楽天iDeCo加入者が今すべきこと

楽天証券が自社iDeCoの商品ラインナップから9本のアクティブファンドを「除外」すると発表しました。現在該当ファンドを積立している人、保有している人などに対して、「除外判定を認めるかどうか」の回答をするようにとメール等でお知らせが届けられています。

【重要】【iDeCo(個人型確定拠出年金)】加入者、運用指図者の方へ運用商品除外にかかわるご案内

もしあなたが対象ファンドを積立、あるいは保有している場合、6月30日までに楽天証券が指定する「回答書」にて意思表明をする必要があります。ただし、除外に賛成する人はあえてこの回答書を出す必要はありません。

回答書(抜粋)

【除外候補ファンド】

除外に賛成するかどうかは少なくとも以下3つの観点で考える必要があるでしょう

1.楽天証券が指摘するようにパフォーマンスで判断する。

残念ながら楽天証券では具体的に対象ファンドがどのような判定基準のもと除外となったのか詳しい情報は発表していません。従って、FP相談ねっとが提供する比較表が必ずしも今回の除外判定に合致するとは言えないものの、参考にはなるでしょう。

上記表は、楽天iDeCoのラインナップで同じカテゴリーとされているファンドの1年、3年、5年のパフォーマンスを比較したものです。今回除外対象となったファンドはすべてアクティブファンドなので、原則同カテゴリーのアクティブファンドと比較しました。ただし、国内債券はもともとアクティブは除外対象商品のみでしたので、比較のためにインデックスをいれています。バランスに関しては楽天証券ではインデックス、アクティブの分類がなかったので、そのまま比較しています。

2.ご自身が除外対象商品を選んだ際の理由をもう一度考えてみる。

除外対象商品はすべてアクティブファンドです。恐らくこれらのファンドに投資をしていた方は、その投資方針や投資哲学といったものに共感し、同じ価値観でもって投資をしていた方もいらっしゃるのではないかと思います。その場合、上記で示したような単純なパフォーマンス比較では除外を認めるかどうかの判断は不十分ではないかと思います。

その際にはセゾン投信が「【重要なお知らせ】「セゾン資産形成の達人ファンド」楽天証券iDeCo商品ラインアップ除外に関する当社見解」を発表しているので、参考になるのではないかと思います。

3.ご自身が被る不利益をどう考えるか?

もし3分の2以上の方が除外に賛成、あるいはなんのアクションも起こさなければ、対象商品は除外が決定します。すると8月1日以降その商品の買い付けができなくなります。

  • 必ず行うべき「配分変更」
    8月1日以降の買い付け日に合わせて、除外された商品ではなく別の商品を積立する手続きを行わなければなりません。
    ご自身の買い付け日程を確認しつつ、配分変更の手続きは締め切りまでに間に合わせて行いましょう。
    配分変更をしないと、掛金は「未指定資産」となり、運用もされずに口座内に置きっぱなしになってしまいます。
    つまり運用も全くされない状態ですので、放置期間が長ければ長いほどご自身が被る不利益は大きくなります。
  • 保有のみ希望する方 → 過去に購入した分についてはそのまま運用が継続されますので特に手続きは不要です。
  • 別のファンドへ切り替えを希望する方 → 速やかにスイッチングを行ってください。

※今回はできませんが


本来であれば、除外を実行した後どのようなファンドを入れるつもりなのか、楽天証券は示すべきではないかと考えます。iDeCoは各社35本までしか投資商品をラインナップできないため、その内容は投資家の今後の資産形成に大きく影響を及ぼします。特定のファンドを除外してまで追加するべきファンドとは?その提示があってこそ、除外を受け入れてもよいかどうかの判断ができるのではないでしょうか?追加するファンドがなければ、除外する必要はないので、追加予定がないということはないでしょう。

残念ながら今回情報の提示がないため、この判断基準をもつことはできませんが、ご指摘させていただきたいと考えます。

楽天証券は、除外を発表した翌日に「楽天・プラス」シリーズとしてNASDAQ100のインデックスファンドを投入し、このシリーズが拡充されたことを発表しています。さすがに除外9本分をすべてインデックスファンドで埋めることは現実的ではないと考えますし(インデックスファンドは資産クラス毎低コストのものが1本あれば良いし、投資対象とすべき指数にも限りがある)、もし楽天の名前を冠としたファンドだけでiDeCoのラインナップが埋め尽くされるような状態もあり得ないと思いますが、それでも今回の除外が投資家への本当の利益のために行われるのかというところには、不安を感じています。

ご自身の投資に対してもう一度確認をしたい方などいらっしゃいましたら、FP相談ねっとのファイナンシャルプランナーにお気軽にご相談下さい。

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FP相談ねっと 代表 山中伸枝

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