確定拠出年金相談ねっと認定FP林です。
先日、とある研修で、日本福祉大学准教授 中村強士さんの話を聴きました。
社会福祉学、社会における子育て支援、子どもの貧困等を研究されていらっしゃいます。
家庭、社会において、何か問題が起これば弱者が不利益を被ります。
子どもです。
児童福祉法の1条に、「全て児童は児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に療育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保証される権利を有する。」とあります。
にも関わらず、何かがあると大人の都合の良いようにされてしまうのが現実です。
幼ければ幼いほど、自力ではどうすることも出来ないのに。
子どもの貧困問題に対し、子ども食堂や無料での学習支援が知られていますが、保護者収入の対策が出来る間に、社会や地域で子どもの直接支援をするものです。
その他にも各種NPO団体や地方公共団体や国が様々な取り組みをしています。
内閣府でも「子ども支援プロジェクト」のページで、様々な支援の紹介しています。
しかし、必要な方にその支援があることが届かなく、支援を受けることが出来るのに知らないままでいる人が多いのが現状であるとの、中村准教授のお話でした。
スマホが普及してPCを使わなくてもインターネットに接続できるのに、情報が届かないのです。
学校で就学支援に関するプリントが毎年配られます。
でも、プリントを親に出さないお子さんもいらっしゃるので、実際このプリントが親御さんに届いて居るかどうかは?です。
世帯収入と学歴が比例するというお話も聞きました。(これはよく言われることですが、少々疑問もありますが。)
生活するだけで一杯一杯なので、子どもの進学なんてとても無理だと思われるのでしょう。
しかし、2020年度からJASSO(日本学生支援機構)の給付型奨学金が拡充になっています。
(以前にもご紹介した記事です。
ファイナンシャルフィールド『経済的な理由で進学を諦めない。国の修学支援がさらに手厚く』 )
住民税非課税世帯とその周辺世帯は、本人の学習意欲があれば、給付型奨学金+入学金・授業料の減免が受けられます。
例えば、国立大学・自宅外の場合、住民税非課税世帯であれば入学金・授業料が免除になり、その他に給付奨学金として約80万ほどを受け取れます。
とても無理でないのです。進学出来ます。
でも、そう考えられる余裕がないことが問題なのです。
折角、支援される制度があっても、本人が申請しなければ使えないのです。
「貴方の世帯はこの所得なので、この支援制度が使えますよ」と連絡してくれません。
使って得する制度の紹介をしても、そもそも見てくれなければ利用出来ないですね。
それでも、発信続けなければと、改めて思いました。
(余談)
実際、隣に座っていた研修参加者に「給付型が拡充したから、進学が無理ではない」ということを話しても「?」って顔をされました。
この研修は、ある意味、情報が拾える方(某有資格者)ばかり参加していたのですが、それでもこの反応でした。