ねんきん定期便相談事例集|ねんきん定期便に関わる相談事例をまとめました。

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ねんきん定期便の見方に関する相談事例 メイン

年金記録問題などの報道が気になります。 私は本当に年金がもらえますか?

ご相談者DATA

相談者 会社員 男性 59歳

家族構成 妻 会社員 56歳 子ども2人は独立、別居。

 

 

相談しようと思ったきっかけ《アンケート抜粋》

もうすぐ年金を受給できる年齢になるが、転職が多かったので、年金はどのくらい受け取ることができるか、心配していたところ、知人にファイナンシャルプランナーの福田さんを紹介してもらいました。以前個別相談でお世話になったそうで、年金だけではなく、お金周りの相談全般もでき、とても良かったとのことだったので、私も一度相談してみたいと思いました。

 

 

相談内容

現在は、会社員をしながら農業を兼業していらっしゃいますが、若い頃から転職が多かったので、ちゃんと老齢年金がもらえるのかご心配していらっしゃいます。以前に年金記録問題がテレビなどでも話題になりましたが、どのようなものか、またご自身が該当していないかお知りになりたいということで、ご相談にいらっしゃいました。

 

 

ご相談でお話しした内容

ご相談者様は、昭和33年生まれの男性ですから、63歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給が始まります。

お誕生月に届くねんきん定期便は、35歳、45歳、59歳の節目の年に封筒で届きます。

昨年のねんきん定期便は、封筒で届いていらっしゃいますので、20歳から59歳までの年金加入歴が記載されています。

右端にある「受給資格期間」が60歳までに120ヶ月以上であれば65歳から老齢年金が受給可能であることが分かります。

下の赤枠では、厚生年金に厚生年金に何か月加入していたかが分かります。男性で昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に産まれた方の場合、過去厚生年金加入期間が12ヶ月以上あると、「特別支給の老齢厚生年金」が65歳より前に受給できます。(年金額の確認については後述)

(出典元:日本年金機構HP)

 

ここには、何歳からいくら受給できるかが書いてあります。先ほどの特別支給の老齢厚生年金の受給権がある方もこちらで年金額が確認できます。

50歳以上の方のねんきん定期便には、現在の被保険者状況が変わらないことを前提とした見込額が記載されております。ご相談者のように、そろそろ定年を控えているという方の場合、現状の給与額が今後大幅に変動することもないと予測がつけば、ねんきん定期便記載の金額をほぼ確定と考えても良いでしょう。

(出典元:日本年金機構HP)

 

次に20歳から59歳現在までの加入履歴が記載されています。

どこの会社で何年間働いていたか、また、いつ国民年金に納付していたのか分かります。

しっかりと確認していただいて、もし、ここで間違いがあれば、すぐに近くの年金事務所に申出てください。

(出典元:日本年金機構HP)

 

ご相談者様のように転職が多かった方は、記載がたくさんになりますが、一つ一つ丁寧に確認して、不利益にならないよう注意してください。

 

年金記録問題とは主に以下3つの点が挙げられます。

  • 宙に浮いた年金

年金記録が誰のものか分からない、宙に浮いてしまった年金。なぜ宙に浮いてしまったのか、年金制度を振り返ってみます。

 

公的年金は昭和36年4月に国民皆年金の体制になりましたが、当時はお仕事によって8つの制度に分かれていました。(国民年金(農林水産業者、自営業者など)、厚生年金保険(民間の会社員)、船員保険(船員)、国家公務員共済組合(国家公務員)、市町村職員共済組合その他地方公務員の退職年金制度(地方公務員)、私立学校教職員共済組合(私立学校の教職員)、公共企業体職員等共済組合公共企業体の職員)、農林業漁業団体職員共済組合(農業協同組合・水産業協同組合の職員))

この制度間には格差があり、また、会社員に扶養されている配偶者が将来無年金(当時は任意加入だったため、加入していない人もいた)にならないように昭和60年に再度年金制度改正が行われ、全国民(20歳以上60歳未満)が国民年金に強制加入となり、厚生年金や共済年金は国民年金の上乗せ部分になりました。

 

また、だんだんと共済組合などが厚生年金と統合され、現在では第1号被保険者(自営業、学生など)第3号被保険者(第2号被保険者の配偶者)が国民年金加入者。第2号被保険者(会社員、公務員等)が厚生年金加入者となっています。

 

このように以前はたくさんの年金制度があり、それぞれの保険者が加入者の記録を管理しているため、違う年金制度へ転職をすると複数の年金番号を持つことになってしまいました。そのため個人の年金記録を一括して把握することが難しくなり、年金支給時に問題が生じることがありました。

