これからの企業年金を考える 「年金債務 企業を圧迫」 あなたの会社はどうする?

「年金債務 企業を圧迫」

2016年4月25日の日経新聞朝刊トップ記事です

企業年金といわれるものは、厚生年金基金・確定給付企業年金、確定拠出年金の3つです

このうち厚生年金基金と確定給付企業年金は、あらかじめ将来の給付額を決める確定給付型の年金で、企業は従業員の将来の退職金や年金の支払いに備えてお金を準備する必要があります

このうち厚生年金基金は、運営もずさんなところもありましたし、予定利率(日経新聞では割引率として解説されています)と呼ばれるいわゆる将来の支払いに必要なお金を準備するための計画上の金利が5.5%と昭和期から見直しができないしがらみもあり、巨大な積立不足発生しました
結果手が付けられなくなり、向う数年の間にほぼすべての基金が解散という予定になっていることはみなさんご承知の通りです

厚生年金基金の後釜として利用されているのが確定給付企業年金です

予定利率は長期国債の利回りをもとに決めている企業が多く、厚生年金基金よりも積立不足に陥るリスクが少ないと考えられています

しかし厚生年金基金が言ってみればザル会計でしたので、確定給付企業年金では帳簿に年金債務を計上しなければならなくなりました、それが日経一面記事の「日本企業の新たな重荷」と表現されている部分です

マイナス金利により市場金利が下がると、実際積立をしなければならないお金が増え(これが「退職給付債務」です)これが決算に影響するのです

日清食品ホールディングス ⇒ 数十億円規模

住友不動産 ⇒ 数億円

三井勤続 ⇒ 数十億円

オービック ⇒ 2億円

LIXIL ⇒ 年金関連費用が約100億円増 連結最終損益200億円の赤字

大和ハウス ⇒ 849億円を特別損失に計上

住友林業 ⇒ 115億円の関連費用増

モスフードサービス ⇒ 1億3000万円計上

またマイナス金利の影響もあり企業年金の運用利回りも5年ぶりにマイナスです

 

もしあなたが企業の財務、人事でこれからの会社の退職給付制度なり福利厚生なりを考える立場の方であれば、正直選択肢は確定拠出年金しかありません

退職給付債務というのは、どう考えても会社にとってはマイナスなのです

特に問題になるのは、年金債務が増えるときは株価が低迷している時、つまり景気が悪い時です

本業も苦戦しているときに年金債務の赤字計上・・・どう考えても割が合わないでしょう

 

どうしたらいいか?

確定拠出年金です

 

でも、確定拠出年金もいくつか問題を指摘されていますよね

おっしゃる通り、確定拠出年金も万全ではありません

しかし、確定拠出年金の問題点は確定給付のように「経済」というコントロール不可能な外部要因に起因するものではなく、制度の運用によりかなり対策がとれるものが多いのです

残念ながらそこまで教えてくれる書籍も金融機関もないともいますが、弊社で開催している「確定拠出年金まるわかりセミナー」では、確定拠出年金の問題点の対処の仕方までしっかりお伝えします

 

繰り返します

確定給付型企業年金の恐ろしいとこ年金債務が「経済の波」という不可抗力なところで突然発生してしまうところです

でも確定拠出年金は違う

 

経営者・人事向け確定拠出年金まるわかりセミナーは定期開催しています

日程はこちらでチェック

main_02

関連記事

日経新聞さんに掲載いただきました
こんにちは、心とお財布を幸せにする専門家、 ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です 先日1月16日土曜日の日本経済新聞さんの朝刊に コメントが掲載されました これまでもなんどかコメントの掲載をいただいたことが あるのですが、今回は囲みのコメントで、しかも 顔写真付き(笑) 記事の内容はというと・・・ 選択制確定拠出年金についてでした ……
非常勤嘱託職員として市役所に勤務しています。
確定拠出年金の専門家として、ヤフー知恵袋さんにて回答をしております以下の記事がベストアンサーに選ばれましたchiebukuro.yahoo.co.jp/my/yc_ogweh【質問】非常勤嘱託職員として市役所に勤務しています。公務員は、確定拠出年金に加入できないですが、自分は、非常勤嘱託職員で、1年ごとの更新で市役所に勤務しており、共済組合には加入しておらず……
国からもらえるお金、知ってますか?
こんにちは、心とお財布を幸せにする専門家  ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です 病気になった時 保険証があれば、自己負担する医療費は実際の 3割で済みますね では、入院や手術になったらどうでしょう? たとえ3割でも結構な負担となりますよね でも、日本の健康保険には高額療養費という特別措置があって、 ある一定以上の自己負担はしなくても良いことになっていま……
【動画】ねんきん定期便の見方と老後資金の見積もり方
ねんきん定期便は、ご自身の年金がいつから、いくらもらえるのかを確認するためにとても重要な資料です残念ながら、どこをどう見て良いか分からない方も多いので、動画でわかりやすくまとめました ・50歳以上のためのねんきん定期便の見方 https://www.youtube.com/watch?v=AOKiakPkSag ・50歳未満のためのねんきん定期便の……