金融機関の窓口では何を教えてくれますか?

ご相談者様(Yさん) DATA

【年齢】30代前半
【職業】会社員
【性別】女性
【家族構成】独身

相談しようと思ったきっかけ

「私の勤め先には確定拠出年金制度が導入されていないので、個人型確定拠出年金で積み立てを開始しようかどうか迷っています」とのこと。一度、金融機関が開催したiDeCoの無料セミナーに参加した際は税制メリットの説明が多くて、「デメリットはないのか?」少し不安に感じたので、金融機関に属さないファイナンシャル・プランナーの個別相談に申込みをしました。

 

ご相談内容

「ネット系は手数料が安いが、相談できるの?」
「相談窓口で説明を受けることはできるの?」
「iDeCoの金融機関をどうやって選べばいいの?」

iDeCoを申込みできる金融機関はいろいろあるけど、違いが良くわかりません というご相談内容でした。

 

ご相談でお話しした内容

YさんはインターネットでもiDeCoについて調べていて、ネット系証券会社からiDeCoの資料を取り寄せていましたので、資料を一緒に確認しながら疑問点を解消していきました。

運営管理機関の多くはWEBとコールセンターが窓口となっています。一部の銀行などは対面で相談できるようですが、予約制だったりと「いつでも気軽に」という訳にはいかないようです。特に、口座管理手数料が安い運営管理機関はWEBとコールセンター対応となっています。

 

口座開設までならコールセンター対応で問題ない?

口座開設は必要書類を整えて郵送するだけですので、コールセンターとのやりとりでも問題なく行う方が多いですね。(必要書類がなかなか良くわからないという場合は、何度かやりとりする必要があるかもしれませんが。)

次に口座を開設した後ですが、加入者が自分で運用商品を選んでいきます。
定期預金などの元本確保型商品や元本変動型商品である投資信託の解説書が送付されてきます。

「運用商品」については、自分である程度勉強しないとコールセンターに聞いても理解できないかもしれません。もちろんコールセンターは、投資信託の基本的な情報を伝えるだけで、「これがいいですよ」というアドバイスはしませんから、すべて投資は自己責任となります。
少なくとも投資信託の基本的な事項は最低限押さえておきたいですね。

 

個人型確定拠出年金の場合は、国民年金基金連合会が加入者に対して投資教育をすることになっていますが、実際は運営管理機関に委託されており、運営管理機関が加入者に対して行っています。
しかし、その教育内容はWEBや冊子を通じて行っている運営管理機関がほとんどで、お客様が本当に納得するレベルかというと残念ながら不十分ではないか?と企業研修を多く手掛けるファイナンシャル・プランナーとしては思いますす。

実は、確定拠出年金の運営管理機関は「特定の商品を購入すること(購入しないこと)を加入者に推奨することは法律上禁止」されています。

加入者からみれば「オススメの運用商品はどれ?」と聞きたいでしょうが、禁止されているのです。
したがって、運営管理機関が投資商品をすすめてくるのではなく、運用商品の一覧表を提示してきます。
この中から自分で選ぶ必要があります。

運用商品を選ぶポイントを学んで、自分で商品を選べるようになることが大切です。

どうやって勉強すれば良いの?

投資信託などの運用商品はカタカナ言葉が多く、取っ付きにくいと感じる方もいらっしゃいますが、基礎から学んでいけばそれほど難しくありません。

運営管理機関のWEBサイトにも基本的な事項は載っていますし、その他インターネット上で投資に関する情報をたくさんでています。

しかしこれらはあくまでも「積極的に自分でとりにいく情報」ですから、自分で調べるのが苦手、もっと広く情報を取りたいという場合は、ファイナンシャル・プランナーが実施するセミナーを活用したり、iDeCoのノウハウ本で勉強するのが良いでしょう。

特に、iDeCoの運用商品説明資料の見方などは実際に資料請求したものを一緒にみながら学習するのも効果的です。

今回はYさんとも、加入の手続き書類とともに同封されていた商品説明資料を使いながら一緒に勉強しました。

投資信託のリスクとリターンの見方が良くわからなかったとのことでしたので、具体的な資料をみながら解説いたしました。
いくつかの投資信託を比較しながら見ていったので、比較検討するポイントがご理解いただけたようです。

Yさんからは「資料を読んだだけでは分からなかったので、個別相談に申し込んでよかった」と感想を頂きました。

 

少しずつレベルアップしていきましょう

iDeCoでの老後資産づくりは60歳までの長期間にわたってコツコツと行っていきます。
一度にすべのことは理解できなくても、徐々に勉強しながらいけば良いのです。

『資産運用はロールプレイングゲーム(RPG)の「ドラゴンクエスト」のようなもの』と考えています。

ドラゴンクエストは主人公である勇者がモンスターを倒しながらレベルアップして冒険をすすめていくRPGです。
お城や町へ行き、いろんな情報を集めて物語は進んでいきます。最後のボスを倒してエンディングを迎えるまで、奮闘していくゲームです。

資産運用も少しずつ勉強し、情報を集めましょう。自分で調べることはとても大切です。わからない時は専門家に相談して情報整理してみましょう。

レベルアップし着実に成長すれば、老後資産形成を楽しみながら実践できるようなるでしょう。

これからも定期的にお会いして、Y様の資産形成をお手伝いしていく予定です。

この記事を書いた人
加藤 博

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