こんにちは。
FP相談ねっと認定FP 寺田紀代子です。
青森県弘前市で保険にまつわるお悩みを中心に相談承ってます。
3月4月は就職進学など、新しい場所で生活を始める方が多い季節です。
特に青森県をはじめ地方在住の方は、県外への就職・進学の方が多いのではないでしょうか?
初めて独立するお子さんの生活、親御さんの不安はつきません。
万一犯罪に巻き込まれた時、ケガの補償をする特約が自動車保険にありますのでご紹介します。
犯罪被害事故特約
自動車保険の人身傷害保険の特約として犯罪被害事故特約という特約があります。
定義は
『日常生活において犯罪行為(第三者による人に生命・身体を害する意図をもって行われた行為)を受け、被保険者が死傷した場合に、人身傷害保険金をお支払します』
というものです。
例えば、どんな時に該当になるのかというと、
*ストーカー行為を受けていて、刃物で刺されてしまった
*刃物を振り回した暴漢に襲われてしまい大けがをした
*故意に暴走した車にはねられ後遺障害を負った
などです。
補償の対象になる範囲は?
ここでいう被保険者というのは、自動車保険の主に運転する人(記名被保険者といいます)のほかに、
*記名被保険者の配偶者
*記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
*記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
が対象となります。
県外へ旅立たれたお子様は別居であっても、婚姻されるまでは、別居の未婚の子となりますので、別居されていても、補償の対象になります。
自動車保険にご加入の方は、一家に1台、いずれかの保険につけていただくだけで、ご家族みなさんが補償の対象になりますので、ご検討されてはいかがでしょうか?
保険料は高いの?
この特約は人身傷害保険に付随する特約になりますので、人身傷害保険の保険金額により若干変わります。人身傷害保険は、2000万円~無制限補償まで選ぶことができます。犯罪被害事故特約をつけることにより、年間で300円~600円位。月にすると30円~50円程度の保険料です。
確率はとても低いかもしれませんが、報道で無差別に傷つけられた事件を見るにつけ、このような特約があれば、心の傷は癒えないまでも、経済的な助けになるはずです。
車の事故は加害者が補償するのでは?
確かに自動車の暴走による事故の場合、自動車に必須の自賠責保険、多くの方が加入されている民間の自動車保険で補償されるべきです。
ですが、該当の車が保険に加入していないケースもあります。自賠責保険が切れてしまっている車かもしれません。また、加害者に賠償能力がない場合、泣き寝入りということも考えられます。
国は通り魔殺人や、ビル爆破事件などを契機として、昭和55年に犯罪被害給付制度を制定しています。
遺族給付金・重傷病給付金・障害給付金など犯罪被害に遭われた方やご遺族に国からの給付がされる制度です。ですが、交通事故による被害は対象外となっています。この制度の定義は故意の犯罪行為による被害を対象としているので、過失による交通事故被害は対象外となっており、自動車損害賠償保障法を適用することになっています。
国の救済措置が自賠責だとすると、無保険車からの被害は自分で守るしかないことになります。
転勤中の配偶者も対象
春には転勤も多いですね。
犯罪被害事故の対象者は同居の親族、別居の未婚の子となっていますが、配偶者というのは別格です。
同居の定義は不要で配偶者は補償の対象となります。ご夫婦いずれかがお仕事で別居されても、補償の対象になります。
自動車保険は簡単なようで補償の対象など複雑でもあります。保険会社によって定義が違う場合もあります。ご家族の身を守るために、補償の対象範囲をよく確認し漏れがないようにしましょう。