ファイナンシャルプランナー寺田 紀代子

2020年 08月 26日

健康還付金のある保険は本当にお得なのか?

こんにちは。

FP相談ねっと認定FP 寺田紀代子です。

青森県弘前市で保険にまつわるお悩みを中心に相談承ってます。

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医療保険あきらめてた方 緩和型保険考えてみては?

8/3にお届けしたこのコラムを読んだ方から、保険料が戻ってくる保険は本当にお得なんですか?と何件かお問合せがありました。健康還付金、健康お祝金、無事故戻し金など名前はいろいろですが、ある期間、保険を使わなかったらお金が戻ってる保険はたくさんあります。お得感はありますが、保険会社は採算度外視で商品を売っているわけではありませんから、保険料は加入者が少なからず負担しているものです。それでも、保険の使い勝手によっては、お得な場合もあります。

今回は具体的な例をあげて、比べてみました。保険商品選びの参考にしてください。

医療保険を比べてみました

東京海上日動あんしん生命の医療保険(メディカルKitRとKitNEO) 比較するために保障内容はシンプルに日額5,000円 1入院60日型のみにしました。

日額5,000円のみとは言っても、入院中に手術があると50,000円 外来での手術25,000円 放射線治療50,000円が含まれているタイプです。

30歳 女性 月払 保険期間も保険料払込期間も終身、死ぬまで保障、死ぬまで支払です。比較の為に90歳まで生存とします。

保険金を受取らなかった場合

KitNEO 掛捨てタイプの医療保険 保険料1,320円 保険料支払総額 950,400円

KitR 健康還付特則付医療保険 還付年齢70歳 保険料3,235円 保険料支払総額2,329,200円 70歳まで保険金の支払いがなかった場合、70歳までの支払保険料1,552,800円全額が還付されるので、差引き776,400円 776,400円を720ヶ月60年で割ると1,078円になるので、実質1,078円でこの保険を買っていたことになります。

この場合、掛捨ては1,320円/月 戻ってくる方は実質1,078円/月になるので、戻ってくる保険の保険料は2.5倍位高いですが、実質保険料は戻ってくる方がお得と言えます。

では、健康還付金を受取る70歳の前に保険金を受取った場合どうでしょう。

50歳と65歳の時、少し長い入院と手術があり、総額70万円受取った場合

NEOの場合、保険料総額から70万円ひいて720ヶ月で割ると実質347円/月になります。

Rの場合、70歳前に受取っているので健康還付金が減り、70歳の時使わなかった分852,800円が戻ってきます。保険料総額から852,800円と受取った700,000円を引いて720ヶ月で割ると実質1,078円/月になります。

掛捨ては保険料が安い為、実際保険金を受け取ったとなると、実質保険料が断然安くなってきます。

70歳以降に給付金を70万円受取った場合

NEOの場合、受取る時期は関係なく、実質347円/月になります。

Rの場合、70歳まで保険金の受け取りがない場合、70歳に一度1,552,800円が還付され、70歳以降に70万円を受取ることになるので、総額から両方を引いて720ヶ月で割ると、実質106円/月で保険を買っていたことになります。高齢になってから入院する確率が高いのはデータから見てもあきらかですので、保険料は割高にみえますが、途中で還付を受取る保険も選択肢に入るのではないでしょうか。

がん保険を比べてみました

2人に1人が罹患すると言われている「がん」どなたも心配されていますね。入院費用の出る医療保険に入っていても、通院治療が多くなっていたり、今までと同じように働けなくなることもあるがんは、他の病気とは別に費用の手当てが必要な病気です。

がん保険も掛捨てタイプと戻ってくるタイプがありますので、比べてみました。医療保険と違い掛捨ての商品はパッケージになっており、がんと診断されたら給付金を払う主契約に入院給付金が含まれ、手術・通院などもパッケージ化されています。戻ってくるがん保険は、がん診断給付金だけ保険に加入することができますが、比較の為に、どちらにも特約をつけて試算しました。

東京海上日動あんしん生命のがん保険(がん診断保険Rとがん治療支援保険NEO) がん診断給付金100万円 入院日額1万円 がん手術特約20万円 がん通院特約日額1万円 悪性新生物初回診断特約200万円 抗ガン剤治療特約月額10万円 かなりしっかりした保障内容です。

医療保険と同じく、30歳 女性 月払 保険期間も保険料払込期間も終身、90歳まで生存したと仮定し、抗がん剤治療は10年更新型なので、40歳以降は更新しないものとして試算しました。

保険金を受取らなかった場合

がん治療支援保険NEO 掛捨てタイプのがん保険 保険料4,590円 40歳以降保険料4180円 保険料支払総額 3,058,800円

がん診断保険R 健康還付特則付がん保険 還付年齢70歳 保険料6,054円 40歳以降保険料 保険料5,644円 保険料支払総額4,112,880円 70歳まで保険金の支払いがなかった場合、70歳までの支払保険料1,512,000円全額が還付されるので、差引き2,600,880円 2,600,880円を720ヶ月で割ると3,621円になるので、実質3,621円でこの保険を買っていたことになります。

この場合、掛捨ては4,590円/月 戻ってくる方は実質3,621円/月になるので、払っていく保険料は1.3倍位ですが、実質戻ってくる方がお得と言えます。

では、健康還付金を受取る70歳前にがんに罹患し保険金350万円を受取った場合どうでしょう。

60歳でがんと診断され入院350万円受取った場合

NEOは90歳までの総額が3,058,800円ですから、350万円を受取った時点で、受取った金額の方が上回ります。がん保険はがんに特化した保険ですから、医療保険より範囲がとても狭く、保険金を受取る確率が低いのですが、このように、支払い要件に該当すると、大きな保障を得られることがわかります。

Rは70歳までの保険料総額が2,600,880円ですので、350万受取った場合、70歳で受取る還付金はありません。70歳以降保険金を受取らなかった場合、総額との差引きは612,880円で720ヶ月で割ると実質851円で保険を買っていたことになります。

70歳以降に保険金350万円を受け取った場合

NEOは受取る時期に関係ありませんので、同じです。

Rは70歳で還付金1,512,000円受取った後に350万円を受取るので、保険料総額4,112,880円を上回り、実質保険料は0となります。

以上、試算した結果をみてみると、がんにかからなかった場合でも、還付金がある保険の方が、実質保険料が安くなります。罹患すると、再発などで複数回保険金を受取ることもあり、どちらの商品でも実質保険料は0になる確率が高いですから、月々の保険料は割高でも、長生きの現代では、還付金がある保険の方がお得だといえます。

本当に必要か考える

使わなかった保険料が全部返ってくる

という商品は大変インパクトがあり、特に女性には人気があります。

だからと言って、むやみに加入するのは危険です。返ってくる保険料は、基本部分のみですので、特約がたくさんついている場合、掛捨て商品の方が安くなる場合もあります。

現在加入している保険がある場合は、保障内容を把握し、重複して入らないようにしましょう。貯金にもなるとはいいますが、保障が不要であれば、効率よく貯金をする方法は他にたくさんあります。保険で貯金する必要はありません。

医療保険、がん保険は掛捨てだからもったいなくて何も入ってません。という方にはおすすめです。シンプルプランだけでも加入しておくと助けてもらえますよ。


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