青山 創星

一括投資と積立投資のどちらが低リスク?

こんにちは、青山創星です。

一括で投資するより
定額積立で投資した方が
時間分散されて
リスクが抑えられる
という説明がよくされます。

定額積立というのは
よくドルコスト平均法と
呼ばれているものです。

毎回決まった金額分を
購入するすると、
価格が高い時には
購入できる数量は少なるが、
価格が安い時には
たくさん購入できるため、
全体で見れば
平均の購入単価を
低く抑えることができる
と説明されることが
多いです。

しかし、
これは間違っています。

価格が下がり続けている
ときには
このようなことが言えますが、
逆に価格が上がり続けている
ときには
平均購入単価は
一括で投資する場合に比べて
高くなってしまいます。

もし、
今まとまった資金が
手元にあるのであれば、
投資機会を最大に生かすためには、
わざわざ分割して投資するより
それを一括して投資したほうが
効率がよいでしょう。

では、
実際に
一括投資と
積立投資で
どのような投資成果が
予想されるのか
計算してみましょう。

計算には
「ファンドの海」という
ページの管理人である
イイノさんが公開している
ページを使わせていただきます。

大変使い勝手の良いページです。
ありがとうございます。

【共通の前提条件】
期待リターン:5%
投資期間:30年
一括投資:元本1,800万円
積立投資:毎月5万円(総投資額1,800万円)

リスク30% 一番起こりそうな運用結果 元本割れする確率 備考
一括投資 227.7万円 42.6%  
積立投資 615.8万円 43.4%  
リスク15% 一番起こりそうな運用結果 元本割れする確率 備考
一括投資 3,134.2万円  6.8%  
積立投資 2,634.0万円 10.7%  
リスク10% 一番起こりそうな運用結果 元本割れする確率 備考
一括投資 5,181.9万円  0.5%  
積立投資 3,368.7万円  1.7%  

※いずれも、連続複利年率の収益率が正規分布する(現在のポートフォリオ理論の通説)ことを前提としています。

さあ、
この結果を
どのように評価するのか。

リスクが高い(30%)場合には、
元本割れする確率は
積立投資よりも一括投資の方が
低いものの、
一番起こりそうな
運用結果は積立投資の方が
大きな金額となっています。

しかし、リスクが低くなるにつれ
一括投資の方が有利になっていきます。

当然ではあるのですが、
リスクがゼロに近づけば
固定金利で複利で運用する場合に
近づくので
いわゆる
複利効果が生きてくるのです。

一番起こりそうな運用結果が
複利計算による金額(期待値)に
近づいていきます。

この結果を
積立投資の方が
一括投資よりも
リスクが抑えられていると
評価するのには
無理があるのではないかと
思います。

リスク商品の場合は、
リスクの大小によって
起こりうる結果の確率が
大きく変わってきます。

具体的な条件のもとに
計算、シミュレーション
してみなければ
目測を誤ることになります。

計算やシミュレーションをしても
そのような結果に
必ずなるというわけでは
ありません。

過去の数字に基づき
将来を予測するものだからです。

しかし、
現在考えられる
最上の人類の叡智に基づく
理論による数字を
尊重すべきだと思います。

そうしなければ
勘に頼るか
単なるあてずっぽに
なってしまうからです。

鋭い勘を持った人も
いるかもしれません。

しかし、
そのような人は
たくさんの経験や知識により
そのような勘を手に入れているか
非常に特殊な能力を
持った人であるかの
どちらかでしょう。

一般の人には
なかなかマネできることでは
ないでしょう。

そうであれば、
人類の叡智が生み出した
科学的な計算結果を
尊重すべきでしょう。

一般的に言われている、
一括で投資するより
定額積立で投資した方が
時間分散されて
リスクが抑えられる
ということには
大いに疑問があるということが
お分かりいただけたと思います。

そして、
今回の事例から学べる
最大のポイントは、
投資にあたっては
適切なリスクのコントロールが
非常に大事だということです。

しかし、
このことによって
積立投資を
否定するものではありません。

むしろ、
長期の投資をするためには
非常によい仕組だと思います。

上記の例では、
現実的に一番ありそうな例は
二つ目の例
期待リターン5%で
リスク15%です。

この場合、
リスクを適切にコントロール
すれば、
元本割れの確率が1割で
30年後
2千6百万円になっている
可能性が一番高いのです。

ほとんどゼロパーセントの
預金で積み立てた場合は
1千8百万円にしかなりません。

そして、
これは非課税となる点を
勘案してません。

実際には、
もっと大きな違いになります。

所得税、住民税が20%、
社会保険料15%、
合計35%とします。

積立額1,800万円は
この35%が引かれた
後のものだとします。

すると、
それがもし引かれなければ
2,700万円の積立額
になります。
(1,800÷(1-0.35))

これが、
期待リターン5%、
リスク15%で
積み立てられていたら、
……
凄い投資成果になります。

確定拠出年金で
適切にリスクをコントロール
しながら積み立てをすると、
それ以外にも
大きなメリットがあります。

給料天引きでの
積立なので
ほとんど意識することなく
貯めて行けるのです。

そして、
定額積立なので
価格が下がっているときは
平均単価が下がっていくので
心理的に楽です。

このように
定額積立は
心理的な面では
大きなメリットがあるのです。

投資において
心理的な側面は
非常に大きな影響力が
あります。

特に、
自分のビジネスに
集中しなければならない
一人社長にとっては、
確定拠出年金での
積立というのは
非常に大きな
メリットがあるといえます。

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