このような問題を解決するために現在のように、年金制度間で共通できる基礎年金番号(平成9年1月から)が導入されました。

 

また、オンラインシステムで中央一元管理が開始されました。

複数の番号を持つ年金記録を一つの基礎年金場号に統合する作業とオンライン化以前の年金記録をオンラインに入力する作業が十分に正確ではなかったため、基礎年金番号に統合されていない持ち主不明の年金記録が発生してしまいました。

これが『宙に浮いた年金』です。

 

  • 消えた年金

宙に浮いた年金は、加入者が特定できない年金記録でしたが、『消えた年金』とは?

加入者が年金保険料を納めた領収書を持っているのに、当時の社会保険庁には保険料を納付した記録がないということが判明し、年金記録を訂正した事例が明らかになりました。

 

  • 消された年金

『消された年金』とは、厚生年金記録の改ざんです。

当時の社会保険庁職員が関与し、標準報酬月額を実際の額から大幅に引き下げたり、事業を続けているのに廃業と偽って厚生年金から脱退する(偽装脱退)などにより、厚生年金記録の改ざんが行われました。

本来、年金保険料を決定するためには、被保険者が受け取る給与を一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定した標準報酬月額に保険料率をかけて計算されたものを事業主と被保険者が半分ずつ負担します。

ですが、改ざんされた標準報酬月額は実際に受け取っていた給与よりも大幅に少ない給与額で届出がされていました。

被保険者本人からは、実際の給与で計算した標準報酬月額に基づいて年金保険料を徴収して、社会保険庁には、それよりも少ない標準報酬月額で計算した年金保険料を納めていたということです。

また、偽装脱退した事業所は、被保険者本人からは年金保険料をきちんと徴収したにも関わらず年金事務所にそれを納めなかったので、被保険者は実際には厚生年金加入をしていなかったということになります。

こうした方たちは、実際に受給できるはずだった老齢年金額が少なくなってしまうか、無年金になってしまいます。

 

『宙に浮いた年金』は、記録が結びつくと思われる方に対して、「ねんきん特別便」を発送して確認してもらい、確認後に年金額支払処理を行いました。

しかし、厚生労働省(平成25年9月時点)によると、持ち主の手掛かりがいまだ得られていない記録が927万件ありのだそうです。もしかしたら、身近なところに被害者がまだいらっしゃるかもしれません。

 

『消えた年金』は、被保険者本人からの届出により年金記録確認第三者委員会で確認、結論を経た年金記録を訂正し、年金の支給としています。

 

『消された年金』に対しては、標準報酬月額が改ざんされた可能背の高い方に対しては戸別訪問による記録確認作業が行われました。

 

 

自己防衛のためにねんきん定期便で必ず確認

このように制度の違いにより、個々人の記録が複数になり、統一するとわからなくなってしまうものや、勤めていた会社がきちんと年金保険料を納めてくれていなかったなどの問題で、大事な老齢年金が受給できなくなってしまう悲しい問題がありました。

しかし、40年分の給与明細や年金保険料の領収書を保管していることは難しく、ほとんどの方が確認作業ができない状態です。

そこで登場したのが【ねんきん定期便】です。

【ねんきん定期便】を確認することによって、間違いを早めに見つけることもできます。

ご自身の年金を国任せにせず、ご自身で確認をすることが大切です。過去のすべての年金記録を確認するためには、ご相談者様のように35歳、45歳、59歳で発行される節目の年のねんきん定期便を確認します。毎年おくられるはがき版のねんきん定期便は直近の記録しか記載がありません。その場合日本年金機構の「ねんきんネット」に登録するといつでも過去分の履歴を確認することが可能です。https://www.nenkin.go.jp/n_net/

もし、ねんきん定期便の読み方が分からない時は、是非ご相談ください。

 

 

まとめ

ご相談者様のねんきん定期便を確認したところ、記入漏れはありませんでした。また老齢年金の受給資格も十分満たしている旨もお伝えしましたところ、安心していただきました。

おおよその老齢年金額も分かったので、退職後は元気なうちは農業で収入を確保して、老齢年金の受給をできるところまで、遅らせる予定にしました。(これを繰り下げ受給と言い、年金額が割り増しされる制度です)

 

次回は、奥様のねんきん定期便を読んで、年金受給開始スケジュールをどのようにするか、また、それに伴うお金の流れはどうなるのかの確認をし、これからできる資産形成についての相談をすることとなりました。

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