こんにちわ、プレ定年夫婦専門FPの三原由紀です。
最近では、人生100年時代と声高く言われていますが、私たちアラフィフ世代にとって50歳はちょうど人生の折り返し地点です。すでに折り返しを過ぎた人もいるかと思いますが、ざっくりいうと今から過ごす10年は「夫婦関係」「家計」「自分の人生」を見直し、自分が望む人生後半を送るためのラストチャンスといっても良いのではないでしょうか?
家計円満は夫婦円満から
生命保険文化センターの調査によると自分の老後に「不安感あり」の割合は85.7%とほぼ90%の人が老後に不安を抱えていることがわかります。今回お伝えしたいこと、すなわち老後対策で優先すべきことは何と言っても夫婦円満であることです。誤解して欲しくないのは、夫婦円満=夫婦ラブラブではありません。夫婦には今までの長い積み重ねの結果として仮面夫婦や家庭内別居などさまざまな事情と形があることかと思います。
ここでいう夫婦円満とは戦略的互恵関係を築くことです。
戦略的互恵関係とは互いに利益を得るパートナーシップです。
というのも老後の生活費についてこんな調査結果があるのはご存じでしょうか?
資料:生命保険文化センターを参考に作成
上の図を見てもわかるように生活費は1人が2人になっても2倍にはなりません。生活費の不足額についても夫婦2人であれば1人より負担が少なくて済みます。
老後の生活において夫婦2人であることには一定のメリットがあります。ただしメリットを高めるには夫婦でのチームプレーが必要です。
夫婦折り合いながらチームプレーで乗り越えるには?
プレ定年のアラフィフ世代はバブルを経験した人がほとんどかと思います。世帯の働き方としては、親世代と同様に会社員夫とパートなどしている専業主婦という方々も多いのではないでしょうか。50代会社員の夫を持つ妻たちは自分でバリバリ稼ぐというよりは内助の功で夫を支える人もいるかと思います。アラフィフ世代は専業主婦という立場が許される最後の世代かもしれませんね。
もしも今まで生活できているのは“夫の給料のおかげ”であるとしたら、改めて今後10年で押さえておくべき50代会社員夫を持つ妻の心得についてお話します。
定年に向かって会社員の夫はさまざまな制度に向き合っていくことになりますが、妻として知っておきたい制度をあげてみました。
この中でいくつ知っているかチェックしてみてくださいね。
- 役職定年
- 継続雇用制度
- 定年延長制度
- 定年制廃止
- 企業型確定給付年金
- 企業型確定拠出年金(401Kまたは企業型DC)
- 在職老齢年金
- 高年齢雇用継続給付金
全部知っているという人はパーフェクトです!!
知らない人は、これから知っておけば大丈夫です。知っておくことは、夫婦のチームプレーでお互いに幸せなアフター定年を過ごせる可能性は高くなることでしょう。
役職定年って?
役職定年は部長など役職についている人に設けられた制度です。
55歳など決められた年齢に達すると役職を外れることになり、つまり管理職ではなくなるということです。役職定年後には、今まで“〇〇部長”と呼ばれていたのが“〇〇さん”になる、部下だった人が上司になる、給料が減額になるなど精神的にキツい状況になることもあるでしょう。この時に妻が何気無く「パパ、お給料下がったね」と発した言葉が夫を傷つけることもあるかもしれません。妻に悪気は全くないとしても。。
でも事前に制度のことを知っていれば、「パパも大変なんだな」と理解し、さりげない気遣いもできるものですよね。
家計の収入はほぼ夫の稼ぎで成り立っている、としたら夫に気持ち良くなるべく長く働いてもらうのが妻のミッションでありチームプレーではないでしょうか。
その他、退職金の受け取り方も一括で受け取るか年金形式で受け取るかによって税金のかかり方が違ってきますので、受け取り方をシミュレーションするのも妻のミッションの一つです。
このように50代夫は、定年に向けたカウントダウンを会社の仕事以外にも抱えていたりするため、家計を含めた老後のお金に向き合う心の余裕がないものです。
戦略的互恵関係を築くために、妻として老後の夫婦の家計や資産を整えるため家庭内で夫を操縦、内助の功で支えるのは重要なミッションなのです。
自分の人生どう生きたい?
“家計円満は夫婦円満”を唱えてきましたが、それと同じくらい重要なのが「自分の人生」を見直すことではないでしょうか?いまは夫婦2人であっても、いつかは誰でもおひとりさまになりますよね。
夫や妻それぞれのパートナーに依存しすぎるのは要注意です。あくまでも自分の人生の主役は自分自身です。残りの自分の人生をどう過ごしたいのかについても向き合っておくべき10年にしましょう。
例えば、気のおけない女友達と女子旅にも行きたい、となんとなく思っているとしたら今から準備しておくことが明確になってきますよね。最低限備えておきたいものは、友達はすでにいることでしょうから、他には旅行に行ける健康な体とお金です。
健康な体は一朝一夕で作れるものではありませんから、普段から健康を意識した生活を送る、体のメンテナンスを行っておくなど今からやるべきことがわかります。
また、お金については、先ほどみてきた老後の生活費には旅行の支出は含まれていません。ですから自分で備えておく必要がありますよね。老後に夫の給料はないのですから、自分で遊ぶ費用は自分で工面する必要があります。その時になってお金がなくて行きたくても行けない、、という残念なことにならないためにこの10年で自分で備えておけばいいのです。
例えば、夫の社会保険の扶養内でパートで働きながら、あえて配偶者控除は受けずに老後の軍資金を作る方法があるのをご存じでしょうか?50歳であればこれから10年間ありますので、今すぐにでもはじめておきたい資産運用法です。詳しくはMONEY PLUSに連載中の以下コラムをお読みください。
プレ定年のアラフィフ世代は高度成長期の親世代を見ているため、自分たちもなんとかなるのではないか、不安に思いながらもここまで来てしまったという人も多いかと思います。
正直、なんとかなる人も多くいることでしょうが、なんとかならない人も残念ながらいます。
今ここで確認しておくことを、人生の後半を幸せに過ごすための通過儀礼にしてもらうのが私のミッションとしてこれからも情報発信していきますね。少しだけの勇気と知識を得るために読んでいただけたら幸いです。