相談事例集|確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例をまとめました。

相談事例集|確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例をまとめました。

二つ会社を持っています。両方で出来ますか?

ご相談者様DATA

 

【年齢】 45歳

【職業】 会社経営者

【性別】 女性

【家族構成】 夫と子ども一人

 

相談しようと思ったきっかけ(アンケート抜粋)

現在、会社を2つ経営しています。

1つは創立10周年を迎えました。自然食品販売の会社です。

ちょうど子どもを授かったときに、添加物がとても気になって色々取り寄せていたところ、知り合いにもついでに頼まれるようになり、お店を始めてしまいました。

その後、子供服も子どもの肌に触れるものなので良いものはないかといつも探していたのですが、子どもの服を手作り出来る友達がいて、材料を持って行って作って貰ったら着心地が良いようで子どもがいつも着るようになっていました。

そこも、今、ちょっとしたお店になっています。
どちらも法人にしていますし、ボーナスも少しですが出せる様になりました。

従業員が頑張っていてくれるから売り上げが伸びていっているので、なにか従業員のために出来ないかと思っていたら、夫が経営者の勉強会で「選択制確定拠出年金」のチラシを貰ってきました。これなら会社の負担がそれ程なく、従業員の将来のために役に立てる。

でも、両社とも確定拠出年金を導入したら、私は両方とも出来るのか?という疑問が出て来たのです。そして、手続きもどうしたらいいのか、どこの金融機関を選んだら良いのか分かりません。

よく知らないFPにお金の相談なんて出来ないと言ったら、そのチラシの人は長くその勉強会に参加している信頼できる人だと言うので、思い切って相談しました。

 

 

経営者は両方の会社で確定拠出年金に加入することは出来ません。メインとして選択された(健康保険被保険者証の事業所となっている)会社の方で加入します。

 

経営者の企業型確定拠出年金は、保険証に記されている保険者の会社で加入します。2つの会社から社会保険料を支払っていても、複数の会社で加入し、さらに掛金を上限の55,000円を報酬の割合に応じて加入するのでもありません。

 

相談者様の社会保険料は、それぞれの会社から貰われる報酬を合算した金額を基にして報酬月額が決められて、両方の会社で報酬に応じた割合で按分して算出され納めていらっしゃると思います。

しかし、健康保険被保険者証(以下『保険証』とします)を見ていただくと、適用事業所(企業名)は1つしか表記されていません。

相談者様は2つめの会社を設立時に社会保険加入手続きをされたと思いますが、保険証が2枚ある状態になられました。

その後、ご自身でメインとなる会社を選び、「健康保険・厚生年金 被保険者所属選択・2以上事業所勤務届」を選択した会社の年金事務所に、お手元の2枚の健康保険被保険者証を添付して提出し、新たに取得された保険証を使用されていると思います。

相談者様は、その会社で加入する事になります。

 

メインの会社は年数の長い方の自然食品の会社で、役員報酬もこちらが多いとのことですが、もし、新しい会社の方の報酬が上がったとしてもメインを変更する必要はありませんし、報酬の多い・少ないはメインを決める条件ではありません。

 

企業型確定拠出年金加入後に、もう片方の会社が好調になったので、そちらの企業型に変更したいときは、被保険者所属選択からやり直す必要があります。

その後、新しい方の企業型確定拠出年金の口座へ資産を移換しますが、その際、一旦全部の資産を現金化して、現金で移します。移換手数料もかかります。

今年はこちら来年はあちらと移換することは、出来なくはありませんが、手間と手数料がかかります。

 

選択制確定拠出年金の注意点

 

相談者様は、両方の会社の従業員のために企業型の確定拠出年金制度を導入したいとのことです。

企業型にも、
①従来の企業拠出のみのもの 

②社会保険料が確定する前の給与から社員拠出する選択制
③企業拠出+社会保険料が確定した現行給与から社員拠出するマッチング拠出

④企業拠出+社会保険料が確定する前の給与から社員拠出する選択制

⑤企業拠出(+iDeCoを認めるもの)

 

があります。(全て、合計55,000円まで。マッチングの社員拠出は企業拠出まで。)

 

