林 智慮

会社で財形やってるけど、iDeCoとどっちが得なの?

 

 

ねんきん定期便ランチ会(専業主婦あり、社会保険加入のパート主婦あり)で、

「イデコやつみたてNISAで自分の資産を持ちましょう。」と話をしました。

 

それぞれ簡単に制度の説明をしたところ、

「財形やってるって話を聞くけれど、どう違うの?どっちが得なの?」

と、質問が出ました。

 

一口に財形貯蓄と言いますが、「一般財形貯蓄」と「財形年金貯蓄」、「財形住宅貯蓄」の3つがあります。

お勤め先に財形貯蓄制度が導入されていれば出来ます。

また、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄については、お勤め先に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していることが必要です。

 

 

☆税制優遇

一般財形貯蓄には税制優遇がありませんが、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄には税制優遇があります。

財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の2つの貯蓄あわせて元本550万円まで、利子が非課税になります。

(財形年金貯蓄のうち、郵便貯金、生保・損保の保険料、生命共済の共済金、簡易保険の掛金等は、払込金385万まで利子が非課税になります。)

解約はいつでも出来ますが、目的以外の為にお金を下ろした場合、5年間遡って課税されます。(※例外があります。)

財形住宅貯蓄はたとえ住宅の購入でも、条件に合わない住宅では非課税になりません。

一方、つみたてNISAは年間最大40万円まで、毎月一定額の投資信託を購入します。運用益は20年間非課税です。

イデコは月々最大23,000円、非課税で運用が出来るだけで無く、掛金全額所得控除の優遇があります。

 

☆受け取る時の制限ついて

また、財形年金貯蓄は55歳未満の方が5年間以上の期間給与天引きで積み立て、受け取る時も60歳以上の契約所定の期間から5年以上の期間にわたって年金として受け取ります。

イデコは掛金拠出は60歳までで、原則60歳まで引き出せません。最長70歳まで運用が出来ます。
受け取る時には退職所得控除・公的年金控除が使えます。

つみたてNISAは20歳以上なら何歳でも始められます。2037年まで買い付けが出来、2037年に買い付けた者は2056年まで非課税で運用が出来ます。受け取る時は課税されませんし、いつでも引き出せます。

 

☆その他

住宅を購入の際、財形持家転貸融資で財形(一般・住宅・年金)貯蓄高合計の10倍の融資を低金利で受けられるメリットがあります。

これから住宅購入されるのならば、利用価値はあります。

また、財形年金は60歳まで積み立て、60歳から引き出す縛りはありますが、それを破っても課税されるだけで引き出すことは出来ます。

 

 

 

イデコと財形どっちが得というのは、その人の置かれた状況によります。

給与天引きで貯められる、住宅購入時の借り入れの優遇があるので、これから家族をつくる若い世代の方には財形貯蓄の選択はありかと思います。

投資初心者の場合は商品選びに困る為、つみたてNISAで毎月コツコツと積むのが安心でしょう。

ただし、自営業者の奥様の場合は、専業主婦といえどもイデコも検討されると良いかと思います。掛金全額所得控除のメリットはありませんし、口座管理手数料は掛かりますが、万が一事業が良くなくて自己破産になる場合も、イデコの資産は差し押さえられません(税金の滞納以外)。

 

「自分の財産を持ちましょう」と提案すると、よく言われるのが、

夫が企業型に加入しているとか、夫がイデコをやっているので、自分には関係が無い。

しかし、今回、ねんきん定期便ランチ会にご参加の方々は、資産形成が必要なことをしっかり感じていらっしゃいました。

 

 

 

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