、手厚い保障がありますが、月額40万の収入で暮らしてきた方が、半分以下の収入になってしまうのは想像以上に厳しいものです。
死亡のときと違って、ご本人にかかる経費の減少は考えられず、医療費やサポートする費用が更にかかります。状態によってはサポートする家族の収入減も考えられ、ますます家計を圧迫してくることはあきらかです。
不足分の備えは保険
不測の事態に備えるのが保険の一番の役割です。
障害認定に該当するような状態になった時、金銭的な助けはとても大事です。
比較的安価な保険料で加入できますから、就労不能をカバーする保険は検討の余地があります。
特にシングルで生活をしている方は、親族のサポートが見込めない場合もあります。
サポートを有料で頼む必要も出てきますので、じっくり考えましょう。