会社に負担がなく、一番自由度が聞くのは②の選択制と呼ばれるものです。

本来の給与の1部をあらかじめライフデザイン手当等としておき、それを確定拠出年金に拠出すれは福利厚生費扱いになり、社会保険料・所得税がかからず、給与として受け取ればそこの部分も含めた給与全体に社会保険料・所得税がかかります。

どれだけ確定拠出年金に拠出するか、従業員自身が選択できます。

 

ただ、現行給与を減額した分を拠出分に当てることになりますので、もし、従業員様に
①退職予定が間近の人

②病気休職を考えている人

③出産を控えている人

がいらっしゃる場合、給与の等級が下がってしまうと手当金が減額してしまうので、手当金に影響が出ないようご配慮いただく必要があります。

従業員様のために確定拠出年金の導入を考えられたのでしたら、導入したがために従業員様が不利益にあることは望んでいらっしゃらないことと存じます。

是非とも、従業員様に良い方法を第一に考えながら制度を導入しましょう。

 

複数の会社で働く場合の社会保険

 

働き方も多様になってきた今日、副業を許可する会社増えてきました。

会社に勤めつつ起業される方も多くなっています。

または、仕事が終わってから別の企業でパート等、ダブルワークも多いです。

起業されるときや他の会社で掛け持ちを考えられるとき、収入のことは考えていらっしゃると思います。

でも、税金どうするの?社会保険料どうするの?は、あまり考えていらっしゃらないようです。

 

御社で社会保険加入されていて、さらに別の会社にも加入条件を満たしている方がいらっしゃったら、そちらにも加入手続きをした後で、「健康保険・厚生年金保険被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出します。

つまり、給与を合算で社会保険に加入する事になります。

合算されることから逃れることをよしとする風潮がありますが、合算でその分多く納めると、手当金や年金を貰う時にその分大きな手当金になります。やはり下手な損得勘定から不正をしないよう正しい手続きは大切です。

 

ところで、社会保険に加入の要件を満たしているかいないかは、従業員か役員かで判断基準が違います。

 

従業員の場合は、1つの会社で、時短労働でも以下の全てを満たすと社会保険に加入出来ます。

・1週間あたりの決まった労働時間が20時間以上であること

・1ヶ月あたりの決まった賃金が88,000以上であること

・雇用期間の見込みが1年以上であること

・学生(昼間の)でないこと

・以下のいずれかに該当すること

  ① 従業員501人以上の会社で働いている

  ② 従業員500人以下の会社で働いていて、社会保険に加入する事について労使で合意がなされている

上記の全て満たされない場合は加入資格がありません。

 

一方、相談者様のような代表取締役の場合はどちらの会社も常勤となり、両方に加入となります。

 

他の役員の方の場合、日本年金機構本部が役員の加入資格が有るか無いかの判断の材料として以下のことを挙げています。

・当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか

・当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか

・当該法人の役員等に出席しているかどうか

・当該法人の役員への連絡調整又は職員に対する指揮監督に従事しているかどうか

・当該法人において求め応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか

・当該法人等より支払いを受ける報酬が社会通念上労務の内容に相応したものであって実費弁償程度の水準にとどまっていないかどうか。

 

1社がメイン、もう片方は店舗管理で週に2日、半日ほどしか出社しないといった場合ですと、役員とは名ばかりの状態で微々たる報酬であれば常勤とは考えにくいですし、たった1日でも指揮監督し報酬もしっかりと受け取るならば、加入する必要も出てくるでしょう。

今後の従業員様のためのより良い環境作り、ご検討下さればと思います。

 

~相談を終えて~

相談者様は「顧問社労士はいますが、従業員一人一人のライフプランコンサルも必要ですね。」と仰って下さり、企業型確定拠出年金の導入コンサルだけでなく、顧問FPとして継続的にご訪問させていただく事になりました。

 

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林 智慮
岐阜大学工学部卒。 どこの金融機関にも属さない独立系ファイナンシャルプランナー  CFP(日本FP協会認定)DCアドバイザー 家計相談、金融等お金に関する相談を承る傍ら、お金を活かして使う事をお伝えしています。 お金に関する知識を得ることで、手元のお金を活かして使うことが出来ます。手元に残るお金を殖やすことでお金のゆとりが出来、心にもゆとりが出来ます。国の制度を活用し「今」と「将来」に少しでも「ゆとり」をと、確定拠出年金の普及に奔走中。岐阜市でセミナー開催しています。

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