野原 亮

【老後資金2,000万円不足問題】人生設計における資産形成の重要性のみならず、長期ビジョンに基づいた国家戦略に理解を示す時がきた

こんにちは。東京、品川・高輪ゲートウェイの確定拠出年金相談ねっと認定FP、野原です。

 

「年金不足問題」、徐々に落ち着いてきて、より視野の広い報道がされるようになってきた感じがします。

ところが、やはり「2000万円」という言葉に引っ張られてしまっている報道を多くみかけます。

 

勘違いしてはいけません。

 

金融審議会は、あなたにとっての老後や2000万円の真偽を語る場ではありません。

金融制度や資本市場など国内金融関係の重要事項について、調査・審議を目的に設置された、内閣総理大臣、金融庁長官および財務大臣の諮問機関である。1998年の金融監督庁(現在の金融庁)設置時に金融制度審議会、証券取引審議会、保険審議会を統合。金融審議会では、金融制度ワーキング・グループ、市場ワーキング・グループ、ディスクロージャーワーキング・グループなど必要に応じてさまざまなワーキング・グループが設けられ、調査・審議を行っている。

日本の未来を良くしていこうというという機関であり、もっと大きな視点で語られる国家プロジェクト

 

私の老後はどうなってるの?という話は、こういった観点を意識しておくと、もっと理解が深まると思っています。

いま、自分が置かれている状況の全体像がわかれば、いまの自分の状況もわかりやすいのではないでしょうか?

 

【2019.07.07追記】尊敬する橘玲氏のツイート ※著書一覧

 

そして、

 

これはロスジェネ世代(※)といわれた年代層の一人である僕の、老後資金2,000万円不足問題についての、ひとまずの総括です。

※ロスジェネ世代:ロストジェネレーション。バブル崩壊後の景気低迷期である1990年代後半から2000年代前半の「就職氷河期」に社会に出た世代。団塊世代や、すぐ上のバブル世代とは、経済的な『世代間格差』が生まれ、親の世代よりも貧しく、不安定になった戦後初めての世代。

 

【年金自助努力・炎上問題】ただムードに従うだけでは真実は何も見えない!?マスコミに躍らされないよーに!

 

【老後資金2000万円不足問題】見え隠れする貧富の格差と情報格差、煽り商法成れの果て

 

〜誰でもない、あなたの老後〜
【 緊急FP対談 】マスコミに騙されるな!老後2000万円問題の真実

確定拠出年金相談ねっと代表 山中氏 × 確定拠出年金創造機構代表 野原

 

以上、2記事・1動画をベースに、現状〜結論・解決策までを「中小企業の成長」にフォーカスしている、僕なりの視点でまとめていきたいと思います。

 

結論

老後資金2,000万円不足問題で、一番損したのは我々国民なのです。

 

なぜなら、

長期ビジョンに基づいた国家戦略の一環であり、その具体的手法のひとつである、「自助努力による資産形成」のための、制度改革・拡充の動きをいったん停滞させることにつながってしまったからです。

NISA(少額投資非課税制度)の恒久化への提言の休止などが最たる例でしょう。

 

国家戦略の現状

日本は急激な高齢社会の進展により、未来戦略骨太の方針人生100年時代構想による、省庁を横断した様々な対策を実行する必要に迫られています。

高齢者雇用延長、公的年金制度改革、医療・介護制度改革・認知症対策・住宅対策など。

 

そのなかで、人生100年時代構想における金融審議会では、金融庁を始め各省庁・金融業界・民間によるオールジャパン体制でこの問題にあたっています。

 

金融業界としては、国民の潜在的ニーズを踏まえた、顧客目線のビジネスモデルを追求し、なるべく若年層からの適切な、長期・積立・分散による資産形成と、老後における資産の取り崩し、相続や事業承継などを円滑に進めるために、まさに金融業界の存在価値や倫理観が問われてきています。

同時に、投資家保護の観点からも、信頼できる良質なアドバイザーや資産管理人の存在も欠かせなくなっています。

 

確定拠出年金創造機構として、現場レベルでやりたいこと

そこで、僕がいま取り組もうとしている最大プロジェクトは「中小企業の成長・発展に貢献する」ことです。

特に、大企業と中小企業の賃金格差が最も大きい退職金福利厚生において、可能な限り改善していくことで、人材の獲得・定着化、そして状業員の皆さまの更なる能力発揮のお役に立つことです。

 

具体的には、まずは我々の「第2の学校」とも言える、企業内での「生きる知恵」としての金融研修を展開し、充実させていくこと。

特に確定拠出年金などの資産形成手段の普及や、ねんきん定期便・退職金の見える化により、従業員の不満足度を下げたいと模索しています。

 

幸い、いま現在、中小企業の重要ポジションには、僕と同様ロスジェネ世代が多くいらっしゃると思います。

もし、中小企業の経営者や人事担当のかたで関心を持っていただけたなら、ぜひこちらからお問い合わせください。

 

最後に

今回、普段馴染みのない言葉で特に話題になったのが、「100年安心」というキーワードかと思います。

あくまで、年金「制度」の収支が100年もつように設計されているということですが、関連する2記事をご紹介しておきます。

 

年金は天から降ってこない 罪作りな「100年安心」

 

年金「100年安心」 都合よく

 

そして、今回騒動の当事者であり、金融審議会の市場ワーキング・グループ委員でいらっしゃった、お二人のインタビュー記事です。

とても訴えかけてくる力があって、改めて考えさせられました。

 

老後2000万円問われるもの「年金、公私一体で議論を」  中野晴啓・セゾン投信社長

 

まず年金・退職金の把握を LIFE MAPの竹川代表

 

 

そして、あえて言いたい。

 

2000万円を気にしているようでは、未来はない。

オール・ジャパンでやっていくしか、もう道は残されていないのだから。

 

経産省若手が“炎上”ペーパーの批判に答える

2025年には、団塊の世代の大半が75歳を超えている。
それまでに高齢者が支えられる側から支える側へと転換するような社会を作り上げる必要がある。
そこから逆算すると、この数年が勝負。
かつて、少子化を止めるためには、団塊ジュニアを対象に効果的な少子化対策を行う必要があったが、今や彼らはすでに40歳を超えており、対策が後手に回りつつある。
今回、高齢者が社会を支える側に回れるかは、日本が少子高齢化を克服できるかの最後のチャンス。
2度目の見逃し三振はもう許されない。

 

 

 

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