寺田 紀代子

震災から9年 家財の保険いらないと思ってませんか?

こんにちは。

FP相談ねっと認定FP 寺田紀代子です。

保険販売系FPとして、青森県弘前市で保険も含めたご相談を承ってます。

 

震災から9年目を迎えました。

日々の暮らしでついおろそかになりがちな、防災への備え、被災した時の備えを改めて考える日でもあります。

被災地で震災の語り部をしている24歳の女性がインタビューに答えていました。

一番の防災はなんですか?

何でもない時にこそ、その時のことを考えることが一番の防災です。学校で日頃津波が来た時の避難経路を教える時間があったから、その時すぐ行動をとれました。いつ来るかもわからないことに時間を割くのは無駄だと思ったこともあるが、今思えば、教えてくれる人がいたから今生きているんだと思います。

と話していました。

当時、火災保険の地震保険に加入していたか否かで、明暗が分かれました。

保険代理店に対して、なぜもっと強く勧めてくれなかったのか、といった苦情も多々あったと聞きます。

火災保険は少しでも安く抑えたい!そんな気持ちもわかりますが、改めて火災保険考えてみましょう。

 

地震保険金額いくら?

火災保険に入っていても、地震保険をつけていなければ、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする損害は補償しません。

阪神淡路大震災のような地震が原因で大規模火災が発生した場合でも、地震保険がなければ、保険金は一切支払われないのです。

通常、火災や自然災害を補償する火災保険の保険金額は、建物の構造や床面積、建築年によって評価され、金額を設定します。

3,000万円の評価であれば、3,000万円前後30%の範囲内で保険金額を決めます。

地震保険はというと、3,000万の保険金額に対して30%から50%の範囲でしか設定できない決まりとなっています。

900万~1,500万です。大きな損害を負ったときには再建には物足りない金額ですが、上限50%設定しておくことをお勧めします。

 

家財保険いらないと思っていませんか?

火災保険のご相談をいただくと、建物、家財そして地震保険をセットでお見積りしますが、

「家財保険はいらないんじゃない?大した家財ないから」と言われる方案外多いです。

家財というと何をイメージしますか?

テレビ、冷蔵庫、洗濯機、テーブル、ソファー、ベッドetc. でしょうか。

このぐらいだったら、100万円位でどうにかなりそうですね。本当に家財ってそれだけでしょうか?

保険会社の家財保険の目安を見てみると、

45歳 ご夫婦とお子さん2名 目安は約1,580万円!

共通家財が660万円 家電・台所用品・家具・風呂掃除用品その他日常生活用品

45歳男性280万円 服飾類・時計などの身の回り品・肌着類など

その配偶者女性490万円 服飾類・鞄靴などの身の回り品・肌着類など

お子さん男性60万円 お子さん女性 90万円

合計1580万円

この目安を見ただけだと、さらに「いやいや、洋服や身の回りのモノだけで490万なんてありえないです。そんなにないですよ」

とおっしゃる方続出です。確かに・・・

そう思って、今朝歯を磨きながら洗面所を見回してみました。ここのもの、全部なくなって買うとしたらいくらになるだろう?

結構ありましたよ。現在の同居人は3名、62歳男性、59歳女性、29歳男性です。

少し高額なのはドライヤー、電動歯ブラシ

3,000円~5,000円程度の中程度は化粧品、鏡など

あとは1,000円以内に収まる雑貨 例えば歯磨き粉、入れ歯洗浄剤、ハンドソープ、ブラシ、タオル、歯間ブラシ、洗顔用ネット・ソープ、シェーバー、シェービングジェル、コンタクト洗浄剤まだまだありますが、結構ありました。

ほぼ毎日使うものだけでも、約7万円位になりました。

玄関、トイレ、風呂場、台所、居間、仏間、各寝室、物置など、洋服も靴下1足から礼服、着物に至るまで1つ1つ積算したら、1580万円オーバーしてしまうだろうと想像できます。

決しておおげさな金額ではないんですね。

地震だけでなく、台風、高潮、竜巻、など大きな災害は年々増えています。家財がほとんど使えなくなってしまうケースもたくさんあります。生活再建のためには、家財保険は切り詰めない方がいい保険と言えます。

 

家財保険を建物再建の不足分に

始めに、地震保険は保険金額の半分が上限と説明しました。

建物全壊、全焼になったときでも、再建の全額を賄うことはできません。

建物再建の不足分に、家財保険の保険金をあてることもできます。

保険金は受取った後、何を買ったか届け出る必要はありませんから、家財購入ではなく、再建の不足分にあててもいいですね。

保険は大きなリスクのため

損害保険は基本掛け捨てが多く、何もなければ捨ててしまうもの。もったいない出費と思われる方もいますが、自分の現在の資産では賄えない損害が起きた時に助けてくれる強い味方です。

自動車で他人を死亡させてしまった。数千万の賠償を支払わなければならない。このような場合を想定して自動車保険に加入されているはずです。決して安くはない保険料ですが、大半の方が加入しています。

火災保険も同じ。火災保険は他人ではなくご自身の為ですが、災害時には生活再建に時間もお金もかかります

少しでも負担を少なくするために、滅多にない事だからこそ、よく考えて加入されることをおすすめします

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