ファイナンシャルプランナー井内 義典

2022年 05月 09日

【公的年金Q&A】65歳からの年金は65歳で受給方法を決めないといけない?

ご覧の皆さま、こんにちは。

公的年金、若年層の金銭教育を得意分野とする、横浜のCFP®・社労士・1級DCプランナーの井内(いのうち)です。

さて、今日もお届けします公的年金についてのQ&A。

今回はこちら、65歳以降の老齢年金についてのお話です。

Q.65歳からの年金は65歳で受給方法を決めないといけない?

もうすぐ、65歳。特別支給の老齢厚生年金は受けていますが、65歳からの老齢基礎年金と老齢厚生年金について、65歳から受けようか、繰下げ受給しようか、正直迷っています。65歳になった時に受け取り方を決めなければならないのでしょうか?

A.65歳時点で決める必要はない

65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金の2階建てで受給できるようになります。

終身で受給できるこれらの年金については65歳から受け取らず、受給開始を遅らせ代わりに増額させる繰下げ受給制度があります。

66歳から1か月単位で繰下げでき、最大75歳まで繰下げ可能です(1952年4月1日以前生まれの人は最大70歳まで)。

1か月繰り下げるごとに0.7%増額できますので、繰下げをするか迷うこともあるかもしれません。

しかし、65歳で受給方法を決めなければならないか、というとそうではありません。

まず、繰下げ受給をする場合は65歳では手続きをせず、その後繰下げ受給を開始したい時期に手続きをすることになります。

66歳5か月繰下げ開始希望なら66歳5か月に手続き、68歳8か月繰下げ開始希望なら68歳8か月に手続き、といった具合です。

一方、繰下げ受給を予定していて手続きをせず繰下げ待機していた人が65歳開始(増額なし)を選択することもできます。

68歳0か月まで繰下げ待機していた人が65歳開始(繰下げ増額なし)を選択する場合、65歳から既に3年が経過していますが、65歳開始(繰下げ増額なし)として過去3年分を受け取り、68歳以降も増額なしの年金を受給することになります。

60歳台前半で特別支給の老齢厚生年金の請求を行っている場合は、65歳時に、65歳以降の年金についての請求書(ハガキ形式)が届きますが、65歳時点でハガキを提出し、「65歳開始・繰下げなし」で受給方法を決めてしまうと、後で繰下げ受給に変更することはできません。

65歳以降働いて給与収入がある人も多いかと思います。在職中は年金の受給を必要とせず、受け取り方で迷うこともあるでしょう。

迷う場合は65歳時点では受給方法についての選択、手続きをせず、65歳以降働き方や貯蓄や企業年金の額、ライフイベント、ご自身やご家族の健康状態(入院等での急な支出)を踏まえて決めるとよろしいのではないでしょうか。

なお、以前のQ&Aでも記しましたが、特別支給の老齢厚生年金には繰下げ制度はありません。65歳までの有期年金となりますので受け取れる人は支給開始年齢以降に早めに手続きをしましょう。

繰下げや65歳にさかのぼって受ける場合の手続きで必要な書類はその種類や家族構成によって異なりますので、年金事務所等で確認すると良いでしょう。

【これまでの実績】——————-●個別相談、金融機関の相談会等含め年金相談は合計4500件以上経験、●教育研修は地方自治体職員向け、年金事務担当者向け、社会保険労務士向け、FP向け、社会人1年生向けなど。㈱服部年金企画講師。●執筆は通算300本以上!『週刊社会保障』の「スキルアップ年金相談」(法研様)、「東洋経済オンライン」(東洋経済新報社様)、「MONEY PLUS」(マネーフォワード様)、「finasee(フィナシー)」(想研様)、「ファイナンシャルフィールド」(ブレイクメディア様)、月刊『企業年金』の「知って得!公的年金&マネープラン」(企業年金連合会様)。その他、FUSOSHA MOOK「定年前後に得するお金の手続き」(扶桑社様・共同監修)。●調査研究活動は研究論文「老齢年金の繰下げ受給の在り方-遺族厚生年金の受給権がある場合-」(日本年金学会編『日本年金学会誌第39号』)など。●取材協力先として扶桑社様、光文社様、日本経済新聞社様。●その他、動画「人生とお金の悩みを解決!たった5分のお金の学校」、Clubhouseルーム「【FP井内】いのっち公的年金語り部屋」に出演。

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