確定拠出年金相談ねっと認定FP林です。
ダイヤモンドオンラインに、セゾン投信の中野社長が出版された「つみたてNISAはこの8本から選びなさい」から、エッセンスを抜き出して連載されています。
4月29日の『6,000本以上ある投資信託の中でつみたてNISAで買えるのは162本』という記事で、この162本が全て良い投資信託なのかと疑問を投げかけ、やはりこの8本だと中野さんは仰る。
金融庁の公表資料(www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/27.pdf)によれば、平成29年10月2日につみたてNISA開始前に届け出があった投資信託103本のうち、指定インデックスで従来からあるものは37本だけでした。
平成28年11月末時点で、既存の投資信託を機械的につみたてNISAの条件を当てはめたところ、該当するインデックスは51本だけしかありませんでした。
手数料を下げたもの(16本)や、DC専用から一般販売に転用されたもの(15本)もの、新たに組成された物(35本)で合計103本に増え、2019年5月7日の時点では160本の投資信託と3本のETFがあります。(金融庁の公表資料www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/28.pdf)
2019年5月7日現在で、つみたてNISA指定インデックスは142本ですが、新たに組成された物が79本ある為です。
新しいから悪いというわけではありませんが、新たに組成されたものについては、現時点でデータが無いためどうこう言えません。
つみたてNISAは手数料の面ではどれを選んでも失敗が無いと言うものの、長く運用されてきた商品とそうで無い商品ではどれも同じとは言い切れません。
「毎月分配型投資信託」で相談を受けたA子さんから、
「つみたてNISA始めました。」
と連絡がありました。
一年ほど前、
「銀行のNISA口座で、投資信託を持っていて、分配金を定期預金にしている。」
とのことでしたので、毎月分配型の投資信託について(利益が無くても毎月分配金が出るからくり?)を話したことがありました。
「運用報告書」を見せていただいたら、やはり特別分配金のみで運用益からの分配金はなかったのです。
「え・・◯◯銀行の◆君、利益が無い時は分配金が出ないといっていたのに。」
はい、普通分配金は出ません。しかし、毎月払うお約束になっているので、特別分配金を払うことになるのです。
特別分配金は何か特別に得をするものに聞こえますが、何のことは無い、『分配する利益が無いので元本を削っている』のです。
「儲けた」分を定期預金に積んでいると思っていたA子さんは、定期に積んだ金額を足しても明らかに元本割れしていたことに怒りました。
時期をずらしての買い付けでは無く一度にドカッと購入されていたので、次の年からつみたてNISAにするといいことを話しました。
(その年は既にNISA口座での買い付けがあったため、年内ではつみたてNISAが始められなかったのです。)
それが昨年の話です。
今年に入って、「銀行からつみたてNISAの話があって、相談したい。」とのことでしたが、なかなかお忙しい方なのでそのままになっていました。
そして、つみたてNISAを始めたという言葉。
銀行に勧められるままに手続きしてしまったということでした。
iDeCoの場合は金融機関によって口座の開設や管理手数料が違いますが、つみたてNISAの場合は手数料が掛かりません。
一方、iDeCoもそうですが、金融機関によって扱う商品が違います。
つみたてNISAは口座開設や維持するのに手数料が掛からない分、商品選びが大切なのです。
ある程度の線引きはされているものですが、その中でも手数料等やリターンにばらつきがあります。
普通の人が資産形成出来るように、iDeCoやつみたてNISAという制度は作られました。
投資信託が初めてのかたは、先ず、運用益非課税のここの中で運用をすることから始めましょう。
最初に買った商品を買い続けなければならないこともありませんし、金融機関も同じ年内でなければ変更も出来ます。
iDeCoは金融機関の変更に手数料が掛かりますが、NISA口座の変更に手数料は掛かりません。
ただ、NISAとつみたてNISAは同じ年にどちらか一方、一カ所でしか出来ないことにご注意下さい。