こんにちは。家計の総合医。
FP相談ねっと 認定FPの内田英子です。
最近家計を見返していて驚いたことがあります。
それは何かというと、
電気料金が昨年の1.6倍になっていた!
ということです。
見た瞬間、ショックでした。。。
電力会社を今年見直して、
正直それほど特別寒くも暑くもないし電力をそこまで消費しているという意識がなかっただけに余計に。
気になったので、どうしてこんなに上がったのかな?と調べてみると
どうやら理由はこの2つ。
- 使用量が増えた。
- 電気代があがった。
このコロナ禍で在宅ワークが増えた結果、在宅時間が増えて、確かに使用量は増えていました。
検針票をみると使用量は昨年の1.3倍になっていたんですよね。
でもあがった料金は約1.6倍超。
なので、残りの3割増の部分は電気代の値上がりによるものなんだろうな~という結論に。
エネルギー価格が高騰して光熱費が上がることは承知してましたが
まさかここまでのインパクトとは・・・。
今は円安もどんどん進んでいますし、
個人的には一層電気代は上がるのではないかと推測しています。
でも入ってくる収入はさほど変わらないのに、
出ていくお金がやたらと増えるとするならばそれは困ります。
そこで、この個人的な衝撃を機に
電気代が上がっても
できる限り負担を抑えるためにどのようなことができるのか
を改めて調査、まとめてみました。
お役立ていただけましたら幸いです。
電気料金のしくみ
電気料金の見直しを無理なく実行するために、まず知っておきたいのは
電気料金がどのように決まっているのか?というしくみです。
電気料金と一口に言ってもその内訳は1つだけではないんですね。
以下のように4つの要素から構成されています。
どのようなものなのでしょうか?
まずはそれぞれのあらましを順に解説していきます。
基本料金
基本料金は電力会社が設定した料金で、毎月決まった金額が発生します。
通常、電力会社で契約する際に、複数のプランから契約プランを選ぶことになっていますね。
基本料金は契約プランごとに設定されていますから、
いくらの基本料金がかかるのかはプランごとに異なります。
契約プランを変えない限り、基本料金が増えたり減ったりすることはありません。
電力会社が事業を営むにあたっては、設備費や人件費などさまざまなコストがかかっていますから
それらを賄うために設定されている料金とも言えるでしょう。
会社やプランによっては「最低料金」と記載しています。
電力量料金
電力量料金は、使った電力量に応じて発生する料金です。
電力量料金の算出式は以下のとおりです。
電力量料金=1kWhあたりの単価×使用電力量(kWh)
使用電力量はご家庭の利用状況によって変動しますが、
1kWhあたりの単価は電力会社や契約プランによって異なります。
単価は使用量に応じて変わる場合が多く、
多くの電力会社では電力をたくさん使うほどに単価が上がる
三段階料金
を導入しています。
どれくらい単価があがるのかというとこんな感じです。
使用量が増えるにつれ料金単価が上がっているのがわかりますね。
こちらの場合であれば120kWhを最初のボーダーラインとし
約1.3倍、さらに1.08倍に単価が上がっているのがわかります。
燃料費調整額
発電に必要なエネルギーの調達にかかるコストの価格変動を
電気料金に反映させるための料金です。
一般的にエネルギー価格が上がっていれば調達コストは上がり、
エネルギー価格が下がれば調達コストは減るため
その時々のエネルギー調達価格を反映した請求が行われます。
以下の図をご覧ください。
こちらは、日本で電気をつくる際、
どのような原料を使っているのかを示したものです。
電気はさまざまな原料をもとにつくられています。
日本では電気の原料の約7割を輸入に頼っているため、
わたしたちの支払う電気料金は、
世界のエネルギー需給の状況の影響を受けやすい傾向にあります。
例えば、発電に使われる原料の1つである石油。
石油価格はご存じのようにロシアとウクライナの戦争の影響を受け
最近上昇しています。
LNGや石炭も同様です。
加えて、これらの原料を輸入する際はドルで売買をするそうです。
円安が大きく進行している今、
さらに燃料調整額が上がる要因となっています。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
電力会社が「固定価格買取制度(以下、FIT)」で
発電者から買い取る再生可能エネルギー費用の一部を、
電気の使用者が電気の使用量に応じて負担するものです。
FITは例えば太陽光など再生可能エネルギーで発電した電気を、
電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。
日本のエネルギー自給率アップをねらって導入されました。
国内でFIT認定を受けた発電所の数が増えるほど、
電力会社が負担する買取コストは増えるため、
わたしたちが負担する料金も上がります。
年々値上がりしており、
2012年以降過去10年間で、およそ15倍にまで上がっています。
電気料金節約のポイント
電気料金はさまざまな要因が重なり合い、
今後も上昇することが推測されます。
電気料金が上がっても何も対策を取らないままでは、
当然家計の負担増は避けられません。
家計の負担をできる限り抑えるためには
どのようなことができるのでしょうか?
