ファイナンシャルプランナー井内 義典

2020年 09月 13日

「飲水タイム」でも年金について考えてみてはいかがでしょう?

ご覧の皆さま、こんにちは。

年金というフィールドで、相談業務、教育研修、制作(執筆・編集等)、調査研究という4領域で活動中、年金のポリバレント・井内(いのうち)です(※ポリバレントとは、サッカーで複数のポジションをこなせる選手として使われている言葉です。)。

先月、「東洋経済オンライン」(東洋経済新報社様)でサッカー用語を用いて執筆しました記事「40歳から覚える「年金」を1円でも増やすコツ」が掲載されたことをご報告いたしましたが、本記事では、20歳から60歳までの40年の国民年金加入義務期間の中での40歳・前半20年終了時のハーフタイムについて触れています。

9月以降も暑い日々が続いていますが、サッカーの試合では、前半45分と後半45分のそれぞれ中間の22~23分頃に試合を中断して、飲水タイムが設けられています。選手は水を飲んで水分を補給することになり、すぐまた試合が再開します。

年金もまた、前半20年(20~40歳)と後半20年(40~60歳)のそれぞれの中間である30歳50歳にふと立ち止まり、少し考えてみるのはいかがでしょう。

年金で30歳で考えられることと言えば、「学生時代の保険料の追納」についてでしょう。

20歳から学校を卒業するまでの間、保険料の納付の猶予を受けていた人も多いかと思います。この保険料は10年以内なら追納可能で、10年を過ぎると追納ができません。

納付猶予を受けた月から3年度目(翌々々年度)以降に追納する場合は、当時の保険料に加算がされますが、追納をすると当該保険料が社会保険料控除の対象になりますので、課税対象となる所得金額が減り、税金も安くなります。

10年以内に追納しなかった場合、後になってから「やっぱり満額で年金を受けたい!」と思っても、学生時代の納付の足りない分は60歳以降(東洋経済オンラインの記事でいうアディショナルタイム)の保険料の納付で増やすしかありません。

かなり先にはなりますが、今から30年後の60歳時に保険料が今よりも高くなっていることも十分予測できます。

30歳の今、追納する余裕がない場合は致し方ありませんが、余裕があるのでしたらその点も1度踏まえ追納についてを考えてみてはいかがでしょうか。

それから、40歳のハーフタイムと同様ですが、30歳時点で国民年金第1号被保険者(自営業等)で保険料が納められない場合、免除の手続きは忘れずに早めに行いたいところです。

もし、ケガ、病気が原因で障害が残った場合の障害基礎年金が受給できるようになるためにも免除の申請は必要となります。

また、20歳の頃と比べ、結婚して小さい子どもがいることもあるでしょう。もし自身が死亡した際の遺族が遺族基礎年金を受けられるようにするためにも免除手続きが大事です。

一方、50歳時点では何が考えられるでしょうか。

50歳になると、将来に向け、年金について意識し始める年齢ではないかと思います。50歳以上の「ねんきん定期便」には60歳まで今の加入記録のままの場合の、将来の年金の見込額が表示されます。加入義務のない期間(1991年3月以前の一定の学生期間など)を除き、長く年金制度に加入してきたかと思いますが、これまでよりは現実に近い数字で将来の年金額について考えることもできます。

ただし、この定期便の見込額には厚生年金基金部分加給年金の加算額在職中の場合の在職老齢年金による支給停止額、などは記載されていません。

従って、年金制度の加入状況、家族構成、将来の就労などによって、実際の受給額が大きく変わることもあります。

こういった将来受ける予定の老齢年金の各制度について、確認してみるきっかけとなれればと思います。

また、既に10年以上必要な受給資格期間を満たしていれば、いくらかでも老齢年金は受けられます。あとはその額をいかに増やすかというところでしょう。

「60歳まではあと10年しかない」と思う人もいるかもしれませんが、今50歳の方は、年金の支給開始年齢は65歳です。65歳まで働くことが当たり前のようにもなるでしょうし、70歳定年時代も近づいています。60歳以降のアディショナルタイムに働くことも、年金制度に被保険者として加入することも普通の時代になりそうです。

そうなると、受給額もまた変わってくることになるでしょう。

60代はまだ少し先ですが、ここで一度年金について確認して、国民年金の加入義務のある60歳までの過ごし方、そして、60歳以降の働き方を踏まえて年金や就労による収入をイメージし始めてみてはいかがでしょうか。

【これまでの実績】——————-●年金相談は3500件以上経験、●教育研修は地方自治体職員向け、年金事務担当者向け、社会人1年生向けなど、●執筆は通算200本以上!『週刊社会保障』の「スキルアップ年金相談」(法研様)、「東洋経済オンライン」(東洋経済新報社様)、「ファイナンシャル・フィールド」(ブレイクメディア様)、月刊『企業年金』の「知って得!公的年金&マネープラン」(企業年金連合会様)。●調査研究活動は研究論文「老齢年金の繰下げ受給の在り方-遺族厚生年金の受給権がある場合-」(日本年金学会編『日本年金学会誌第39号』)など。

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