こんにちは。
確定拠出年金相談ねっと認定FP 寺田紀代子です。
保険販売系FPとして、青森県弘前市で保険も含めてお金にまつわるよろず相談承ってます。
火災保険って何のために加入してるのでしょう?
前回は無駄のない自動車保険の加入の仕方をお知らせしました。
今回は、自動車保険と並び、皆さんが加入している確率の高い火災保険について、保険のかけ方のポイントをお知らせします。
火災保険は、そもそもご家族でそれぞれ加入することはありませんので、重複リスクは滅多にありません。
では、火災保険ってどんな時に加入されますか?
住宅を新築、または中古住宅を購入した時、アパートなどの賃貸契約をした時ですね。
本来火災保険の役割は、火災や自然災害などで建物や家財に大きな損害が起きた時、再建するために必要な費用を補償することです。
「そんなこと、当たり前でしょ」と思われるかもしれませんが、保険金額をきちんと考えて加入されていますか?
火災保険の保険証券見たことありますか?
火災保険には、ご加入ですよね?という質問に対して、
「家建てた時に、銀行で入ったはず。保険料もいっぺんに払っちゃったから、入ってるのは確かだけど、よくわからないなぁ」
というお答え、結構多いです。
「証券もどこにあるか、よくわかんないんだよね」
そのはずです。
住宅ローンを組む時、借入金の担保として、火災保険の保険金請求権や返還保険料請求権に対して、質権を設定することが多いのですが、その場合、火災保険の保険証券は、保険契約者ではなく、銀行に保管され、契約者へは写しが渡されているからです。
住宅ローンにはとても敏感で、繰り上げ返済や、借り換えに積極的な方が多いのですが、保険に関しては無頓着。入ってればいいかって感じです。
また、火災保険は1年でかけるより、長期でかけた方が保険料の割引がききますので、5年、新築の場合は10年一括や年払で払っている方が多いです。長期で保険をかけていると、内容がわからなくなることってありますね。
年々災害が増えている日本列島、万一の時のために、きちんと内容を把握しておくことは必要です。
保険金額適正でしょうか?
保険金額はどのように決めるのでしょうか。
少し前までは、時価(新築から年月が経ち劣化を引いた価値)で評価して保険金額を決める方法もありましたが、現在では、再調達価額(現在新しく建てるのに必要な価格)で保険金額を決めることが一般的です。
築30年位のお宅に火災保険をご提案しようとすると、
「うちなんて、もう価値ないから、いくらもかけられないでしょ?」
とおっしゃる方がいます。
お気持ちはよくわかります。例えば、固定資産税の評価額なんか見ると、築50年以上の我が家なんか、ありゃーっていうくらい、二束三文の評価ですから…。
でも、保険の評価は、あくまで再調達価額、「万一災害があった時、現在と同じ建物を建てる金額」でなくては、役に立ちませんから、築30年でも新価で保険金額をかけなければ意味がないわけです。
新築の価格がわかっていれば、新築価格に物価指数を加味した金額。いくらで建てたかわからなくなった場合は、建物の構造(木造なのか鉄骨なのかなど)と建坪と地域の物価で金額が決まります。
住宅ローンの場合のポイント
確認しなければならないのは2点。
保険金額が適正か、と地震保険・家財保険はついているかです。
ローンの場合、借り入れの金額を保険金額にしている場合がとても多いです。
例えば、新築価格3,000万の住宅で頭金1,000万、2,000万の借入だった場合、金融機関ではおそらく2,000万の保険に加入しています。手許に証券がない場合は写しを確認するか、金融機関に確認してみましょう。
また、多くは地震保険や家財に対しての補償が何もついていない保険になっています。地震保険は建物の基本補償に追加する方法しかありませんので、現在加入している金融機関に連絡し中途加入することをおすすめします。地震国日本ですから。
家財保険については、別の代理店で加入することが可能です。
40代のご夫婦、お子さん2人の4人家族でしたら、1300万から1500万の家財評価額になります。大災害になって、家財道具をすべて失った場合、下着1枚、お茶碗1つから買い揃えるとなると、1500万位はかかってしまうのかもしれません。そこまでかからないとしても、再建のためにお金はいくらあってもむだにはなりません。
家財保険の備えもぜひ整えることをおすすめします。
引き継ぐ方がいない場合のポイント
現役引退後、ご夫婦お二人でお住いの方に、最近必ずお聞きすることがあります。
「もし、災害があって全壊してしまったら、おうちどうされますか?」
多くの場合、こんな答えが返ってきます。
「子どもたちは県外で独立して帰ってくることはないし、住めるうちは住むけど、そんなことが起こったら、もう建てないかな。アパートとか、借家で十分」
この場合、現役の時と同じ保険金額は必要ないかもしれません。
例えば、2,000万の保険金額が再調達価額だとして、再建するのであれば満額2,000万でいいのですが、この方のように、再建しないのであれば、災害があった時、災害後の片付け費用や、アパートへ移るまでの諸費用、今まで家賃がなかった分これから家賃が発生するわけですから、その補填費用などが賄えれば十分かと考えます。家財保険もこれから老後2人で過ごす家財と考えれば、評価から減額してもいいかと思います。
保険金額を現役の頃の半分にした方は、年間1万円程保険料が安くなりました。
災害でも、備えあれば憂いなし!
自動車保険と同様に、火災保険も保険会社各社、そんなに形は変わりません。地震保険に至っては、国の保険になりますから、保険料は同じです。
自動車保険に比べ、事故の頻度は少ないですが、一旦事故が起こった時は、損害額が大きくなる場合が多いです。生活の支えになる保険ですから節約だけでなく、補償の内容、金額などもよ~く考えましょう。満期更改の時も、前と同じではなく、今の暮らし方を加味することをおすすめします。
ぜひぜひ、検証してみてください。ご相談に乗りますよ!
次回はこれから、移動の季節がやってきますので、アパートの火災保険についてお話しします。