ここでは電気料金上昇を抑えるためのポイントを3つご紹介、解説します。
プランを見直す
電気料金の上昇下でも家計の負担を抑えるためには、
まずは契約内容を見直して支払い金額を下げることが
ファーストステップとなります。
前述のとおり、電気料金は4つの要素で構成されていますが
唯一の固定料金である基本料金は契約プランによって異なります。
まずは今契約している電力会社に
どのようなプランがあるのか調べてみましょう。
そして、今よりも電気料金が安くなりそうなプランがないか確認しましょう。
また電力会社によっては、アンペア数を設定して
プランの基本料金を変えているところもあります。
その場合、例えば一軒家など、
家庭で利用する電力容量を大きく設定して契約していると
基本料金は上がります。
毎月電力会社から届く「電気ご使用量のお知らせ」で、
今契約しているアンペア数を確認してみましょう。
もしも大きなアンペア数で契約している場合は
実態にあわせたアンペア数に変更することで
基本料金も下げることができるでしょう。
(わたしの住む愛媛県で使われる四国電力ではアンペア数による基本料金の設定はないようです。)
単価の安いところに切り替える
電気料金を抑えるために、
電力会社を乗り換えることも一つの選択肢でしょう。
電力会社を乗り換える際には注意点もありますが、
前述のとおり電力量料金算出の基礎となる電力量単価は
電力会社によって異なります。
設定単価の安いところに乗り換えることで、
同じ電力量を利用しても
電気料金の負担を抑えることが期待できます。
シミュレーションサイトなどを活用して
電気代の節約ができる電力会社をリサーチしてみましょう。
切り替え先の電力会社選びや比較サイトでのシミュレーションの注意点については
こちらで解説しています。ぜひ併せてお読みください。
「【電気代見直し】電力会社切り替えで不利益を被らないためのチェックポイント」
使用量を抑える
毎月の電気料金を左右する
電力量単価や燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金の料金は
それぞれの単価はもちろんですが
使用電力量によっても変わります。
そのため、ご家庭での使用電力量を抑える
節電対策もとても大切です。
では、具体的にはどのような節電対策があるのでしょうか?
今回のコラムでは3つの方法をご紹介します。
TPOにあわせた暖房
これからの季節、大きな電力を消費するのはやはり暖房器具でしょう。
電気代の節約をしたいなら暖房器具をTPOに合わせて使い分けることが有効です。
例えば、家に多人数いる時であればエアコンなどの部屋全体を温める
暖房器具を利用するのが適切でしょうが
1人での在宅時間には
一人用のこたつや電気毛布などの狭い範囲を温める暖房器具を利用しましょう。
それにより温まりながら電力消費を抑えることができます。
照明器具をLEDに
ご家庭に蛍光灯のまま残っている照明はありませんか?
あるようならLED照明に切り替えましょう。
80%程度の節電が見込める場合もあるそうです。
長く同じ住まいに住んでいる方の場合、
LEDに切り替えるためには交換工事が必要になることもあるため
LEDへの切り替えをためらってしまうかたもいらっしゃることでしょう。
でもこの先も同じご自宅に住むのであれば
電気料金がこれから上がることを踏まえれば有効な節約対策となることでしょう。
家具家電を買い替えよう
例えば冷蔵庫であれば
10年まえに購入したものと最近販売されているものでは
買い替えるだけで46%程度の節電効果が見込める場合もあるそうです。
常に電気につなぎっぱなしの冷蔵庫。
わがやの冷蔵庫は11年前に購入したものですが、
電力量をモニターしたところ
1月あたり1,000円程度の電気代がかかっているようでした。
わがやは近いうちに重い腰を上げて冷蔵庫の買替えをする予定です。
(参考)家電の買替えでおトクになる電気代がわかるサイト「しんきゅうさん」
ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/
まとめ
電気料金のしくみと3つの電気代の節約ポイントについて解説しました。
電気代は暮らしに欠かせない費用であるからこそ、
家計の負担を考えれば暮らしに合わせて見直すことも必要でしょう。
家計管理についてお一人では抱え込めないと感じたら
ぜひお声掛け下さい。
あなたとご家族が一日も長く健やかに安心して暮らせるよう、
総合的で長期的な視点に基づくファイナンシャルプラニングと
心を耕す生活設計で応援しています。