2016年1月10日付、11日付の読売新聞の特集を踏まえ解説します
記事では、基礎年金がどんどん目減りして、2050年には現役時代の平均収入の1割程度になると指摘しています
記事が指摘する「現役時代の平均収入」はサラリーマンの平均収入である34.8万円が今後賃金が上昇し35年後に52.7万円になることを前提としています
2050年の年金額は本当に年収の10%程度なのか?
まずサラリーマンが受給する年金は記事で例に挙げる「基礎年金」の他「厚生年金」が上乗せであります
老齢年金額がいくらになるのかを試算する計算式はこちら
(老齢基礎年金満額÷480か月)x加入月数
老齢基礎年金満額とは20歳から60歳までの40年間保険料の未納がなかったかたがもらえる年金額のことで、毎年物価などを勘案し見直しされます
今回はざっくりと80万円とします
満額が80万円ですから、1か月単価は1,666円です
したがって今20歳の方が今後40年年金に加入すると65歳から老齢基礎年金を80万円受給する見込みがあると分かります
さらにこの方が会社員として厚生年金に加入し働いたとします
老齢厚生年金を試算する計算式はこちら
平均給与額 x 5.481÷1000x厚生年金加入月数
仮に40年間の平均給与を35万円とすると・・・
38万円x5.481÷1000x480か月=999,734円です
つまり40年間サラリーマンという方の見込める老齢年金は基礎年金と厚生年金合わせて約180万円となるわけです
これは、現役時代の年収ほ約42%であり、10%ということはありません
では、物価の影響をどう受けるか?という点ですが、確かにお金の価値が今と異なることは予測できますが、この記事から読み解かなければならない大事な点は「厚生年金加入者」と「厚生年金非加入者」では将来設計が大きく異なるという点を認識しなければならないということです
記事でも指摘されていますが、基礎年金しかもらえない方は自営業者やパートアルバイトの方です
国民年金のみの加入ですから、もらえる年金は基礎年金のみで厚生年金の上乗せがありません
そのうえでご自身の将来設計をしっかり考え自分年金作りに取り組まなければなりません
今「税制優遇」を受けながら自分年金が作れる制度としては「確定拠出年金」が最も優れています
自分の老後資金の積立をしながら節税できるこの制度、ぜひしっかり活用し老後貧乏にならないよう早めにとりくまれることをお勧めします
ご自身の年金額を試算するサイト ねんきんネットはこちら